1. ダークレイン
《ネタバレ》 如何にも低予算な雰囲気。アイディア勝負のユニークなホラー。殆どモノクロのような色褪せた色調と、登場人物のオーバーアクションな演技がレトロ感を醸し出しています。 冒頭の30分ぐらいは何だか訳が解らない展開。予備知識なしで観始めたので、コメディなのか生真面目なのか先の読めない展開に呆然。ところが中盤から矢鱈アクティブでスピーディに物語が進んで行き、髭面大発生という果たして笑っていいのかどうか良く分からないカオスな展開に。正直なところ苦笑から大笑いに転じてしまいました。特に人面犬には意表を突かれましたね。 そして終盤にかけての種明かし的展開。まさかの悪魔系だったとは。そうなると何でもありですね。あれよあれよという間に主役に転じた病弱少年の、文字通り悪魔的な微笑みで締めてくれました。 製作者が意図しているのかどうかは分かりませんが、何気にパロディ的な要素も含んだ本作品。最後まで観てみれば、思いのほか楽しめるB級娯楽作品でした。ただし、悪魔的な存在を持ち込んだことで何でもありになってしまった部分は減点要素かな?髭面大発生というオリジナリティ溢れる笑劇の作品だけに、もう少し奇抜な種明かしだったらな、と若干残念な気持ちが残ってしまいました。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-02-25 23:13:35) |
2. ダークスカイズ
《ネタバレ》 屋敷に潜む悪霊との闘いのストーリーかと思いきや、まさかまさかのエイリアンによる誘拐事件を描いたSFスリラーだったとは。 種明かしされてしまうと、何やら使い古された古典的なエイリアンもの。子役を含めた登場人物の緊張感のある演技や、何者かが侵入することへの恐怖感の演出には惹きつけられるものがあって決して面白くないとは言いませんが、結局エイリアンということになると何でもあり的になってしまって肩透かしな感じは否めません。 エイリアンたちの目的は何だったのでしょうか?何故この一家を選び、何故回りくどいアプローチを仕掛けながら子ども一人を攫っていったのでしょうか?只管謎です。 そこそこスピーディな展開で中だるみすることなく楽しませてくれはするのですが、エイリアン登場の必然性と言う部分での説得力が感じられず、エイリアンものであることが確定する前の段階で、いや確定した後もかな、いくつか挿し込まれるエピソードも、作品のテーマとは関係なかったりするのでかえって物語の流れが途切れがちになってしまってます。 何か煮え切らない思いが拭い去れず、5点献上に留めます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-14 00:21:48) |
3. タイム・ダイレイション 死のベッド
《ネタバレ》 冒頭、過去の忌まわしい歴史が語られる。そして怨念に溢れた木材から製作されるベッド。 ここまで観ていた段階では、まさかタイムパラドックス的な要素を含んだ作品とは思えず、サブスクサイトの違う作品にアクセスしてしまったかと思いました。 (ここから激しくネタバレです) が、ここから一気に現代に。秘密クラブの一室に件のベッドは設置してあり、既に犠牲者まで出ていたという設定。更には呪いのベッドと言えども使用した人間を無差別に死に至らしめるのではなく、過去に罪のある人間のみ殺すと言うある意味勧善懲悪的な呪い。更に更に、二人の関係者が2時間の時を超えて交信して運命を変えてしまうと言うSFチックな展開。更に更に更に、酔いどれた担当刑事が暗い過去を変えたいがあまりに強引に自らの運命を変えてしまうヒューマンドラマ的展開。そして、ラストは件のベッドが新たな主のもとへ旅立っていくという続編ありですか?的展開。 コンパクトな尺の中に何と贅沢に盛り込んだものか。けれども大きく破綻することなく物語は進みます。そのあたりは脚本の妙と言うべきかも知れません。 監督さんは元々は撮影畑の方のようですね。ビジュアル的には細かな部分に拘りが感じられました。もう一度観たならばいろいろと気付く点もありそうです。 ちょっと?な点も少なからずありますが、予想以上に満足できた具沢山ホラーに8点献上です。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-10-24 09:58:00) |
4. タイムリーパー ~未来の記憶~
《ネタバレ》 時間は1本の線のようなもの。1次元であろうと2次元であろうと3次元であろうと、決して途切れることなく繋がっていて、だからこそ、タイムパラドックスでさえも予め用意されている未来であり、未来は変えることは出来ないのではなく変わってしまった未来も既に確定していることに過ぎない。つまりは全ては変えることの出来ない運命なのだ。 ジェームズが母の事故死以来確信していたことは、きっとそんな感じなのかなと思います。そういう意味では原題の「VOLITION」(意思、意思による選択)の方が良いと思えます。「タイムリープ」はテーマではなくあくまでも手段なのではないかと。 「タイムトラベル」ものが物理の法則に則ったものであるとすれば、「タイムリーパー」という邦題が冠せられたこの作品は、哲学的な概念に則ったものだと思います。あくまでも個々人の思念におけるお話。そう考えれば、薬剤の注射で生身の人間の姿が消えることについても特に違和感は感じませんし、寧ろ「あり」だと思います。 ひさびさに時間の概念やタイムパラドックスについて考えさせられる作品に出逢いました。主人公は自らの死の意味することを理解して死んでいったのでしょうか?それとも薄れゆく意識の中で、やはり運命として受け止めたのでしょうか?個人的には運命は変えられるのだと理解して死んでいったと思いたいところです。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-10-13 11:02:12) |
5. ダーケストアワー 消滅
《ネタバレ》 設定自体は決して目新しいものではありませんが、短い尺の中でコンパクトに纏まった作品だと思います。 SFに限らず、パニック作品やディザスター作品にありがちな、実際のところとんでもない大問題なのに小さな地域やグループで決定的な解決に至ってしまうという、あるある的な展開ではあるものの、スピーディな展開と迫力の視覚効果で思いの外のめり込むことが出来ました。 もう少しは生き残って何か役割を果たすだろうと予想していた登場人物が、意外とアッサリ灰になってしまうあたりも飽きさせない展開に繋がっていると思います。 細かいことをいろいろと考察してしまうと「んな訳ないだろ!」みたいなポイントが相当数ありますが、気軽に鑑賞出来るエンタメ作品として佳作だと思いました。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-10-03 16:35:27) |
6. タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら
《ネタバレ》 何だか口煩いおねーさんと同行のカメラマンが事件現場に潜んでいた謎の男にアッサリ片付けられてしまう。そして、その3日前…という語り出しと、本編突入後にいきなり死亡フラグ乱立の悪ノリ大学生グループのクルマが、脇から突然現れた不気味な男たちが乗るピックアップに抜かれて行くあたりの雰囲気は「これってコメディ?」という感じ。 ところが直後には、実は不気味に見えた二人は良い人オーラ大放出の凸凹コンビで、学生グループのリーダー格の方が実はアブナイっぽいというあたりを早々に種明かし。 基本コメディなんですから、この種明かしタイミングは正解だと思います。コミュニケーションの不成立から誤解が誤解を生むことの恐さという結構真面目な軸を中心に据えて、次から次へと誤解と先入観の深みにハマって、あるいは自らの自発的行動ではないままに無意味に死んでいく若者たちをブラックユーモアを添えて描いていく。 何にしても命の扱いが軽い。いくらなんでも可哀そうと思えなくもない死に方も続出。ところが観ていてそのあたりに違和感を感じない、と言うか普通に笑えてしまう。学生グループには感情移入出来ないからですね。と言うか、逆に主人公側に思いっ切り感情移入してしまうからかも知れないです。 ハッピーエンドもいいですね。普通に考えたら二人がアッサリ無罪放免になる訳ないし、アリーの抱えたトラウマは尋常じゃないはず。更にはチャド生きてるし。でも、そんなもの全部お構いなしにハッピーエンド。あくまでもこれはコメディ。ホラーじゃありませんから、という〆ですね。 ちなみに邦題の副題。「史上最悪の〇〇」みたいな定型パターンってありますけど、この作品の場合には特に必要ないような気が…。確かにツイてないと言われればツイてないのですが、ツイてないが故の展開でもないような気がします。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-08-03 00:37:34)(良:1票) |
7. 太陽の舌、波打つ熱芯
《ネタバレ》 登場人物はエミリアとラミロの若い夫婦、それに隣人のアンヘルさんという3人だけ。舞台となっているのはマンション(?)の一室と屋上及びそこに繋がる階段だけ。 まるで舞台劇のようなコンパクトな空間と数少ない登場人物で物語は進みます。 意味深とも受け取れる邦題と冒頭のセックスに関わる二人の会話、惜しげもなく映し出される二人の裸身からすると、地球最期の日に我を忘れ只管に性に溺れる男女の話に思えてしまいますが、テーマそのものはもっと深遠なものとなっています。 地球最期の日、逃れられない死を自ら迎え入れるべきか、死が訪れるからこそ新たな生命を求めるべきか、哲学的とも言えるような重いテーマですね。 明日には、いや今日にも死んでしまうであろう男女が、最後に交わすセックスで求めるべきものは何なのか?多少チープな作りの作品ではありますが、大真面目なテーマに向き合って製作された良作と思います。 邦題の後半は不要なのでは? [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-17 13:52:35) |
8. ダーク・センス
《ネタバレ》 劇場未公開の作品のようですが、ストーリー的にも映像的にも惹き付けられるものがあります。 特に目新しいアイディアが盛り込まれた作品ではありませんが、良い意味で予定調和満載と言うか、期待通りに展開していくので安心して鑑賞できます。 批判的な言い方をしてしまえば、ご都合主義で矛盾点も多々あるものの、全編通じたモノクロ的な陰影に満ちた映像と、正直なところあまり馴染みのない役者さんたちばかりではありますが、出演者の熱演によってテンポよく展開していきます。 主人公の予知能力が少年時代の事件以来どうなっていたのかとか、経済的に決して困窮している様子ではないものの、母一人子一人の家庭事情はどんなものなのかなど、尺が短めなせいか説明不足は否めません。予知能力は断片的なのに何故か関わる相手のことは全てお見通しだとか、ボディガードが犯行現場を簡単に見つけ過ぎだとか、少年期にもその片鱗はあったもののテレキネシスにあっさり開眼してしまうこととか、ちょっとやり過ぎかなとも思いますが、全体としては上手く纏め上げられていると思います。 なんだか批判的だか肯定的だか判らないレビューになってしまいましたが、観終えてみれば素直に面白かったので、我ながら疑問符付の高評価です。この作品のテーマは一体何だったんだろう?サイモンに操られたのかなぁ? [インターネット(字幕)] 7点(2021-12-05 13:30:54) |
9. タワーリング・インフェルノ
実に40年ぶりに鑑賞しました。当時映画館で観て大変な衝撃を受けたことを覚えてますが、今、改めて観てもその迫力は変わらないですね。 台詞回しや演出、リアリティなど、細部は時代を否めませんけれど、当時連続して制作されたパニックムービーの大作、「ポセイドンアドベンチャー」や「大地震」と並べて一歩も引くことのない傑作だと言うことを再確認しました。 [地上波(吹替)] 8点(2014-01-03 01:38:29) |
10. ダイ・ハード/ラスト・デイ
点をつけるのにモノすごく迷う作品ですね。 皆さんが既に書きまくってるように、「ダイハード」として観ると極めて残念。登場人物の名前と職業が同じだけの作品。全てが違う。別物。 先入観も何もなしで初見であれば、そこそこ楽しめるノンストップアクション巨編。でも、あまりに浪費しすぎの芸風は受け入れ難いものがあります。予算のかけ方が間違ってる。 道徳観も倫理観もかなぐり捨ててビジュアル的に楽しむ分には7点、という意味の採点です。 それにしても、不死身すぎて都合良すぎて、もはやこりゃ漫画ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-12-28 20:05:03) |
11. TIME/タイム
《ネタバレ》 ラストのお約束的シーン。いいじゃないですか。そこで悲劇を描いたって大多数の観客は納得しませんて。古典的とも言えるアイディアながら、緊迫感のある演出で飽きさせられることなく描き切ってくれました。8点献上! [DVD(字幕)] 8点(2013-09-08 00:06:52) |
12. 第9地区
《ネタバレ》 うわっ!レビューの数、スゴイですね。すっかり遅れを取ってしまいました。全員のレビュー読み切れずに書くので、カブったらゴメンなさいです。 監督もプロデューサーも社会派作品であることを半分否定しているけれど、これは紛れもなく社会派作品ですね。舞台も製作も南アってのでそのまんま表現しちゃってますが、このエイリアンの扱い、出て来る隣国人の扱い、そして強者である側が人種混合されてるところ、そのくせ主要なポジションは白人が占めてるところ等等、どこを取っても人種問題、人権問題をストレートに伝えて来てますって。 そういう視点で見ても十分に見応え、メッセージ性ともに備えてますが、一番納得したのは、ほぼオールキャスト、現地の役者さん(?)で固めてるところ。ストーリー、臨場感、ビジュアル面など、あらゆる部分でそこらのB級、C級作品には間違っても期待できないクオリティを確保出来たのは、キャスティング部分に予算を費やさず、純粋に制作費を制作そのものに注ぎ込んだからこそ、ってな気がします。3千万ドルという費用は決して安くはないけれど、これをハリウッド式の超大作に仕上げたら、一体いくらかかることやら…。 アイディア勝負、見た目は多少グロイですが、好感の持てる1本です。2回見ると結構小ネタも利いてますよ。 [DVD(字幕)] 9点(2011-04-03 15:48:46) |
13. ダブルフェイス 秘めた女
《ネタバレ》 微妙です。既視感のある作品とでも言いましょうか、ストーリー的には驚愕の展開とは言えません。この手の作品がお好きな方には先読み可能かと。 ただ、そこは流石フランス映画の味付けと言うか、実にミステリアスに美しく纏められているとは思います。ソフィーとモニカという当代きっての美女を並べ、ふたりの顔が合成されていくなんて贅沢を見せてくれますし、お約束のエロティックシーンもしっかり入ってます。 だもんで、観終わってみれば「な~んだ」よりも「へぇ~」と言う感じで、決して不満だらけとはならないのでは? 感動の名作とは言えませんけれど、これはこれで納得の1本でした。あ、邦題はいただけませんね。そのまんまと言えばそのまんまだけれど、妙にエロ感を出そうとしているように思えてしまいます。でも、原題よかいいかな? [DVD(字幕)] 6点(2011-01-01 02:47:56) |
14. ダニエル 悪魔の赤ちゃん
《ネタバレ》 元ネタは観ただろうか…いまや忘却の彼方。だから、今作に限ってのレビューと言うことで。 冒頭の分娩室シーンはなかなかにショッキング。ネタバレ的ではあるものの、その後の展開に期待させられないでもありません。ただ、ヒロインにしてもその友人役の女優さんにしても、演技がイマイチなのではないかと…。それが理由でいまひとつ惹き込まれない雰囲気から物語は始まる。 原作は薬害テーマらしいけれど、本作を単体で観る限りではそこは極めて弱い。私なりの解釈をしてしまうと、この赤ちゃんはキリスト教テーマの作品にありがちな悪魔的存在であって、堕胎薬さえものともせずにこの世に生まれ、やがては人類を恐怖に陥れるみたいな感じで受け取ってしまった。飲んだ錠剤が6錠ってのも、なんだかそれっぽい雰囲気。原作でテーマの一つになってたらしい両親の苦悩も殆ど表現されてないしね。 それにしても、被害者たちは何とお約束どおりに殺されていくことか。そして、生き残る者もお約束どおり。意外性が皆無に近いので恐怖感がない。全く恐くない。こんなに恐くないホラーは珍しいのでは?てか、ホラー度低過ぎ。 原題の意味するところは、「毒薬でも死なない」のか「殺すことは出来ない」のか?ラストシーンは母親の苦悩を表現しきれず、「どうせ赤ちゃんは生きてるんでしょ?」みたいに、これまたお約束どおりのエンディングだなぁ…。 [DVD(字幕)] 3点(2010-04-30 03:51:12) |
15. ダウト ~あるカトリック学校で~
《ネタバレ》 確かに熱演ですね。才能と才能のぶつかり合いとも言えましょうか。映画的エンターテインメントとは少し異なる趣です。 結局、真実はどうだったんでしょうね?私は神父は正しかったのでは、と思えてなりません。シスター・アロイシスは決して勝ってはいない。むしろ、そこには敗北が見えてなりません。でも、それこそ神父の思う壺?う~ん、これって難解? ただ、現実って何でも難解。ストレートに、現実は理屈では語れないよ、って言われてるような気もする1本でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-10 20:22:15) |
16. ターミネーター4
「3」がいまひとつだっただけに、これは面白かったです。シリーズをきちんと把握してないと、全体の流れが理解出来ないのはこの際当然だし、ちょっと都合の良過ぎる展開も娯楽作品だからまぁいいでしょ。単純に肩の力を抜いて楽しめる作品でした。真剣にタイムトラベルものとして考えると、ちょっと不満は残りますけどね。 シリーズ全体に言えるんですけどね、「時間」っていうのはそういうもの?「運命論」のひとつとして受け止めればいいのかな? [DVD(字幕)] 7点(2010-03-22 06:59:59) |
17. 弾突 DANTOTSU
《ネタバレ》 セガールさん、最近どの作品も似たり寄ったりで今ひとつかな?と思っていたら、これは結構面白い。 まぁ、あらすじも何も目新しいことはほぼ皆無。落ちぶれたダークヒーローもセガールおじさんには似合わない。でも、そこそこノンストップで楽しめたから久々に5点以上献上できます。 それと謎の老人。おぉ、「ミレニアム」のブラック刑事じゃぁないですか、懐かしい。私にとっては「エイリアン」より馴染みのあるTVシリーズでしたから。 子役も可愛いですね。いい感じです。 ただ、一番の不満はラストの銃撃戦。セガールさん、乱射し過ぎ。アンタ、マッチ棒の頭すれすれに撃って発火させられるほどの射撃の腕前なのに、何でそんなに撃ちまくってんの? ところで、「スティーブン・セガール、芸能生活20周年記念作品」って何だか違和感あるなぁ… [DVD(字幕)] 6点(2010-03-14 12:45:44) |
18. 団塊ボーイズ
《ネタバレ》 いいですね~、これ!分かるな~旅立ちの理由。同世代より少し手前だけど。 4人の組み合わせも、荒野を突き進むハイウェイや、ひなびた西部の田舎町の感じも良い感じ。BGMも最高! 難しいこと考えず、一緒に夢を見ながら安心して観ていられる、心温まる良作ですね。 だから、この邦題だけが残念! [DVD(字幕)] 8点(2009-09-23 10:51:20)(良:1票) |
19. ダイアリー・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 一番の疑問は主観映像。この手法を採ることによって、どうしても不要なお馬鹿キャラをキャスティングしないといけなくなる。この場合は学生。好意的に見れば、ドキュメンタリー作品への純粋な使命感が極限状況の中で急速に芽生えてしまった若者。仲間の命さえ見捨てるのは、サバンナを舞台にした動物ドキュメントで、ライオンに襲われるインパラを助けてはいけない、これは自然の摂理なのだ、と諭されているかのよう。何よりも大切なのは真実を世界に発信すること。一人の命より人類の未来?このカメラマン学生キャラこそがこの作品のテーマなんでしょうけれど、やっぱウザ過ぎ。「お願い早く☆になって~!」と言いたくもなってしまう。主観映像の宿命なのかな?「ブレアウィッチ」や「クローバーフィールド」の時には感じなかったけれど「バトルフィールド・イン・トウキョウ」には感じた。そう考えると全ての主観映像は否定しないけれど。 随所に見られる優れた映像処理、これまた随所に見られる凝った小ネタ。流石のロメロ作品ですけれど、テーマが説明的に語られてしまったり、エンディングが妙に引っ張られてるのは如何かなぁとも思います。 ともあれ流石の作り込み。決して退屈はしません。ゾンビものが大丈夫な方にはお勧めです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-19 07:56:22)(良:1票) |
20. タクシデルミア ある剥製師の遺言
《ネタバレ》 観たくって試写会に応募したけどハズレてしまい、上映中は自宅近くでやってなくて観れず、そのまま忘れてしまっていたけど偶然レンタル屋さんの棚で目に止まり借りた作品。 きちんと情報収集しないで観たから非常に衝撃的でした。心づもりもないままに進んでいくストーリーは、一体何を言いたいのやら解らないまま。 でも、父の代の途中で輪郭がつかめ、剥製師の代にはテーマがはっきりと見えてきました。 表現方法は斬新、と言うか力技。これでもかの繰り返しには監督のエネルギーを感じます。確かに、汚い!エグイ!エロい!ひとつ間違えば最低オゲレツ映画。でも、ギリギリのところで芸術の方向に逸れて行く、ってか向かっていきます。 考えてみれば、人間の頭の中で考えていることなんて、映像化してしまえば到底他人に見せられるようなもんじゃないことが多々あり、この作品で繰り広げられる物語は決して異常ではなくデフォルメしてるだけなのかも。サイコ作品と御伽噺は紙一重な訳で、この作品の表現はそのあたりを真正面から受け止め、そのまま来た方向に打ち返していると言う感じかな? 向き不向き、好き嫌いは強力に分かれますけど、これは必見の作品と思います。良いも悪いも観なきゃ判らんです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-26 06:09:58) |