1. ちはやふる 結び
《ネタバレ》 傑作。すばらしい。前作(上の句/下の句)の出来がよかっただけに、期待は裏切られないだろうという予想と、そうはいっても何度もうまくいくとも限らないという不安があったのだが、総じて期待を上回るものだった。【ネタバレ注意】まず、前作の引きを受け継いでいる“かのような”出だしにやられた。“上の句”の序盤で少しだけ感じたキャスティングの違和感はまったくない。広瀬すずは千早だし、野村周平は太一だし、新田真剣佑は新だ。原作は途中までしか知らないが、膨大な原作からエッセンスとなる部分を抜き出し、ときには改変して全体を構成し直しているだろうストーリーは、全編にわたって引き込まれるものだ。短い時間で、それぞれの人物の背景が描写されるのも見事だと思う。ただ、クライマックスのパターンがまたそれか、という感じなのは否めない。一番盛り上がる設定なのだろうし、そうそう代わりになるパターンがないということだとは思うけど、前作にも出てきたのでもう少しヒネリというか、別のシナリオがなかったものかと思う。あと、毎回最後の Perfume だけが浮いていると思う(Perfume が嫌いなわけではない)。しかし、アニメも良作だったし、実写映画もこれほど良作なマンガ原作は稀有だと思うので、そういう意味では幸運な作品なのだろうと思う。 [映画館(邦画)] 9点(2018-05-02 18:03:31) |
2. ちはやふる 下の句
《ネタバレ》 “上の句”に比べれば、少し新鮮味がなくなった気はするが、やはり青春映画の傑作。【ネタバレ注意】原作から大幅に改変されてオリジナル要素が加えられているものの、キャラクターの骨子は変わらないというのは“上の句”と同じ。新鮮味が薄く感じられたのは対戦シーンが少なめだったからかもしれない。なにしろ一番の名手であるはずの新の対戦シーンがほとんどない(このストーリーではしかたがないけれど)。余談だが、部室に貼ってあったのは“上の句”で着物の合わせが逆だったポスターじゃないか? 最後、“上の句”と“下の句”で区切りをつけているから当然といえば当然なのだが、このあたりをやっているなら、映画はもっと続けられるんじゃないかと思ったところで急展開の締めくくりになってしまった。まあ、綺麗に終わったといえばそうなんだけど。しかし、エンディングのPerfumeはやっぱりちょっと(しかも“上の句”と同じ曲だった)。と思ったところで、続編制作の報。そちらも楽しみ。 [映画館(邦画)] 8点(2016-04-30 00:08:29) |
3. ちはやふる 上の句
《ネタバレ》 よくできた青春映画。アニメしか見たことがなく原作コミックは未読だけど、大幅な改変を加えているのに、原作のエッセンスがうまく活かされている。うまくアニメ化された作品が実写で駄作になってしまう例は多いが、本作はそうした例には当てはまらない良作。【ネタバレ注意】アニメ(おそらく原作も)を知っていると、オリジナルな展開や会話に驚かされる面はある。それくらいストーリーや設定は大幅に改変されている。しかし、(前後編の2部作とはいえ)“映画”という作品として完結したもの、あるいは現代的・現実的なものに作りかえられているのであって、それぞれの人物の性格付けや立場は変わらない。原作エピソードの“いい場面”はちゃんと再現されている。あえて言えば、片手間だった顧問が大会に行くなら「練習を見て気が変わった」というシーンを入れてほしかったというくらい。あと、エンディングでPerfumeはちょっと。「下の句」が楽しみ。 [映画館(邦画)] 8点(2016-04-08 21:53:15) |
4. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 やはり実話モノは盛り上げ方が難しいと思うのだが、実話自身が今では信じられないくらいセンセーショナルなものなので、だれることはなかった。しかし、偽の子供があれほどまで頑固に本人であると主張するというのは、(実話だとは言え)無理があると感じてしまう。そこに何らかの悪だくみが隠されているのかと思ったくらいだ。また、ノースコットが子供を誘拐する理由は wikipedia を通じて知ることができたが、映画では触れていなかったため、ただの猟奇殺人のように描かれてしまったのはやや残念だ。アンジョリーナ・ジョリーはよく演じていた。 [映画館(字幕)] 7点(2009-03-03 22:08:15) |
5. 地球が静止する日
《ネタバレ》 オリジナルは未見で、事前の情報収集もほとんどしなかったのだけれど、相当つまらない。【ネタバレ】60年前なら、このストーリーでよかったのかもしれないが、原題の映画のベースに持ってくるのは無理がある。なにしろ、60億の人類の未来を、ちょっと出会った人の出来事で決めるなよ。だいたい70年も調査してきたって人の報告は何だったんだ。これくらいの人情話なんていくらでもあっただろうに。ダメと分かっていても人類を守るために決死の覚悟で戦うとか(それじゃ特攻隊か)、もっと世界全体を巻き込んで一致団結して立ち向かう様子をみせるとか、そういうスケールの大きな話にしてこそ意味があるんじゃないのか。まあ、映像は頑張っているけどね。【どうでもいいネタバレ】冒頭の崖を登るシーン、いかにも雪がニセモノ。興ざめしてしまう。 [映画館(字幕)] 4点(2008-12-23 00:54:08) |
6. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
《ネタバレ》 冒頭のシーンはよいけど、それまで。チャーリーズエンジェルでバカ映画を作るな、とは言わないけれど、それもやりきれていないというか、派手なアクションシーンが見もの、くらいなんでしょうかね。割り切って見ないと悲しい思いをしそう。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-12 23:42:12) |
7. チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
《ネタバレ》 凡作。CIA/ガストの切れ者ぶりが目を引いたが、実話ものにありがちなストーリーの単調さはいかんともしがたい。戦闘機視点の映像など、戦地のシーンはよかったが、今回の映画ではあくまで脇役だろう。ジュリア・ロバーツの役柄も、よくわからなかった。 [映画館(字幕)] 5点(2008-05-29 03:26:55) |
8. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 ジョニー・デップが、なぜか「関西のおばさん」に見えてしまいます。ストーリーも映像もなかなかよいと思うのですが、「拾ったお金」で買ったチョコレートでゴールデンチケットが当たった、という設定がどうも好きではありません(原作に忠実なのだとしても)。すべてのウンパ・ルンパを演じたディープ・ロイ氏に1点加算。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-23 01:13:18) |