4. 父親たちの星条旗
《ネタバレ》 数ある戦争映画の中でも、かなり分かりやすくメッセージを投げかけ、取っ掛かりやすい作品になっていると思う。戦争は繰り返されてはならない地獄である、という通り一遍の反戦メッセージだけでなく、当時のアメリカと米兵の事情が描かれているのだ。戦争疲れで元気を無くした国民に向け、分かりやすい「真実」として、一枚の写真が取り上げられた、という図式。その裏には大義に巻き込まれ人殺しをさせられ、英雄に仕立て上げられた若い兵士たちの苦悩がある。幸運にも地獄から生きながらえて故郷に戻ろうと、その苦悩は消えることなく、死んでいった仲間こそ英雄だったと自分を責めることになる。何て気の毒なんだろう。あの戦争によって今のアメリカや日本の平和が成されたと、私たちが感じることが何よりの供養だろう。けれど彼らが辛く苦しんだ事に変わりは無い。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-09-16 19:21:40) |