1. チーム★アメリカ ワールドポリス
予算と手間暇をかけてひたすらお下劣と悪趣味を極めているという意味で突き抜けている作品。まさにクリエイターの才能の無駄遣い。もう一度観たいとは決して思わないが、ブレること無く最初から最後までバカに徹した作品を作り上げた制作陣の熱意と狂気に敬意を表したい。誰かと一緒に観るのは大きな賭けになるので、まずは一人で観ることをオススメする。 [DVD(吹替)] 5点(2017-08-03 19:21:31) |
2. 小さな巨人
大法螺吹きだがストーリーテリングに長けた爺が若き日の武勇伝を語るというドン・キホーテさながらのストーリーで、想像以上に色んな要素の詰まった映画だった。若いホフマンがなんともキュートで、その類まれな演技力が若い頃から発揮されていたことに驚く。老ジャックが語るその奇想天外な生涯はまさに武勇伝に次ぐ武勇伝なのだが、冷静に見れば彼の行動は常に行き当たりばったりでモラルも信条も感じられず、小さな巨人どころかただ悪運強いだけのちっさい男だったりするところが、この映画の味わいどころのような気がする。 [DVD(字幕)] 7点(2015-04-28 15:34:58) |
3. チーム・バチスタの栄光
面白かった。原作未読、ドラマは映画の後にチラ見しましたが、仲村トオルより阿部ちゃんの芝居の方がキレがあるようで私は好み。で、その阿部ちゃんが出てくるのが遅いせいか序盤の展開にグダグダ感があり、コメディなんだか何なんだか?と早くも気分がダレそうになってしまった。田口先生が原作では男性、というのも先にこっちを観てしまったので面食らったが、レビューを読む限りドラマの方が展開や人物描写などにじっくり時間をかけられるだけ見応えがあるのかもしれない。しかも映画には「それ必要?」と思うようなシーンもチラホラ。本業ミュージシャンだとか芸人だとか、生粋の役者じゃない人々がなかなか良い味を出していて、そこは面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-04-18 16:27:47) |
4. 地球が静止する日
《ネタバレ》 おなじみハリウッドの「地球防衛軍アメリカ」自虐映画。ただ、人間は一度滅びた方が地球のためだ、ということが子供にもよく分かるという点では、それなりに教育的価値のある一作である。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-16 14:20:35) |
5. 父、帰る
肉親と共にいることが、こんなにも不安で心細いなんて。つい子どもの気持ちに感情移入してしまって心がヒリヒリするような痛みを感じながら観た。戸惑いながらも、兄・弟それぞれのやり方で不器用に父親との絆を確認しようとする様がいじらしくて、涙が出た。父親の方は子ども以上に不器用で、このまま心通わすことなく終わるのかと思いきや、一番哀しい方法で父と息子達にそのおぼろげな絆を再確認させるという、予想以上にヘビーな話だった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-21 13:19:02) |
6. チェイサー (2008)
《ネタバレ》 オカルト系ホラー映画にはあまり興味がない私も、こういうのはしっかり最後まで観てしまう。観た後に実話ベースと知ってじわじわとまた怖い。犯人が分かっているのに、彼が猟奇殺人を犯すに至るバックグラウンドが一切不明なままと言うのがさらに不気味で、作品全体の凄惨な印象に後味のやりきれなさに拍車をかけた。いわゆる韓流イケメンに全く興味のない私が観た数少ない韓国映画にこれと「オールド・ボーイ」が入っているため、個人的に韓国映画のイメージが非常にヤバイ方向に固定化されつつあるような…。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-10 16:27:29) |
7. チェンジリング(2008)
どんなに悲惨でおぞましい事件を扱っても決して品位が落ちないのはさすがイーストウッド作品。演出的にも無駄が無く長時間が気にならなかった。エンディングも清く正しく美しく、秀逸。今や至る所で腐敗臭漂ってる自国の来歴に目を背けず、誠実かつ厳しい目でそれを見つめて描き出す彼こそは、ハリウッドの良心!!個人的にはマルコヴィッチにあの役をキャスティングした時点で9点献上したい。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-02-19 15:07:41) |
8. チャプター27
妄執に取り憑かれて人を殺した主人公の孤独と狂気がヒシヒシと伝わってきたが、それだけと言えばそれだけ。ビートルズやレノンと同世代で、彼らに思い入れがある人が観たら何か違う感慨が残るのかも知れないが、そうでない自分にとっては被害者が誰であってもあまり感想が変わらない気がする。徹底して痛い男を完璧に演じたジャレッド・レトの役者魂に感心して、「キモいモノ見たさ」で最後まで観てしまった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-05-15 14:24:06) |
9. 地下鉄のザジ
こういうのをフレンチ・コメディと言うんですか?素面で見るにはきついです。ガブリエル伯父さんがイケメン扱いなのはギャグなんでしょうか。最後まで笑いのツボがつかめずに疲れる映画でした。高所恐怖症の人には結構なスリラー映画なのでご注意。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-05-04 12:40:10) |
10. 厨房で逢いましょう
この作品で何より注目すべきは、主人公を含め、物言わずして料理を評する人々の名演ぶり。本当に美味なる物は人を黙らせるというが、見事にそれを体現していた。味を表現する語彙の多さを競うかのように、やたらとしゃべりまくるテレビのグルメ番組のリポーターに見せてやりたい。残念なのは、主人公が私が一番嫌いなタイプの鈍感で図々しく男に媚びまくる女だった為、全く感情移入できなかったこと。観ててほんとイライラしました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-13 12:48:21) |
11. チャーリーとチョコレート工場
一言で言うなら、予想以上に原作に忠実だった。それでいて監督をはじめとする制作陣の原作への深いリスペクトがバートン一流のこだわりとなって作品中に満ちていて、双方のファンである私は始めから終わりまで感激の思いが絶えなかった。特に、チャーリーとその家族のライフスタイルは完璧といってもいいぐらい原作に忠実に再現されていた。ただ、原作でのイノセントな奇人ウォンカ氏を演じるにはデップはやはり美しすぎた。その異質な存在感のせいでウォンカ氏が奇人変人どころか狂人に見えてしまい、結果的に作品のカラーはかなりブラックなものになっていた。ところがそこに原作にないウォンカ自身の生い立ちストーリーを絡めることで、最後にはこのブラックさが一転してハートウォーミングなエンディングにつながるというバートンファンのツボを突いた展開にうならされる。原作を大切にしつつしっかりバートン風味が効いているという監督の職人芸に拍手。マイナス1点は今回はコドモ同行につき吹き替えでしか観られなかったため。 [映画館(吹替)] 9点(2005-10-11 23:42:00) |
12. チェーン・リアクション(1996)
ロン毛のキアヌは本当にオタクに見える。本作でのキャラ的にはこれでいいのかも知れないがやっぱり不気味。モーガン・フリーマンの役は中途半端でもったいなかった。アクションもしょぼい。重厚感がなくオモチャみたいな装置も気が抜ける。連鎖反応というからには全編を通して何か因果応報みたいなテーマがあるのかと思いきや全然。 3点(2004-10-10 06:04:23) |
13. 小さな中国のお針子
中国映画と思いきやフランス映画というところに惹かれて観たら、確かに中国では決して作られることが無いであろう内容がテーマになったなかなか奥深いストーリーだった。ヴァイオリンの音色に驚きつつウットリと耳を傾ける農民達の姿は彼らのカルチャーショックを表現するのにとても美しい演出だと思った。やや西洋文化礼賛ぶりに無理があると思ったが、文革という特殊な歴史背景が興味深く、中国の現代史をちょっと勉強してみようという気になった。ラブストーリーとしては男の身勝手さに翻弄される女の姿が切なくてつらかった。 5点(2004-10-09 12:40:14) |
14. チョコレート(2001)
《ネタバレ》 ハル・ベリー鑑賞には最適?かもしれないが・・主演二人の演技力は素晴らしいと思うが、今ひとつ疑問の多すぎるストーリー展開だった。息子が自殺したからって病んだ家庭で長年刷り込まれた人種間憎悪がそう簡単に氷解するだろうか? 自分は変わった、変われない老父は施設に入れて一件落着なんてありえない。原題の意味を考えても単純にラブ・ストーリーにはくくれない重い内容なのに、恋愛映画だという前提のような邦題も納得できない。だいたいアメリカの安食堂で出されるようなチョコレート(アイスは特に)はほろ苦いどころか激甘なはずで、全然イメージに合わない! 4点(2004-10-08 11:30:34) |
15. チェンジング・レーン
《ネタバレ》 主人公二人が二人とも、その不運にすんなり同情できないダメ男キャラなので中途半端な気分のまま見続けたが、最後の10分で救われた。ギャビンがドイルに語った「浜辺の少女」の比喩はなかなか感慨深い。窮地に立たされたときに泣きつく相手が不倫相手の秘書ってのが情けないが、そんな甘ちゃん弁護士にアフレックがはまり役。同じキレ演技でも、さすがに若い頃の出演作とは異なり背負うものを持つ男の哀愁が漂っていたジャクソンの演技はなかなか良かった。でもあんな喧嘩っ早い性格で家庭生活のやり直しなんてできるのか? 5点(2004-10-08 11:14:06) |