2. チャーリーとチョコレート工場
ファンの人に言わせれば「バートンが原点に帰ってくれた」などと評価されることだろうけど、個人的にはやはり監督は「ビッグ・フィッシュ」でいい意味で大人になったと思わされる映画だった。ジョニー・デップの存在感に加え、原色を使ったセットの数々はいつもながらセンスを感じさせるし、いざというときに歌うウンパルンパも楽しいが、それ以上に盛り込まれたブラック・ユーモアはファンタジーというよりも教訓的な寓話を作り上げていて、そこがバートンの父親の視点も強く感じさせる。余談だが、子役たちが性格に負けず劣らずアクの強い顔つきばかり、毎度ながらバートンの役者選びには感心させられる(バットマンシリーズは別)。クリストファー・リーは「スリーピー・ホロウ」にも出演していたが、オタク監督バートンの元ドラキュラ俳優への敬意の表れなのだろう。ラストの展開もたしかに「ビッグ・フィッシュ」だ。一歩間違えると陳腐になりがちだが、監督の演出によって、わざとらしすぎないメルヘンチックな温かみを持った終わり方になっていて、後味は非常にいい。バートンファンも「ビッグ・フィッシュ」似だからといって目くじらを立てずに、にラストを静かに見守って欲しい。 [映画館(字幕)] 8点(2005-09-06 00:01:08) |