1. 大統領の執事の涙
《ネタバレ》 フォレストガンプの構造をそのまま黒人社会と優秀な執事に当てはめたとような映画で、黒人運動とそのターニングポイントを大統領の変遷とともに描いている。当然足早になり結果としてそれらが薄く印象付けられることになるのかと思いきや、軽妙すぎず重厚すぎず適度な語り口でその点は見事。しかし、主人公の描き方が人畜無害な好人物に偏りすぎたきらいがあり、そこがもう一歩物語に深みを持たせられていないように感じた。黒人大統領誕生という苦難の歴史の一つの終着点を迎えたこの運動のある種の祭典として大目に見るとともにその活動に敬意を表することに苦はないが、映画の質としては佳作の部類としての評価に止める。 [インターネット(字幕)] 6点(2016-06-29 15:11:46) |
2. ダイバージェント
管理社会ものとして設定は斬新。 斬新さだけであることが非常に残念。 アクションシーン特にクライマックスは多分それなりの演出だったのではないかと思うが、 その頃にはうんざりしているのでどっちらけである。 本来であれば心理戦ですすめられるような設定なのだが、 そこまでの脚本ができずにこんな結果だったのだろう。 とりあえず次回作はつくらないでもっと別なことにチャレンジしてほしい。 [DVD(字幕)] 4点(2016-04-27 17:44:47) |
3. 大空港
《ネタバレ》 クラシックな映画とそうは呼ばれない映画の過渡期のような作品。 スターは貴族的で女性は淑女。物語はゆっくりとすすみ過度な演出は避けられている。 映画の作り方が大きく変っていった過程を見る様で興味深い。 価値観もえらく過渡期の存在で成就する不倫が二件。成就する犯罪が一件。失敗する犯罪が一件。 と現代に生きる人間にとってはそりゃあかんやろ。ということが、どちらかといえば肯定的に描かれていて面食らった。 パニック映画の技法が確立されていない時代ですので、 そういった描き方はパイオニアとしては十分なクオリティだと思う。 しかし、不倫の映画ならともかくこうした倫理観の映画という時点で非常に萎える。 [インターネット(字幕)] 5点(2015-12-28 10:36:27) |
4. ダーク・シャドウ(2012)
バートンらしさが十分に出た凡作。 バートンファンなら楽しめるのかもしれないが、 このセンスよさげなファンタジーにどうにもノリきれない。 ブラックユーモア自体、文化的な違いなのか嗜好の違いなのか 率直に楽しめるようなモノではなく、 自由すぎる設定もありでついていく事に嫌気がさす。 それでも世界観や動きの撮り方などやはり一流監督らしい作品ではあるので この点数で。 [映画館(字幕)] 5点(2015-11-08 11:40:59) |
5. 第十七捕虜収容所
ビリーワイルダー最高。 『情婦』が有名ですが私はこの映画が一番好きです。 コミカルで軽快。洒脱。 ストーリーは練られていて演技は秀逸。 映画に必要なそれでいて最低限のものだけでここまで作り上げるとは、 イメージでは日本刀のような。 機能美を感じさせる人生の一本の一つ。 白黒に毛嫌いせずにみんなに見てもらいたい作品です。 [DVD(字幕)] 10点(2015-11-05 15:30:38) |