1. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 初めて観たのはDVDだった。 そして、それを買うとウォンカのチョコが付いて来た…うん。 でも、驚くほどに甘くて美味しかったと記憶している。 ――チャーリーとチョコレート工場(2005年) もう「凍えるような寒さ」と言えば、この映画の情景が浮かぶ。 それがチョコの甘さで溶けていくような風景が好きなんだよな…。 その佇まいを観せる映画なので、良かったら観て欲しい。 いや、既に観た人は、想い出すって意味ででも。 * * * やっぱりティム・バートンは素晴らしい。 高い芸術性と、腕のある監督業の両立を魅せてくれる。 しかし、この”現代の童話か?”と思わせてくれるキャラクターが秀逸。 何よりも、ウォンカーのチョコレート工場に招かれた子供たち。 そして、そのバカな家族が紹介される様が滅茶苦茶に面白い。 うん「子は親の鏡」とか「背中を見て育つ」とか聞くけど、まさにそれを表現。 何にしても「人の家をジャッジ」するときゃ、誰もが冷静だが…自分の子供に対しては、そうもいかないくらい熱心……だから親なんだろうね。 ――そして、アレ。 出てくるチャーリーの家族が最高なんだよ!マジでっ! あのお爺ちゃん、お婆ちゃんらが異常に可愛いし、(人生経験からか)優しいのがツボだったし、中でも一緒に工場に向かう「ジョーじいちゃん(デヴィッド・ケリー)」が最高だったなぁ…。 んで、ジョージおじいちゃんは永井一郎氏が吹き替えをしててさ? 当然、この声が素晴らしくて、ずっと観て・聴いて来た身体に沁みついてるのを実感。 いや「サザエさんの父さん」は永井氏じゃなきゃなー、と改めて思う。 また、カツオを怒る声が聞きたいくらいだ。 簡潔に言うと「家族の愛」もテーマの一つ。 ウォンカが、ずぅぅぅぅぅぅぅっと心の奥に仕舞いこんでいる父親「ドクター・ウォンカ(クリストファー・リー)」が最高だ。 何ちゅう配役だよ、さすがティムバートン!俺は最初観たときゃ泣いたし! しかし、最初に観た時の印象は10年以上を隔てても、当時のままに解放されてゆく。 当時から想ってたが…ウォンカの狂った様を観てると…アレだ! ――君、もしかして正体はジョーカーか? なんて、思ってしまう程に狂気的な存在だったけど、話が進んで行くと、色んな家族を観た事で段々と氷解してゆく。 最期にはチャーリーと、あそこまで心を通わせてるってのは相当に素晴らしい。 俺は、こういうベタなのにも弱いんだよなーと再確認……いや、チョロいわ。 ずっと昔に「夢のチョコレート工場(1971年)」も観たけど、小人族のウンパ・ルンパだっけ? あの表現方法の発展って言うか「近代映画的なCG技術」を観て…当時、リメイクでも映画の進化のさせ方を知ったのも思い出す。 いや、顔が全員同じで(オマケに南米系っぽいんで)スター・ウォーズ/エピソード2の「クローンドロイドかよ!」って思ったけど。 ともあれ、うん。 過去の「世界名作劇場」を観た後のような、胸の暖かくなる気持ち。 そんな、暖かい気持ちを感じさせて貰った。 ダークでありつつ、温かい気持ち… そんな映画を操るティム・バートンを称えたい。 素晴らしいなぁ、本当に。 . [ブルーレイ(吹替)] 9点(2023-01-25 21:36:01) |