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1.  沈黙のパレード 《ネタバレ》 
やっぱり、「容疑者Xの献身」を超えるのは難しいのだなあ。 科学的なトリックは、目新しさとか一切なく、湯川先生の葛藤的なドラマもなく、草薙くんの苦しさは描いているものの、それはそんなに迫ってこなくて。 そして一番不満なのは、真犯人が被害者家族経営の居酒屋に常連としてシレっと通い続けているの?そこに何のドラマも葛藤もないの?そこ、描かいの?と言うことだ。 物理学者としての才能とは別の部分で感動のドラマを魅せた「容疑者X」。これは物理学者探偵としてのドラマの敗北ではないのかな? あれを超える次の作品を期待しています。
[DVD(邦画)] 6点(2023-04-02 00:04:55)
2.  長州ファイブ 《ネタバレ》 
 ふーん、長州五傑というのか。大筋では実話なんだな。歴史的な事は良く分からないが、幕末に国を憂いて行動した若者の物語は、地味だが感動させられる。殊に技術力が国を支える(うろ覚え)とか、人を育てればその人が工業を起こすとか、技術系の仕事をしてきたものとしては、結構感じ入るところ多し。
[地上波(邦画)] 7点(2018-11-24 22:35:38)
3.  地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン 《ネタバレ》 
ああ、これ昔見たなあ。新怪獣登場のわりには、キングギドラとほぼ変わらない活躍度合いが残念。それと怪獣が人間っぽいしぐさをするのが私的には凄いダメなので、ガイガンが喜んだり挑発したりするのがイラっと来る。せめて初登場の時くらい、ちゃんと悪役やらしてやれよ。
[DVD(邦画)] 3点(2018-10-08 14:14:23)
4.  地底探険 《ネタバレ》 
 たまにはこういう、荒唐無稽だけどなーんも考えずに見て楽しめる映画もいいものだ。  まあ、今考えるとコアだのマントルだの考える前に、地球の真ん中まで空洞が続いているってのが強引な発想だが、こっちはマグマライザーが地中を掘り進めるのを傍から見えるセンスで育っているので、問題なし。  それより、美しい鉱石の洞窟や、きれいな泉、謎のキノコの森(いきなり食うのは危険すぎるけどね)、地球の中心の海、果ては昔沈んだ古代都市など、唯々楽しい。  帰って来る時だけは、流石に突っ込みたくなるが(みんな炒まっちゃうだろ!)、最後の演説が素晴らしい。「証拠も記録も無いことを主張はできない」。正しい科学の精神である。
[DVD(字幕)] 8点(2017-11-02 12:26:42)
5.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
 期待が高すぎた。最初に噂を聞いてから何年も経っている。自分の中でかなり都合よく再解釈されてしまったかも知れないこの魂の物語を、写実的表現の映画で納得・感動できるというのが、無理だったのかもしれない。  それでも大好きな小説の映画化だ。人間の行いと不釣り合いなほどの大自然の美しさとの対比などは、映像作品ならではの魅力である。   私にとってのこの小説の魅力というかキモは最後の「踏むがいい」という「主」の声である。イエスでさえこの場にいたら踏むだろうという極限の選択を迫られた者にしか聞こえない、主の声である。それからの「そのために私は十字架を背負ったのだから」までは、初めてこれを読んだ高校生で無宗教であった私を打ち震えさせた。だが、これは魂の描写だ。映画でここを感動させるのは難しいだろうと思っていた。果たして実際にその場面を見てみると、実に普通の、モノローグと変わりない表現で肩透かしであった。奇を衒った表現を期待したわけではないが、あまりに普通。そこが感動の頂点になるような、盛り上がりがあって良かったと思うのだ。原作では絶えずロドリゴは主に呼びかけていた。これは主観的な表現でそれに対応した表現としての声。それまでの客観表現に突然声が聞こえれば??となるだろう。   棺桶の中で最後に持っていたものについて。あれは、日本に入ってきて変質してしまったキリスト教の象徴のような思える存在なのに、それを持っているのは違和感がある。ロドリゴは教会のでも切支丹のでもない、彼のみに答えた「主」を感じて、絵を踏んだのだ。彼が生涯持っていたとすると、それを表現したものでなければおかしいのではないだろうか。   さて本編とは関係ないのだが、パンフレットにキチジロー役の俳優のインタビュー的なものが載っていて「キチジローは弱い人間ではないと思う」などと書かれている。いやいや、キチジローは弱い人間なんだってば。なんでもポジティブに或いはユニークな考え方をすりゃ良いってもんじゃない。遠藤周作は転び者・弱い人間を肯定的に描いて、それを許す母性の神というものを描いたのだ。キチジローが強くなっちゃったら作品世界が全く違うものになっちゃうよ。こういったチグハグ感がこの映画をイマイチ感動できないモノにしているのかもしれないなあ。 
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-09 10:53:00)(良:1票)
6.  超高速!参勤交代 《ネタバレ》 
 常識では考えられないタイムリミットのサスペンス。奇想天外な方法で、数々のピンチを切り抜ける面白さ。コメディ要員と思っていた人たちの見事な戦い。主人公の親しみやすい性格と、そこから想像できない気品あふれる殺陣。最後に正しいものが勝つカタルシス。  面白い要素がテンコ盛りである。   最近の時代劇は、刀での戦いでは無い方面の面白さがいいなぁ、と思っていたら、終盤にちゃんとそういうシーンも用意されていて、それはそれで爽快である。特に今まで竹光のために戦えなかった一同が真剣を持った時の、水を得た魚のような活躍ぶりや、聞くのが二度目という口上も楽しい。欲を言うと、ちょっと乱戦気味すぎるので、個々の活躍をしっかり見たかった。  また、お約束でベタすぎるが、裏切ろうとしていた助っ人の気持ちを変えるための表現「小銭での十両」には、ちょっと泣かされそうになった。あまりに汚すぎて銭に見えなかったので、堪えられたけど。   そしてなんといっても、高速参勤のためのアイデアには笑わせられる。予告編ですでに見ていたにも関わらず、町並みの裏側を通って行列を長く見せるシーンは、構図・カメラアングルの見事さも相まって、大笑いさせられる。早く走れないから竹光、というのが後に効いてくるのも見事。最後の大名行列による障害は、それを横切れる数少ない例外を、映像を見た瞬間に思い出したが、その前に出てこなかった自分がちょっと悔しい。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-10 08:41:06)(良:1票)
7.  地球、最後の男 (2011) 《ネタバレ》 
 高校生あたりが文化祭で作りそうな、有名作のパクリ感(あまりにも2001年っぽくてちょっと辟易)、内容の薄っぺらさがスゴイ。しかも、最後結局は「ラブ」だそうで、内容がテーマを描いていない感じもスゴイ。   詳しい真相の描写が足りないので何とも言えぬ部分はあるが、あれだけの理不尽な展開(どうやら実験だったらしい)のあとに、あなたの感じたものはラブ!なんて、私には受け入れられない。  あそこで湧き上がる感情は、渇望、真相への欲求なのではないか?少なくとも見ているものとしては、事の真相を知りたいと思う。 
[DVD(字幕)] 4点(2014-06-18 18:56:04)
8.  CHECKERS in TANTAN たぬき 《ネタバレ》 
 たぬきは他のものに化けて人を騙すという、わりと伝統的な日本人の共通認識を利用したコメディ。変身の過程の描写が、テクノチックでたぬきっぽくないのだが、それが時代を感じさせる。  周りの人間がほとんど、「チェッカーズ大好きです」という価値観で物語が出来上がっていて、それが最後の締めの原動力となっており、まあアイドル映画としては、真っ当でファンにはそれが良いのかも知れない。  それにしてもたぬきが人に化ける話を?なんて思っていたが、同時代の「女子高生がヤクザの組長に」なったりするのと、あんまり変わらないのかな?今思えば。
[DVD(邦画)] 4点(2013-03-16 08:41:47)
9.  地球の危機 《ネタバレ》 
 こういう古いSF映画は、映像・科学設定の部分が陳腐化するのは、仕方がない事が多い。多くの映画は、それでも他の部分で楽しめるものがあるものだ。この映画の場合、このスーパーサブマリンの中で起こる、乗組員たちの反乱の疑惑を中心とした、ドラマにあるはずだ。…はずだ、というのは、私にはこれが全然楽しめる部分には感じなかったからだ。  艦の中で、様々な事件が起こるのだが、いろんなことを詰め込みすぎて、独裁的な提督に反対している人の起こした事件、の影が薄い。誰なの?何故なの?っていう謎の強調も弱くて、大だこの事件(おい、海底2万哩のパクリかよ)なんかを見ているうちに、忘れてしまう。そういう意味では、サスペンスの部分がダメダメなのが残念。  ただし、最初に海からザッパーンと浮上してくる、シービュー号はカッコイイ。本当の潜水艦の現れ方だ。その後の水中カットは、変化がなくてガッカリだけど。ノーチラス号は魚の形をしていたが、このシービュー号は、黒くて細長いその船体がうなぎのように見えたことも、付け加えておく。
[DVD(字幕)] 4点(2012-08-16 06:50:25)
10.  チャイナ・シンドローム 《ネタバレ》 
 原子力発電所にトラブルが起きると、いつも名前の出される映画である。しかし、カラーバーで始まりカラーバーで終わる、この映画の主眼は、原発の恐ろしさでは無く、組織犯罪に対するジャーナリズムという部分なのだろう。だから、「チャイナ・シンドローム」という部分を期待してみると、ちょっと肩透かしを食ったような気になる。  しかし、巨悪とそれを暴くジャーナリストという構図は他に沢山あるが、証拠物をめぐる追っかけっこに終始しがちな凡百とは違い、事故を追い詰めるサスペンスをじっくり見せてくれる。  地域住民が発電所側に、新発電所の中止を求める、討論会のような描写があるが、これが何とも感情に訴えるだけで、説得力と内容が無く、滑稽に見えてしまうのも、映画の主題をよく表しているといえる。 
[DVD(字幕)] 7点(2012-01-20 05:28:08)
11.  超時空要塞マクロス ~愛・おぼえていますか~ 《ネタバレ》 
SFリリー・マルレーン。 「歌」というものが持つ力を、異星人たち(男軍と女軍が戦っている)の戦争を舞台に描いた物語。  戦うために遺伝子操作で作られた、男と女のそれぞれの軍勢。彼らが、その創造主たちが作った歌に心動かされ、それを守るために、戦う話。と、書いてみたが、最後の部分がイマイチよく分からない。確かに男軍の首領は、平気で自軍を大量に巻き添えにする外道だが、部下の兵士がこの歌に感じいった事と、その首領に反旗を翻すことが、あまり結びついて感じられない。物語としては、生き残りの女軍兵士とこれら男軍兵士が、手を取り合う部分が必要だろう。そして本当に歌に感動した、もっとわかりやすい描写が。   さて、この物語のもう一つの重要な部分。自分の身勝手でアイドルを危険な目にあわせて、さらに他に女を作ってそのアイドルを振る。あまつさえ、そのアイドルの歌う歌が異星人たちへの兵器になると判るや、それを歌うことを強要する。 君はまだ歌えるだけ幸せだ、とはどの口が言うかね。リン・ミンメイは軍事利用されるための歌を歌いたかったのか?  戦争のために、歌を利用する、そればかりか歌い人の思いをまるで無視して、その歌を強要する。まさしく、リリー・マルレーンの物語。   異星人たちが感動した、この歌の顛末として、文化というものがどんなに酷い、いかがわしい物であるか、という事を後に知ることになるのは、残念なことだ。 
[DVD(邦画)] 5点(2011-08-09 18:53:04)
12.  地球爆破作戦 《ネタバレ》 
ウォーゲームの前にこんなのがあったとは! コンピュータが人間の言うことを聞かなくなるという話は、今や定番と言っていいと思うが、その理由が「世界平和」を実現するためというのが、皮肉である。米ソの対立をコンピュータのリンクがいとも簡単に、というか裏技的に解決してしまうのも。 コロッサスとは、巨像の事で、ロードス島にあったヘリオスの像が有名らしい。灯台としての機能も持っていたというから、エーゲ海の船を導いていたことだろう。元々兵器だった物を、材料に作られたというあたりも含め、このコンピュータの名としては巧く付けたものだ。実際のコロッサスは地震で倒壊したらしいが、当時の人達は神の怒りに触れたものだと思って、再建しなかったという。しかし、こっちのコロッサスは、倒す事の出来ない、人間を導く神となっている。人間(の代表)はそのまま支配されるつもりがないことが、最後のカットで暗示されている。皮肉的な表現で、大団円より、思慮深いエンディングのように見えるが、やっぱりここで、巻き返しの話を期待してしまう。 
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-21 19:45:50)
13.  地球が静止する日 《ネタバレ》 
劇場で見たときに、なんか変だなあと思っていたが、その後オリジナルを観て、さらに久しぶりにTV放映版を観て、なるほどと思い至った。 今回のクラトゥは、人類に何も言っていない。間諜を入れている位だから、科学者一人は人類の代表者ではないことを、彼はよく知っているはずなのに。地球には国連があることも、そこで世界の指導者が集まることも。そして、よくよくみると、クラトゥの意思ではなく、ゴートへの攻撃により、地球への懲罰が始まってしまっている。クラトゥ何しに来たんだ?問答無用的に相手を滅ぼすなんて、オリジナルのクラトゥさんが否定した、「暴力によって他者を攻撃する者」と同じことじゃないのか?。 納得できないのはさらに次の点だ。女性科学者の子供。 この子供は、異星人を問答無用で悪と決めつけ、殺すと判断する、今までの地球人観の具現化。自分では攻撃主義なのに、そういう職業である父の死には不満で涙を流す(アメリカそっくりだ)。クラトゥはこの涙を見て、「人間の別の面」を感じたらしい。70年も地球に住んでたじいさんが、「こいつら変わらねぇ」と言っっているにもかかわらず、こんな自分勝手なガキの涙ひとつにダマされるなんて! ところで、一つだけ、奇妙に良い点がある。 タイトル通り、地球が静止した状態、異星人の超技術力によって、地球のすべての機械が動きを止めた様子。元々は、地球に対しての力の誇示だった現象だが、今回のテーマ、「地球環境」のもとでは、ひじょうに平和でなごむシーン、不思議な文明批判になっている。 
[地上波(吹替)] 4点(2011-05-29 15:43:09)(良:2票)
14.  地球の静止する日 《ネタバレ》 
原作付きだが、内容は殆どオリジナルだという、「地球の静止する日」。何しろ60年前の映画だから、映像表現だって古いし、目を見張るスペクタクルもない。でも、それだからこそ却って、映画のテーマ・主張がハッキリわかる。まあ、悪く言ってしまえば、「チャップリンの独裁者」のように、せっかくの映画なのに、最後の演説が言いたいことの全て、みたいな事だけど。それでもやはり同作のように世界的な大問題だったであろう、米ソ冷戦の危機に対して映画のできること、映画人の行動の凄さ、というものを感じる。 ストーリーとしては、クラートゥが街へ出て、少年との交流の中で何を得たものがあったのか。アーリントン墓地の墓標を見て、地球人をどのように思ったのか。それとリンカーンの言葉を読んで彼自身何か変わったのか?ちょっと気になるが、彼は結局初期の目的通りの演説を行うだけ。当初世界各国の代表と直接会いたいと言っていたのが、一部の科学者たちに変更になったのは、それらの結果だったのだろうが、科学者が政治的に有力な力でないことは、地球を観察してきたものなら判っていたろうに。それでも少年の母親の女性と、ヘンに恋愛関係にならなくて、良かった。  それと、細かいこと言うと、「テルミン」って実用された先端の楽器だったのか、とか、さすが、宇宙船の内部のデザインなんか、日本の特撮とはセンスが違う、とか、感心しきりであった。  最後にこれは、邦題の問題だから映画には関係ないけど、地球『が』静止する日ではなく、地球『の』静止する日、最近こういう微妙な言い回し・表現(国語学的にどういう事か自分には説明できないけど)が、ややもすると「間違い」なんて言われてしまうのが、腹立たしい。難読漢字を読み書きするだけが、国語力じゃないぞ。  
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-13 02:47:42)
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