1. 第9地区
まったく予備知識ナシで観賞し、もうすっかり参った状態。 なんと独創的で示唆に富んだ作品でしょう。 まず、エイリアンが難民で、それがヨハネスブルグでかつてのアパルトヘイト政策のように隔離されているという状況が斬新。 これまで観たどんなSFとも違う、まったく新しいエイリアンものにグイグイ引き込まれた。 宇宙人像はどこかで見たような、甲殻類そっくりの醜悪なルックスなのだけれど、そのエイリアンに対して人間が行う所業はさらに醜悪、ゲスの極み。 途中から完全にエイリアンに感情移入させてしまうのだからスゴイ。 ものすごくなさそうでありそうな話しではないだろうか。 娯楽映画として十分楽しみながらも、自分だったらこの招かざる客に対してどのような態度で接することができるだろうか?とか、自分がもしエイリアンの立場になったら…、いや、それよりクリストファーは戻ってこられるのかしら?、などと、様々に思いを巡らせてしまった。 文句なしに楽しめて、想像や思考を存分に広げることができる、近年のSF映画では群を抜いて素晴らしい作品。 [映画館(字幕)] 9点(2011-10-14 01:21:15)(良:1票) |
2. ダークマン
非常に悲劇的なヒーローによる復讐劇であるこのB級映画、私的にはスパイダーマンより数段面白かった! 悲惨な設定の割にどこか軽い演出、CGでは決して味わえない重量感あるアクション、予算の代わりに思いっきりアイディアがつぎ込まれた撮影、どれも素晴らしい。 ヘリコプターのシーンなんて、思わず腰が浮くくらい良かったし、ラストシーンで別人(これがなんと!)になって去っていくダークマンの哀愁漂う姿にも思いっきり萌えてしまう。 これぞB級、アメコミの真骨頂である。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-27 09:03:11) |
3. 大脱走
久しぶりにDVDを観た。 世に脱獄モノの映画はいくつもあるが、半世紀近く経ってもなお、本作以上の作品にお目にかかったことがない。 250人の壮大な脱獄計画にワクワクし、何度も訪れる危機にハラハラし、オールスターによる人間ドラマに胸を打たれる。 殊にスティーヴ・マックイーンはどのシーンもステキすぎて直視したら目がつぶれそうなくらいカッコいい! [DVD(字幕)] 10点(2011-08-20 13:44:37) |
4. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 トラヴィスを演じるデニーロの演技が素晴らしい。 孤独な魂が狂気を養っていく様が、非常にリアル。 「漠然とした毎日が長い鎖のように続く」という台詞通り、全編に漂うやりきれなさを、けだるいサックスが増幅する。 ベトナム帰還兵という設定だが、現代社会にも通じる普遍的なテーマで、今日の若者の中にもトラヴィスに共鳴する者もいるであろうことは近年の事件をみれば明らかだ。 ラストのデニーロの表情は、再びこの街から排除するべき「汚物」を見つけたのではないかと思う。 歪んだ正義感に駆られた彼は、もうベッツィの愛を必要としない。 しかしそれは、彼女に振られた時よりももっと孤独が深くなっただけのような気がする。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-12 16:45:58) |
5. TATTOO<刺青>あり
この凄惨な事件は、映画を観るより前に、新聞社によるドキュメントを読んでいたのだが、映画もなかなか丁寧に事実に基づいて描かれている。 冒頭で荻島真一扮する検視医が「TATTOO」と、本人にとっては勲章であり、自己顕示の手段であり、強さの証明であったはずの刺青を、単なる身体的特徴として口述する。 この出だしから痺れてしまった。 日本の犯罪史上稀に見る凶悪で残忍なこの事件の犯人像に、適度に心情的な距離を保ちつつ肉薄していく、という作り手のスタンスが感じられた。 特に私が興味深かった読書家である一面、ストイックなまでに健康管理に取り組んでいた点なども、きちんと触れられており、何がこの男を凶行に走らせたのか、といった主題からいささかもぶれず、最後まできっちりまとめあげている。 さらに宇崎の演技がすばらしい。 虚栄と自己顕示欲に満ち、勤勉で努力家だが、情緒に欠如しており病質的という難解な役を完全に自分のものにしている。 相手役の関根恵子も、圧倒的な美しさと存在感で目を奪う。 ラストにかかる曲も、この犯人への鎮魂歌になっており、渡辺美佐子の好演とともに胸に深く残っている。私の大好きな作品だ。登録感謝いたします>木戸満さま 9点(2004-05-06 17:30:43) |
6. ダイ・ハード
グリーンベレーやターミネーターとかぢゃない血肉の通った「等身大の人間」が、地球を救ったり社会正義のためぢゃなく「妻を助ける」ために、嫌々ながら戦う。という斬新な設定と、限定されたフィールドからなる緊張感、よく練られた脚本。 文句なしに楽しめる快作。 8点(2004-04-30 13:30:28)(良:2票) |
7. ダンサー・イン・ザ・ダーク
手ぶれの激しいハンディカメラの画像と一転鮮やかなミュージカルシーン。セルマの厳しい現実と空想世界のコントラストを映し出すための考え抜かれた演出だってことはよくわかるんだけど、ハンディカメラは、そこに撮影者の存在を強く感じすぎて、私などは全く感情移入できなかった。ミュージカルシーンもコマ切れの印象しか残らず、もっと全体像を写してよ!とイラついた。しかしビョークの存在感と、この映画の持つパワーは圧倒的。何の感動もせずイラついたっていうのに、彼女の歌う「マイ・フェイバリット・シングス」が頭から離れず、なんと3回以上も観るハメになった。良くも悪くも、観るものに強烈な印象を与える映画だ。 8点(2003-11-23 20:08:01) |
8. ダンボ(1941)
「泣~かないでね~♪可愛い~坊や~♪」このダンボのお母さんの歌う子守唄、娘にせがまれて何度歌ったことでしょう。親子のきめ細やかな情愛とダンボの健気さには泣かされます。 8点(2003-11-19 18:02:40) |
9. タンポポ
ラーメンウエスタンって一体??質としては悪くないんだけれど、どうしても好きになれない作品。伊丹監督の品のないインテリジェンスが前面に出ている気がして。ラーメンの話しなんだったら、もっと下世話に庶民的に作ってもらいたいんだ。 6点(2003-05-31 18:28:59) |
10. タイタニック(1997)
今さらながらですが、映像は素晴らしい。よくもここまで…と思わせるご都合主義の展開はあるものの、タイタニックをスクリーンに甦らせた功績とそのスケールの大きさゆえ、駄作とはとても言えないでしょう。ただ、キャメロン監督の描く人物は非常に一面的なんだよなぁ。タイタニックの悲劇を描くなら、映像の迫力を凌ぐほどの壮大な人間ドラマがあったろうに。要するに非常に大味なんです。 6点(2003-05-29 17:15:49) |
11. ターミネーター
アメリカで観たため、字幕がなかったのですが、十二分に楽しめました。娯楽映画に国境はない、と感じさせてくれた作品。 7点(2003-05-16 20:18:47) |
12. タワーリング・インフェルノ
言うまでもなくパニック映画の超傑作。当時小学生だった私は、スクリーンの前で、ただただ圧倒されました。今にして思えば、超豪華なキャストなど、見どころ満点の大作。 8点(2003-04-16 15:21:10) |