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1.  ダンテズ・ピーク
セント・ヘレンズ山の大噴火の直後に作られた「セント・ヘレンズ」という映画がありましたが、「ダンテズ・ピーク」は、そのリメークと言える作品のようですね。どちらも協調性に欠ける科学者に子どもを連れた女性との恋愛が絡む(前者は実話通り科学者が死にますが)。もっとも、「セント・ヘレンズ」の特撮がいかにも安易で噴火・山体崩壊のリアリティはまったくなかったのに対して、「ダンテズ・ピーク」のほうは、火山学者が見れば多くの過剰な演出があるでしょうし、災害時に生まれ育った土地を離れられないごく自然な住民感情をお婆さん一人に代表させたところは賛否両論ですが、火山災害の怖さを一般に伝えるには十分と言ってよい迫力と臨場感があります。一連の火山活動自体が現実的で十分にドラマチックなので、敢えてストーリーは先を読みやすくシンプルなものにしたと考えれば制作者の意図も分かります(その点、「ボルケーノ」は突飛すぎて、もう少し脚本で怖さを盛り上げてほしいと感じました)。パニック映画で、パニック自体に脚本がどう関わるかというのは難しい問題ですが、「ダンテズ・ピーク」は、その点で成功している部類ではないでしょうか。
7点(2004-03-24 01:13:17)(良:1票)
2.  タイタニック(1997)
公開時の派手な宣伝と話題作りのせいで私に観られることのなかった不幸な映画が多々ありますが、これもそのひとつ。実際観てみると、とても静かないい映画ですね。パニックと人間ドラマ、階級の矛盾に因果応報……てんこ盛りの内容ですが、充実した長編です。最後に老ローズが〈碧洋のハート〉を海に投げ入れる際に、小さくあげた声とその表情には、共感しようにもとても及ばない深さを感じて強く記憶に残りました。それにしても老ローズの記憶力はすごいね。そのぶん、結婚した男性の記憶はいい加減なのかも知れないけど。概してそういうもんですね。とほほ。
9点(2004-03-23 16:10:36)
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