1. ダ・ヴィンチ・コード
《ネタバレ》 トムハンクスを始めとする豪華な俳優陣、ラストサムライなど数々の有名作品の音楽を手掛けるハンスジマー。彼らの名を予告編でみたとき期待で胸が踊ったが……結果は期待はずれ。原作が未読だからかもしれないが、話を詰め込みすぎていて展開が早すぎるためわかりにくくなっている。謎解きが軸になっているはずなのに、「○○が××だった」という反則技的などんでん返しに頼ってしまったせいか安直なミステリーという印象だけが残ってしまった。キリシタンに関する興味は持てたが、原作を読まなければついていけない映画など愚の骨頂である。二時間半で収めるのが無理ならば二部作にしたらよい。大物役者が勢揃いなのに彼らの魅力が生かされていない。話題性ばかりが先行し中身が伴っていない。ミステリー・サスペンス映画としてはお粗末な作り。 [映画館(字幕)] 3点(2006-07-18 07:35:56) |
2. タイヨウのうた
YUIという歌手の存在は映画を観て初めて知った。難病と純愛を絡めた作品は食傷気味だったのだが、期待していなかった分うっかり感動してしまった。この手の作品にありがちな死を悲しみの象徴として無理やり涙を誘うあざとい展開ではなかったことにも好感が持てた。どうにもならない状況の中、前向きに生きていくことの大切さをおそらくテーマにしているのだろう。そしてそのポジティブな気持ちの象徴=音楽への情熱という形で表現されている。作中でYUIの歌う姿は頻繁に使われているが、余計だとは思わなかった。なぜなら歌うことが生への執着であり、それこそが本作の伝えたいメッセージでもあるからだ。ヘンにじめじめせずに爽やかな雰囲気。一言で言えば「甘酸っぱい」。私のように歳を重ねた者がみると気恥ずかしさを覚えてしまうが、それはきっとピュアな物に対する一種の照れなのだろうと思う。若い人におすすめしたい一作。 [映画館(邦画)] 7点(2006-07-18 07:00:18)(良:1票) |
3. ターミナル
トムハンクスの演技力に舌を巻いた。そしてスピルバーグの演出。映像も悪くない。しかし如何せん脚本がいまいちである。そこそこ笑えるしそこそこ切なくもなるのだが、あまりに出来すぎた展開(特にラスト)、都合よく配置された脇役設定には首を傾げざるを得ない。予想通りに展開していく今作品はまとまってはいるものの、良くも悪くもさすがハリウッドと思わせられる。予定調和でありながら、ついついひきこまれてしまうのは役者と監督の力量に他ならない。下手すれば陳腐になってしまいそうな設定や内容だが、完成度が高いせいか陳腐を陳腐と思わせないパワーがある。観て損はしない映画。 9点(2005-03-09 15:51:19)(良:2票) |
4. 箪笥
ホラーという期待度でいえば0点。しかし怖さだけを追求したのではない魅力が今作にはある。それはそこはかとなく流れる家庭崩壊の悲しみである。それは同情という枠をこえ、姉妹の演技に胸を打たれ、母役を思わず憎みたくなるほどだ。そして最大の売りは張り巡らされた伏線の数々とその謎の解明である。鑑賞後、誰もが頭を抱えるであろう。どの場面がどこで繋がっているのか? あの台詞はどんな意味を含んでいたのか? 考えれば考えるほど混乱するであろう。しかしそれこそがこの作品の愉しみ方なのである。いわばこの作品は我々に対する挑戦状なのだ。ホラーファンよりもミステリーを好む人へお薦めの一作。 7点(2004-08-29 23:39:17) |
5. ターミネーター
名作T2の原点をつくったという意味では10点満点。映像が古く感じるのは二十年も前の作品だから致し方ない。しかしひたすらターミネーターが冷酷で迫力がある。近未来系アクションという意味でスターウォーズとはまた違う路線を築き上げたといってもいい。マイナス1点にしたのはT2(ちなみに10点評価をつけている)のほうが個人的に好みであることと低予算が故に半端に安っぽい箇所が気になってしまう為。 9点(2004-02-10 22:40:28) |
6. たそがれ清兵衛
予定調和的にすすんでいくので話の先が読めてしまうが、真田の刀さばきはさすがだ。宮沢りえも美しく二人の子役も可愛らしい。決闘シーンもなかなかの迫力。しかしやはり肝心のストーリーに深みがない。岸恵子のナレーションがほのぼのしていてうまく全体をまとめているのだが、大きな感動があるわけでもなく、内容的にはそこそこ。ただ真田氏の才能や魅力があふれているこの作品は、少なからずも彼に注目しているのなら観ておくべき映画だろう。 6点(2004-02-05 18:35:44) |
7. タイタニック(1997)
泣きどころが幾つも盛り込まれているのでどこで泣くかは人それぞれだと思うが(特に男女間で泣きのツボが違うようだ)、この映像と音楽の素晴らしさには心の底から感服である。それに付け加えセットの細かさ、衣装などチープさが微塵も感じられない。ロマン派・完璧主義のキャメロン監督の真骨頂といったところか。三時間という大作のせいか中盤で少々間延びしている点が惜しい。やむなく運命に引き裂かれた悲恋物語は手垢がつくほど作られてきたが、今作は堂々と王道をいっているし終わり方も綺麗。 9点(2004-01-27 05:02:12)(良:1票) |
8. ターミネーター3
《ネタバレ》 1&2のジェームズキャメロン流Tシリーズとは全く雰囲気が違う。1と2を切り離して観るべきなのだろうが、シリーズ物3作目となるとそうもいかない。アクションは確かに迫力があるが少々しつこい。Tシリーズに期待するのはうわべだけのアクションではなく、奥の深いドラマであるのは私だけではないだろう。致命的なのはサラコナーが登場しない点。(本人は「脚本に命の尊さが書かれていない」のが不服で自ら降板したらしいが?)それはやむを得なかったとしても白血病で死んだという陳腐な設定は解せない。せめて彼女のキャラクターからいっても戦死という類にしておくべきだった。期待をことごとく裏切られたT3だが、オチだけは意外でよかった。救いようのないラストだが、これでようやく辻褄が合うわけだ。T4を予定しているのならば是非ともキャメロン監督にメガホンを握ってもらいたいものである。 5点(2004-01-27 03:11:27) |
9. ターミネーター2
《ネタバレ》 何度観たかわからない。ストーリーも勿論、音楽も映像も含めトータルでみても最高傑作。人間自らが作り出した機械文明がやがて核戦争を引き起こす。それを阻止する親子。そこに前作からの流れと叙情的エピソードを多く盛り込むことによって奥の深い作品になった。ターミネーターが自ら沈んでいくシーンは名場面といってもいいのでないだろうか。スリル、アクション、メッセージ性、どれをとっても文句のつけようがない。 10点(2004-01-27 02:58:24) |