1. 沈黙の世界
《ネタバレ》 正直言って序盤は退屈でした。特に海洋学について興味の無い自分にとっては、延々と機材の説明をされても大して面白味は無かったのですが、一度海の底へ潜ればそこは別世界"沈黙の世界"。イルカの大群とのダイナミックな遊泳から、船の周りに群がってくるサメ地獄絵図と。「食べられた子イルカの敵だ!」って、元はと言えばアンタ達のせいでしょう!それからわざわざハタを誘き寄せておいて邪魔になったら蹴飛ばしたりと、クストーさん、あんた本当にそれで良いの?と思いながらも、何だかんだ言って神秘的な海の世界を楽しみました。それにしてもあのクルーたち、何か亀に恨みでもあるの?(笑) [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-20 10:45:12) |
2. 父、帰る
《ネタバレ》 これはもう映像の美しさだけで、その勢いで8点を付けたくなる映画ですね。流石はあのドヴジェンコ(正確にはウクライナだけど)やタルコフスキーを輩出した国だけはあります。途中でもしかしたらこれは最後まで結論を出さずに終わるんじゃないか?と思っていたら、案の定…。でもこういう突き放した感じの映画は結構好きです。監督はこれが初監督作品だそうですが、落ち着きのあるストーリー展開やカメラワークなど、早くもベテランの風格を感じさせます。兄役のウラジーミル・ガーリンが撮影終了後に溺死してしまったという裏話はあまりにも出来すぎていて(失礼)、映画の物語以上に落ち込んでしまいました。ご冥福をお祈りします。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-28 18:07:31) |
3. チェコの古代伝説
一言で言えば壮大な物語です。まず冒頭のダイナミックなカットの数々からやられてしまいます。イジー・トルンカのアニメは人形の頭をすり替える所謂「パペトゥーン方式」ではないので、顔に表情が無く感情を表すことは難しいのですが、それでも人形たちの生き生きとした動き、心情は十分に伝わってきます。「古代伝説」というタイトルの指し示す通り、本作は本当に昔の人々の話なので些か退屈気味ではありますが、叙情性に富んだ映像は素晴らしいの一言に尽きます。特にクライマックスの『ブレイブハート』顔負けの大合戦シーン、チェコの民謡が鳴り響く中で戦い続ける人形の姿には多大なるロマンチシズムを感じさせました。8点! [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-07 18:15:43)(良:1票) |
4. チャーリーとチョコレート工場
満点の味。これはオリジナルと甲乙付け難いですね、どちらも出色の出来栄え。ここまで良く出来たリメイクってそうそう無いんじゃないでしょうか?胸をワクワクさせるチョコレート工場のチョコレート製造のオープニングから、チョコレート工場の門が開くまでここまででも十分面白いのに、そこから当の主人公ウィリー・ウォンカが登場して物語は更に面白くなる。まるで二段重ねのチョコレートを食べているようなこの満足感。ジョニー・デップも前作では小奇麗な役をやっていたのと打って変わり、本作では本領発揮。キモイとカッコ良いの中間を上手く演じていました(笑)。それからウンパ・ルンパ最高!子供たちが一人脱落する度に即興で歌を作るところは笑いました、しかも音楽はノリノリだし。ちなみにもし自分に子供がいたら、これは絶対に見せてあげたいですね。一つの教訓として、一つの夢物語として…。当然映画を観終った後チョコレートを買いに走ったのは言うまでもない。 [映画館(字幕)] 10点(2005-09-12 13:44:09)(良:1票) |
5. チャーリー(1992)
《ネタバレ》 チャップリンの自伝を読んだ上で観ました、まずチャップリン自身があまり似ていないような。いくら時間内に収めなくてはならないとは言え、幼少期の頃のエピソードは端折りすぎでしょう。辛く悲しくも家族三人一緒で幸せだった子供時代だったからこそ、後の成功が生きてくるのに…。また人間関係についてもダグラス・フェアバンクスならともかく、メアリー・ピックフォードに至ってはあの程度の扱い、グリフィスについては触れてもいないとは。と、散々貶しておきながらもやはりチャーリーの放浪紳士のイメージが完成するシーンでは感動してしまったし、コソコソした「キッド」の編集シーン等はコミカルで面白かったです。どちらかと言うとこれはチャップリンを知らない人の為に作られた映画なのでしょうか?ラストのスマイルには号泣。仕事の方面では成功してもプライベート、特に女性関係では散々苦しめられたチャップリン。彼の偉大な功績はいつまでも民衆の心の中に残り続けることでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2005-07-15 15:40:32) |
6. 沈黙(1963)
茹だるような暑さの中でひたすら続く静寂。気が付くとそこは列車の中、そして夜明け…みたいなそれらしいことを書いてみる。『不良少女モニカ』を観て「お!こんな分かり易いドラマも撮れるんじゃーん」とか油断していたら、またしても…。やっぱりベルイマンは一筋縄ではいきませんね。それにしても異国の土地というのは孤独感極まる一方で、またどこか神秘的な感じもしますね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-07-02 21:02:11) |
7. 誓いの休暇(1959)
《ネタバレ》 戦車に追われ、列車を追いかける一人の青年。戦場での英雄という彼の栄誉はたまたま祭り上げられたものですが、故郷に帰る道中見知らぬ人々に対して行った行為はまさしく英雄と呼べるものではないでしょうか。傷を負った復員兵を奥さんの元に引き合わせたり(『幸福の黄色いハンカチ』も顔負け!)、炎上する列車から女子供を助け出したりと。それなのに周りから批難される主人公がこの場面では凄く不憫でした。「ソビエトの体制の中で人間を描くことを許された映画」とのことですが、個人的にはハリウッド作品よりもよっぽどハイクオリティだと思いました。母親に会うという単純なことが、戦争の壁を隔ててこれほどまでに難しいとは!戦時中の青い空が目に見えてくるほど生き生きとし、そして悲しいソビエト映画の傑作です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-06-17 18:40:45)(良:1票) |
8. チェリッシュ
奇妙に限定された空間が面白い。サスペンスかと思えばミステリーであり、またラブストーリーでもあるという何ともお得な作品。久しぶりにぶきっちょで純粋なキスシーンを見ました。全然詳しくないけど音楽の選曲も個人的にはナイス!ゾーイが街中を疾走するシーンでは「ラン・ローラ・ラン」以上の興奮が味わえます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-18 19:24:41) |
9. チャイニーズ・ゴースト・ストーリー
「エビル・デッド」in中国(チャイナ)+ラブストーリー=中々おもろい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-04-29 17:59:43) |
10. 地下室の怪
これはなかなか面白いと思います。地下室という所の不気味さと薄暗さ、そして少女の持つ恐怖感が上手く表現されています。ストップモーションも巧みに取り入れられていて観ていて飽きません、本当に。ちなみに自分の家に地下室は無いですけどね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-25 18:29:44) |
11. 地球の静止する日
《ネタバレ》 この映画のビデオを探すのに約2年はかかりました、そしてとうとう見つけました。弥が上にも高まる期待を胸に、もしも面白くなかったらどうしようと杞憂していたのですが、そんな予想を遥かに上回る傑作でした。まず最初の印象は「恐ろしく知的なSF映画」です。表面上はいかにも昔のSF映画という感じで、今時あんなデザインの円盤やロボットは出てこないけど、物語が進んでいくと逆に今の見掛け倒しのSF映画が恥ずかしく思えてきます。物語は冒頭の世界各地の反応を映すシーンから緊張感が張り詰めています。世界中の電力を落とすって、そんなことしたらどう考えても被害莫大だろ!と思っていると病院や飛行機だけはそのままというのが実に巧みです。実際にこんなことは起こり得ないと分かっていても強烈なリアリティがあります。核への警鐘という重いテーマを掲げながらも、いつしか能面のような顔の宇宙人に感情移入し人間を憎むようにさえ仕向けてしまう演出はお見事。また主人公のボディガード的存在のロボット、"ゴート"のキャラクターが秀逸です。『禁断の惑星』のロビーにも負けない魅力を持ち、頭部から発射される怪光線は『宇宙戦争』に出てくる破壊光線を凌ぐ迫力があります。加えて恐怖を煽るテルミンの音楽も素晴らしい!時たまゴートの足の遅さに苛立ちを覚えますが、ほとんど無駄のない完璧な脚本だと思います。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-23 11:52:39)(良:2票) |
12. チャップリンの伯爵
今回はえらく要領の良いチャップリンですが、さすがに数々の長編名作を観た後ではちょっと評価が厳しくなるような気がします。しかし伯爵と身分を偽ってはいても、しっかりと様になっている姿は流石です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-22 13:57:25) |
13. 地上最大のショウ
《ネタバレ》 ジェームズ・スチュワートの何やら暗い過去を背負ったピエロのキャラクターが好き。この映画の良いところは観客とサーカス団員の両方になれるところでしょうか。子供よりもパレードに夢中になってしまう父親や、固唾を呑んで曲芸を見守るカップル、道化師を見て笑う子供たち。そしてどんな犠牲をも厭わずに危険に挑戦する曲芸師。自らの命を賭けて人々を楽しませようとする彼らの行為に改めて敬意を表したくなりました。 7点(2005-03-23 16:52:01) |
14. 注文の多い料理店
《ネタバレ》 当初監督を予定していた岡本忠成氏が急死してしまったため、良きライバルでもあった盟友の川本喜八郎監督が後を引き継いだ完成させた作品とのことですが、何とも不思議な質感のあるアニメーションに仕上がっています。前半の木々のざわめき、深遠なる紅葉の森の絵には思わず引き込まれます。全体的に何だか訳の分からないお化け屋敷みたいな話になっていますが、これはこれでなかなか面白かったです。肝心の山猫の登場シーンがホラーチックなのも個人的には割と好み。 8点(2004-10-31 19:38:01) |
15. 地下鉄のザジ
《ネタバレ》 「この映画、タイトルに偽りありでしょ」なんて思いつつも楽しかったです。とにかくこの最初から最後まで一貫して貫き通される破天荒さが好き!ルイ・マルの自由な発想と好奇心旺盛な実験精神には目を見張らされるものがあります。主人公の少女ザジもはっきり言って決して可愛いとは言い難いんだけど、その代わり愛着があるというか何と言うか…結局は"可愛くないんだけど可愛い"みたいな未知の領域。中盤のドタバタは思いっきりカートゥーンのような世界で、ここで受け入れられるかどうかでかなり好き嫌いが分かれるでしょう。個人的にはウェルカム、ようこそ!という感じで大OK。ラストの大混乱は後のジャック・タチの『プレイタイム』に通じるものがあると思うのは僕だけでしょうか。 8点(2004-10-06 22:09:25)(良:1票) |
16. チャップリンのニューヨークの王様
これはやはりチャップリン自身の姿が投影されているのでしょうねぇ。もはや放浪紳士ではなくなりましたが、これだけお爺ちゃんになっても愛嬌があるキャラクターというのは珍しいです。昔のドタバタはありませんが、落ち着いたチャップリンというのもまたほのぼのとした味わいがあって好きです。 8点(2004-08-18 20:19:04)(良:1票) |
17. チキンラン
ちょっと血生臭いから子供向きじゃないかな?でも大人だけが観るようなものでもないという、そこがアードマンの良いところ。結局は大人も子供も楽しめます(何じゃそりゃ)。粘土で作られたニワトリ軍団、さすがに「ウォレスとグルミット」のグルミットほど可愛くはないけど、丹精込めて作られただけあってそれぞれ個性が豊かです。個人的にはやっぱり主人公キャラのジンジャーがお気に入り、冒頭で一人キャッチボールをやっているシーンなんて堪りません。それからオマケキャラのネズミ二匹も良い味出しています。観る前の予備知識としては、脱走映画の有名どころは押さえておいた方が吉ですね。 7点(2004-07-05 15:55:01) |
18. 地下室のメロディー
《ネタバレ》 銃の入った箱を背負い、建物の屋根を走り回るアラン・ドロンの姿はこの上なくカッコ良い。観る前はてっきりフィルムノワール感バリバリな現金強奪モノかと思っていたけど、意外にも洒落っ気のある犯罪ドラマでした。見所はやはり後半の金庫を襲撃してからの展開にあるんだろうけど、個人的にはバカンス全開!な前半部分も好き。ラストはちょっとキューブリックの「現金に体を張れ」を思い出したかな、こういう皮肉な終わり方は好きです。 8点(2004-06-08 19:13:05) |
19. チャップリンの独裁者
ギャグも命がけ、ここでのチャップリンは明らかにキートンよりも危険なことをしています。ここまで完璧な映画はそうそう無いと思いますが、逆に完璧すぎてちょっと入り込み難いところがあるような気がします。何を喋っているのか分からないにも関わらず笑えるヒンケルの演説。愛と自由、そして正義について訴えたチャップリンの言葉は 果たして今の人々の耳に届いているのでしょうか…? 8点(2003-09-05 18:42:12) |
20. チャップリンの黄金狂時代
やばい、本当に美味しそうに見えてきた(笑)。前半はまさしく良質のコントを見ているかのようで面白い、雪小屋が傾くシーンはギャグとして一つの完成形を極めていると思います。そして大晦日の夜に独り寂しく待つチャップリンの姿は涙を誘う。パンのダンスシーンはこれからも永遠に語り継がれていくことでしょう、ビバ・チャップリン! 9点(2003-09-01 11:58:42) |