1. 月の輝く夜に
その昔「クレイマー、クレイマー」でフレンチトーストというものを知った。そして本作ではパンの中央をくり抜き、そこで目玉焼きを作るという新しいパン料理を知った。イタリアではよくある朝食メニューなのだろうか?さて感想だが、「月の神秘性」にかこつけ、シェールとニコラス・ケイジの無理やりな恋の落ち方など、展開や人物描写における脚本の粗さは拭えない。そうはいっても、いかにも家族、親類の結びつきを大事にし、マザコン男が多い「イタリアな国民気質」が描かれていて、ベタではあるが、おもしろい面もある。やはり「人の生」を表現させたらこの国に勝る人種はいない。オスカー受賞のシェールは意図的に淡々と演じたのだろうか?えてして濃くなりすぎるイタリア的暑苦しさを、彼女がおさえたスタンスを維持することで作品温度のバランスが保てたような気がする。もしかしたら、それが現地人ではない、「移民であること」を暗喩させていたのだとしたら、たいしたものだ。 4点(2004-07-20 23:47:19)(良:1票) |