1. 大地震(1974)
《ネタバレ》 ビジョルド目当てで見ました。まぁ、実際の震災を経験した身としては、やっぱり“作り物っぽさ”を感じざるを得なかったのですが、それはそれ、あくまで映画として見ると、CGのない時代、非常に素晴らしい映像だと思います。実際にあったロス地震を基に書かれた作品だそうですけど、実際の地震でもあんな風に高層ビルの数々がもろくも崩れ落ちたのでしょうか。人間ドラマもそれなりに見せてくれます。ビジョルドはやっぱりキュートでしたが、今回はその可愛さを堪能するような作品ではなかったなぁ。チャールトン・ヘストンは男気全開の男を演じておりましたね。まあ、ラストは仕方ないでしょう。もし、あのまま流された妻を助けずに地上に上がってきても、ビジョルド演じるデニスには愛想つかされた可能性高いですもんね。私が男で彼だったら、あんな憎々しい妻、流されて清々して地上に上がってきちゃうと思いますけれども。なかなか上出来なパニック映画だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2014-02-16 01:07:59)(良:1票) |
2. 太陽は夜も輝く
ジュリアン・サンズとナタキンの美の競演とあっては、見ないわけにいかぬ、、、と思って見たわけだけれども、あんまり期待していなかったとはいえ、こりゃマズイ。まず、ナタキン演じるクリスティナに過去を告白されて聖職者になるまでの苦しみ・葛藤が伝わって来ないんだよねえ(大体、人生観が変わるほどまで愛してたんなら、現代の不倫とはワケが違うであろう、王の愛人だったことくらい許容できちゃうってもんじゃないかね?)。それはいいとしても、修行者の身になったあとのセルジョ神父は三大本能のうち、肉欲にだけ激しく動揺するわけですが、これもすごいヘン。1回目はいいとして、2回目マチルダに誘惑されて「あなたは悪魔だ」なんつって誘惑に負けるのがものすごくヘン。指を切り落としてまで誘惑と闘った1回目は何だったのサ。こうなると、指じゃなくてあっちを切り落としておくべきだったね、と言いたくなる。つーか、そもそも、聖職者になる動機がまったく共感できない(描写が弱い)んで、その後、ついていくのも辛い。ナタキンも中盤以降出てこないし。神父のクセに入水自殺(未遂だけど)ってどーよ、と思うし。トルストイの原作を読むと多少は理解できるのかしらん。美男美女と衣装と音楽を鑑賞するためだけの映画でした。 [DVD(字幕)] 4点(2010-07-25 18:07:58) |
3. だれのものでもないチェレ
《ネタバレ》 登録がなかったので登録申請したものの(登録していただきありがとうございました)、正直言ってあんまりオススメしない作品です。・・・いえ、ぜひ多くの人に見てはもらいたい。でも「いい映画よ、感動するわよ、見て見て!」とは口が裂けても言えない作品です。本作を見ている間中、私の顔は恐らく、凍りついたまま無表情だったと思います。もし変化があったとしたら、ところどころで眉間に皺が寄ったくらいでしょうか。隣席の友人は、教会のシーンで涙していましたが、私は泣けなかった、全く。ラストの解釈は友人とは異なったのですが、友人の解釈の方が結果としては酷いものの人情としては報われます。友人自身「無意識のうちに救いを求めてしまったからかも」と言っていましたが、私の解釈では確かに絶望に絶望を上塗りしたラストになってしまうかも知れません。実際、監督がどう作ったのかは分かりません。少なくとも、一部で言われているような「チェレの意図的な放火」ではないと思います。あの絶望の中で祈りを捧げながら、図らずも火が枯れ草に燃え移ったのでしょう。そして、チェレのいた小屋だけが焼け落ちたのだと。しかし、友人は母屋も全焼したと。この作品にネタバレも何もありません。話の筋を追うことに意味がないのです。これこそは映像をこの目で見ないことには。本作を知っている、話を知っているでは意味がないのです。そういう作品こそ、映画と呼ぶに値するのだと思います。この作品を思い、チェレを思いながら静かに目を閉じると、一つ一つのシーンが衝撃を伴ってまざまざと脳裏に蘇ります。 [映画館(字幕)] 10点(2010-03-08 14:25:43) |
4. 太陽と月に背いて
妻と再生旅行中、ランボーに引き寄せられて反対側の列車に乗り、妻にバカ面を晒すヴェルレーヌを見て、むかっ腹が頂点に達しました。私なら追いかけて行ってそのハゲ頭をカチ割ってやったかも。詩人だか天才だか知らないが、こういう人はこういう人たち同士の世界で傷舐め合ってろ、シャバに出てくんな、って感じ。すげぇ迷惑。天才が故の放蕩ぶりが芸術になるなんてチャンチャラおかしいっての。ディカプリオ演ずるランボーは、それでもまだ破天荒ぶりが「絵になる」が、シューリス演ずるヴェルレーヌは醜い・・・、ただただ醜い。こんなもん見せられた日にゃ、秋の日にためいき・・・だゼ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-10-30 14:58:40)(笑:1票) |
5. 太陽がいっぱい
誰もが認める美しいアラン・ドロンだけれど、どこか品と知性に欠ける感じがする。でも、そのどこか「野卑た」感じが、この作品ではピッタリ来る。浅薄な企みにいずれ露見することも読めずに突っ走るトムが痛々しい。こんなに捻くれたのは育った環境だけじゃなくて、本人の持って生まれた性格も大きく作用しているんだろうな、とアラン・ドロンの風貌を見ていると思えてくるのだ。美しく生まれてしまったがために・・・。サインを何度も練習するシーンが印象的。そして何と言ってもラストシーン。マルジュのようなタイプは同じ女性として好きではないが、どこまでも卑屈なトムにはフィリップの持っているもの全てが眩しかったんだろうなぁ。何度見てもスリリングで嫌悪感を感じさせてくれる逸品。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-17 11:43:24) |
6. 題名のない子守唄
《ネタバレ》 鑑賞後、こういう感覚を抱く作品は、初めてのような気がする。作品に入っていけない、のではなくて、良いにしろ悪いにしろ作品が心に入ってこない。とにかく「分からない」映画。細かいところもそうなんだけどそれは大して気にならない。一番分からないのは、主人公のイレーナその人。おそらく、ただ一人、好きな男との子どもだからテアに執着したんだろうけれど、何の確証もなかったことがビックリ。隠し金庫からなにやら書類を見つけた時点で確証を得たのだと思ったのに・・・。どうしてそこまで状況証拠だけで突っ走れたのかがどうしても理解できない。こういうのを「母性」といういい加減な言葉で片付けては欲しくない。「我が子」を求める思いって「たぶんあの子に違いない」くらいなもので充足できるものではない気がするのだ。ラスト近くで血縁関係がないことが明らかにされるのだが、そこまでずっとこの点が曖昧なまま進行して行くため、この点が私にとってシールドになってしまったみたいな感じ。電話で子守唄を聞かせるところなどは、ある種感動シーンなのだろうが、何も感じなかった。ラストもそう。少女は可愛いのだが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-29 14:14:43) |
7. たたり(1963)
《ネタバレ》 孤独で不遇な女がおかしくなっていく可哀相なオハナシ。心情を全部モノローグで聞かせちゃうので興醒めです。あの螺旋階段はなかなかスリルがあって良かったですが。・・・でも、まあ、怖くはないですね、ゼンゼン。かと言って、精神的にギリギリ来るものでもなく。ああいう、思い込みが激しく、可哀相さを自作自演する自虐オンナには基本的に同情できないので、悲惨なラストにも感じるものナシ。映像的には不気味さをうまく出せていたと思います。・・・なんか中途半端です、本作も、このレビューも。 [DVD(字幕)] 5点(2009-05-26 14:50:27) |
8. Wの悲劇
公開当時、見に行きましたよ、映画館へ。田舎の映画館は2本立てで、たしか、同時上映は原田知世の映画でした(タイトルは記憶にない)。私がこの映画で一番記憶に残っているのは、スクリーンがボケて見え、初めて自分が「近視」であることに気づいたこと。しかし、その後も放置し、結局、数ヵ月後の視力測定で0.1の結果が出るまで眼鏡も作らず生活していたのでした。信じられん。・・・と、余談はさておき、知世ちゃんの映画はまったく記憶にないのに、こっちはかなり鮮明に記憶があります。オープニングの明け方のシーンとか、「顔ぶたないで、ワタシ、女優なんだから・・・!」とか、高木美保の熱演とか、三田佳子の鬼気迫る顔とか・・・。もう24年も経っているのに。24年!ひゃーっ!オバハンにもなるわさ、そりゃ。あれ以来、TV放送とかでチラッと見たかも知れないが、一度も見ていないに等しい。今、もう一度見て、記憶と照合してみたい気もします。 [映画館(邦画)] 6点(2008-08-20 15:26:00)(笑:1票) |
9. ダーウィンの悪夢
この映画の批判サイトをいくつか見ました。「これはタンザニアという国を正確に伝えていない」「湖周辺に雇用を生み出したことは確かで、利点に一切触れていない」etc・・・。そりゃそうでしょう、これがタンザニアの全てだとは思いません。が、一側面であることも、確かでしょう。「スズキ」だと思って、あるいは「何かの白身魚」だと思って、恐らく自分も「ナイルパーチ」を胃袋に入れてたんだろうなー、と思うと、いささかショック。それにしても、タンザニアを含めアフリカは全般に「貧困」を根底にした問題を抱えている国が多いのだが、それがこの映画も含め、「ヨーロッパはじめ先進諸国に搾取され、わずかなおこぼれに喘ぐアフリカ諸国」という構図で語られがちだ。それは一事実なのだろうが、この慢性的な貧困は、先進諸国がハイエナのごとくタカった挙句の姿で「もう手のつけようがない」ものなのだろうか。・・・というようなことを、この映画を見ながらぼんやり考えた。それを真剣に考えるには、私はあまりにタンザニアに限らずアフリカに対し無知である、と気付いて、これから少しアフリカについて自分なりに学んでみようと思った。きっかけを与えてくれたという意味で、この映画を見た意味は大きかったのかも。 [DVD(字幕)] 6点(2008-05-22 14:23:26) |
10. ダメージ
その昔、何気なく深夜放送で見ていたら、「おっ、ジェレミー・アイアンズさまだ!」とついつい最後まで見てしまった映画。ジュリエット・ビノシュってあまり好かれていない様ですが、私は結構好きです。それも、この映画を見て好きになりました。こうやって、男の人生をいとも簡単にズタズタに出来るオンナって、ないものねだり重々承知で少し羨ましい。そして、その魔力から解き放たれて冷静になった男がふとそのオンナを見て「普通のオンナだ・・・」と感じてしまった時の心情を想像すると、これってある意味ホラーじゃないか。「何であんなオンナに」って、どこか「雨月物語」に通じるものがある気がするのです。そしてまた、こういうダメな優男を演じさせたら右に出るものナシのアイアンズ。エロと恐怖を堪能させてもらえる、結構好きな映画の一つです。 [地上波(吹替)] 7点(2007-08-09 16:24:21) |
11. タクシードライバー(1976)
最近、邦画「丑三つの村」を見たのですが、主人公が屈折していく様に、少し通じるものがあると感じてしまった。まあ「丑三つの村」は完全B級映画、こちらはカンヌのパルムドールで“一緒にするな!”とお叱りを受けるかも知れないのですが・・・。どちらにも絡むのはやはり“戦争”。世間を憎んで、一人武装していく過程は、継男とトラビスが重なります。実際にトラビスが武器を使う場面は、一応“正義”だったことになるようですが・・・。でも、こうして反社会的行動に走る要因を“孤独”とか“病む社会”に求める作りには大いに不満。多いですけどね、実際。人間なんて誰でも孤独だし、同じ社会に生きている人間が皆、暴力的になるわけじゃなし。“こんな自分に誰がした!”と他者のせいにする犯罪者の心理に通じるんでしょうけど、キライです。ラスト、トラビスの今後を暗示するようで、さらにイヤです。なんというか、全編通して胸に迫るものがなかったし、トラビスに共感できなかったのは致命的。イイ映画なんでしょうけど。ジョディ・フォスターは圧巻。ハーベイ・カイテルはなかなかカッコ良かった。それにしても、私は、デ・ニーロという役者が好きになれません。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-06-26 14:56:39) |
12. タイタニック(1997)
《ネタバレ》 思い起こせば10年前・・・。好きでもないオトコとの断われないデート。あんまり会話したくないので「映画でも・・・」と誘って見たのがコレだった。話題作だけあって劇場はほぼ満席。途中、ラブシーンで隣のオトコがこっちを気にしているのがメチャメチャ腹立たしく、しばらくして、あちこちからすすり泣きの音の嵐とわざとらしい音楽にイライラし、ラストは「結局、アンタだけ助かったわけね」と心の中で毒づいた、思い出深い映画です。極めつけは、劇場を出た後、オトコの言った一言、「あ~、感動したッ!」。ゲゲーーッ! その後、見た環境が悪過ぎたと、数回、TVオンエア&DVD等で鑑賞したものの、何度見ても、私にはダメな映画。これの一体どこが泣けるの? 非日常空間での恋ほどアテにならないものはないのだよ。しかも、お相手がお亡くなりとくれば、なおのこと。でも、映像は、劇場のスクリーンで見たときはなかなか迫力があり良かった・・・、のだが、ブラウン管で見たら、ちゃちかった・・・。あー、つくづくイイとこなし。 [DVD(字幕)] 1点(2007-06-18 11:53:35)(良:1票) |
13. ダーティハリー
もの凄く好きな映画というのは、レビューを書くのが非常に難しい。何を書いても消化不良に思える。・・・いや、この映画の場合、好きというより、なんつーか、自分のアイデンティティの一部みたいなもので、好きとか、そんな言葉で括るのも、、、抵抗がある。今も1日1度は、この映画のことをチラッとは思うし、チラッとじゃなく延々映像やセリフを反芻していることもある。こういう映画に出会えたことは人生においてラッキーなんだろうなあ、きっと。100回以上見ていると思うけれども、ここまで何度見てもまた見たいと思える映画は、そうはないよなあ。私にとってイーストウッドは、この映画のイーストウッドであり、後に巨匠とか呼ばれてもてはやされるイーストウッド監督じゃない。やっぱり、私の中のイーストウッドの原点はここにあって、ここから他の作品の俳優イーストウッドを知るようになり、だから、私にとってイーストウッドは、あくまで俳優なのである。多分、もう歳も歳だし先は長くないだろうけど、数年後に亡くなって、死後、彼の業績が監督業に軸足を置いた評価になったとしても、私にとっては飽くまでも、イーストウッド=偉大なる俳優。「2」以降の作品じゃなく、この『ダーティハリー』こそが、俳優イーストウッドの魅力を余す所なく全開させている作品だと、やっぱり私は信じて疑わない。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2007-06-07 12:11:11) |
14. ダ・ヴィンチ・コード
観念的なセリフの嵐に辟易・・・。 [DVD(字幕)] 2点(2007-05-28 14:24:03) |