1. 第9地区
《ネタバレ》 まず、話の軸となる「人間がエイリアン化する液体」について、説明も伏線も無く、全く説得力を持たせようとしていない点に驚く。これは、脚本として成立していないレベルだ。 しかも、同じ液体を同時に「宇宙船の燃料」とも設定しているから、さらに混乱を招く。 自分は、こんなずさんな作りの映画で盛り上がることは出来ないので、退屈な時間だった。 また、「ドキュメンタリー手法によって、フィクションのドラマにリアリティが出る」と思って製作しているように感じられるが、実際は全く逆ということが良く分かる。ドキュメンタリー調の演出と、ドラマ部分のチグハグさが映画に没入することを妨げている。 [DVD(字幕)] 0点(2010-10-21 15:26:39) |
2. ターミネーター4
《ネタバレ》 もはやCGの戦闘シーンを延々見せられても、盛り上がらない時代になったと思う。巨大ターミネーターとの戦いも特に目新しいものを感じなかったし、中盤あたりから退屈になる。 結局、ビジュアルよりも心に残るのはドラマであると思うのだが、最近のハリウッド映画同様、本作も薄味。特に登場人物のキャラクターでは、マーカスの人間性やジョン・コナーのリーダーの資質といった、核となる要素が全く描かれていない。あるのは「子供は助ける」「説得すれば皆味方になる」といった陳腐な図式のみ。 マックGの素質は、結局「パロディスト」ということで全て語れると思う。ラストの工場やシュワ、溶鉱炉などの「ターミーネーター」へのオマージュが一番印象に残り、本筋は特に語るべきものはない出来。 [DVD(字幕)] 2点(2009-11-26 00:25:12)(良:2票) |
3. 大決戦!超ウルトラ8兄弟
一言で言うと、前作「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」の劣化再生産。旧作ファンには、お遊び満載の前作で充分昇華されているので、今回は全体が蛇足に感じる。 今回登場の平成シリーズのファンなら楽しめるかもしれないが、脚本が低レベルすぎて、何も残らない内容。「こうしときゃ盛り上がるだろ」的な作りが前面に出ており、ドラマが全く重視されていない。だいたい、リアルタイムで初代を見てた主役たちって、何歳の設定なんだ?(笑) 一応「夢を持つこと」がテーマになっているのに、街のミニチュアでバンダイ系の看板がやたらと目立つように配置されているのは、夢を砕く行為だと思うのだが… [DVD(邦画)] 2点(2009-06-18 12:49:26) |
4. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
《ネタバレ》 高い評判だったので、期待しすぎたかもしれません。面白かったのは飛行場のシーンまでで、以降は不満にみちた長い時間となってしまいました。 まず、敵の強大さ、悪党ぶりが消えます。「計画が阻止されて、金を失ったからギャンブルで増やす」「金の取立てに来た数人のテロリストになすすべもなくボコボコにされる」…こんな頭も悪く、強くもない奴をジェームス・ボンドが倒す必要があるのか?取り立てを倒したボンドの方があきらかに強く見えるので、対決の構図にまったく緊迫感がないと感じてしまいました。 そして、見せ場となるカードの勝負も、「顔が引きつったらブラフ」という超低レベルの心理戦からスタートしているのも、信じ難いものでした。しかもそれ以上に発展しない…。ボンドガールとの初対面時のシーンで、「ギャンブルは心理戦がすべて」と、戦いの見せ場が高度な心理戦になることを予感させておいて、いつのまにか「俺は必ず勝つ!」みたいな根性論にすりかわり、最終的にこれまでの007映画のお約束=「ボンドだから勝つ」という結末では、盛り上がるわけがないと思うのですが。 ラストでは、ボンドガールの女が、「恋人を助けるために裏切ったけど、ボンドにも惚れてしまった」ような感じになりますが、あまりすっきりしない展開だと思います。ボンドと愛し合っていたとしても、じゃあ恋人は何だったの?と思ってしまいますから…。恋人よりも家族を人質に取られたほうがまとまった気がします。 冒頭のトイレのバイオレンス系格闘と、OP後の「マッハ!」的なアクション、空港での派手なチェイスはそれぞれ見所がありましたが、統一感が感じられないのが残念でした。 ダニエル・グレイグの存在感と、以後のシリーズに向けての期待で、5点といったところでしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2007-09-09 22:31:43)(良:3票) |
5. 大統領のカウントダウン
「ロシア映画が、ハリウッドばりのエンターテイメント化!」などと、夕方のニュース等で「ナイト・ウォッチ」と共に注目作として紹介されていましたが、出来はかなり荒っぽい作品でした。 アクションシーンこそ派手な作りでしたが(個人的には、冒頭で落下した軍用ジープは爆発して欲しかったです)、脚本がお粗末だった感は否めません。主人公の行動理由や、性格など、ドラマに関わるものが描かれていなかったため、ストーリー的にも盛り上がりに欠ける感じです。展開も、観客不在のまま進められ、主人公が途中長い間画面に現れないなど、基本的な見せ方が出来ていないという印象を持ちました。 封切り以降、ロシア映画の話題がピタッと止まったのが、無言の評価をよく表していると思います。ロシア製エンターテイメント映画を否定するわけではなく、むしろ将来への期待を込めた、「未熟な作品」という言葉がこの作品にぴったりの位置付けではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 3点(2006-12-30 00:35:25) |