21. 茶の味
《ネタバレ》 あの爺さん以外はだいたい普通の人たちで、その日常が描かれている。ちょっと変な感じがするのはCGの効果もあるけど、カメラの視線が覗き見に近いからで、「日常」という言葉で収まるボーダーライン。そのボーダー上をうろうろしながら、面白おかしく暮らしを描写する。狙いは分かります。エッセイになるようなエピソードのさらに一歩手前にある、何でもない暮らしのシーンを切り取って、その何でもない暮らしにも確かに「味」~まさしく茶の味みたいなもの~は存在する、ということだ。人生とは、そんな起伏の積み重ねという見方も確かにある。逆上がりが出来た瞬間などは特上の宇治茶みないなもので、ひまわりの花マルが宇宙空間まで咲き誇る。ちょっと毒のある表現もあったので、これを観て人生って素晴らしい、とは思わなかったけど楽しく観ました。 はじめ君が家まで自転車で全力疾走して、自室でシャドーボクシングするシーンのウキウキ感とか好きです。それと手塚理美が良かった。「ふぞろい…」時代からファンなんだが、がんばり過ぎのハリネズミみたいな役が多く痛々しかったけど、この映画ではマイルドでいい表情してました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-04-07 01:26:02) |
22. チーム・バチスタの栄光
《ネタバレ》 原作既読でTV未見。原作との最も大きな相違点は田口の性別だけど、この田口くらいほんわかした方が白鳥との差がハッキリして、映えていたんじゃないかと思います。バチスタチームの内面を追って行く面白さが田口と白鳥の掛け合いの面白さにすりかわった感じかな。映画なりのアレンジですね。結局、田口は何をしたのかという疑問は残るけど、ソフトボールのシーンなんかは微笑ましくて、まぁいいんじゃないって気分です。今作はそれくらいのお気楽さを目指したと思いますね。原作にあったような、犯人の麻酔医の動機に深く踏み込むのであればこのトーンじゃ持たなかったと思うけど、それを外したのも計算内のように感じました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-02-15 17:36:29) |
23. 地球外生命体捕獲
《ネタバレ》 なかなかハードな作りで、宇宙人モノとしては異色の作品でしょう。宇宙人を捕まえるために四苦八苦するのではなく、いきなり捕まえてしまいます。それからが、さぁ大変という内容になってます。おもしろいですよ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-20 00:15:57) |
24. 長江哀歌
《ネタバレ》 嫁さんをお金で買うのには少し驚いたけど、ストーリーに大した意味はない。同様に、芝居自体にも観るものはない。飛んで行く建物もちょっとした遊びで深く考える必要はない。これは作品全体から中国を感じる映画だと思う。やる気が有るのか無いのか分からないような空気感があの国の虚飾のない日常なのでしょう。それは観光などでは見えない側面です。この監督の作品は「一瞬の夢」に続いて2作目だけど、今作の方がメッセージが明確でした。携帯電話は持っていても、尋ね人を探し当てるまでに何ヶ月も掛かる。決して人口が多いからじゃない。それを見せてもらったことには、意味がありました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-13 18:36:39) |
25. 地球最後の男 オメガマン
《ネタバレ》 CGのない時代に、たぶん立ち入り禁止にして撮影した人影の無い街は頑張ってました。夜に徘徊する金色コンタクトの奴らが底の浅い新興宗教みたいでした。この種の映画はチャールトン・ヘストンにお似合いで、彼だけで持たせていた感があります。リメイクの「アイ・アム・レジェンド」の方が断然良く出来ていると思います。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-12-31 02:21:04) |
26. 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
《ネタバレ》 前作「ヘドラ」で良い方向へ進むかと思った昭和ゴジラシリーズも、あれが最後の足掻きだったのか、低空飛行へ逆戻り。怪獣の操演にしろ、ストーリーにしろ、またレベルが落ちた。これには「手抜き」という言葉を使わせてもらう。キングギドラとガイガンの飛行シーンにミニチュアを使ったり、キングキドラの登場シーンの約半分が三大怪獣・怪獣大戦争・怪獣総進撃からの流用だったり…。こんなものでお金を取って良いのかと思う。しかも、新作カットより明らかに昔のカットの方が出来が良い。ストーリーもせいぜい10人程度の登場人物が繰り広げる局地的な地球侵略話で突っ込みどころだらけだが、怪獣さえ出しておけば、中身に関係なく子供は見に来るだろうという読みなのだろう。もうひとつ。自分は小学生の時に劇場で観ていて、ガイガンのお腹のドリル攻撃でゴジラやアンギラスから鮮血が飛び散るシーンに心を痛めた記憶が鮮烈にある。いい歳になってから見てもドキッとした。あれは子供が観る映画ではやっちゃイカンことである。 [映画館(邦画)] 2点(2008-11-19 01:19:19) |
27. 血と骨
昭和の中頃の市井にあった愚かさや不条理がストレートに表現されている。土地柄や時代が自分の幼少期とかぶっており、誇張とは思えないシーンもあって引き込まれた。当時のご近所にいた嫌いなオヤジを合体させたら、確かにあーいうオヤジが出来上がったと思います。理不尽が服を着て歩いているようなオヤジです。この映画から自分は思想的なものは何も感じなかったが、その冷徹な目線がどうしようもなく哀しい生き方しか出来ない男の輪郭を鮮やかに描き出していて、重苦しい見応えがありました。あの男の一代記として、このタイトルは秀逸だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2008-09-06 23:55:39)(良:1票) |
28. チェンジング・レーン
今よりもう少し若い頃、焦りや自分本位が原因で、物事が裏目に転がっていくことは自分のまわりも確かにあった。この映画は、そのエスカレートバージョン。 [DVD(字幕)] 5点(2008-08-06 21:43:54) |