1. ツォツィ
《ネタバレ》 自分が父親に可愛がられなかった分、強盗に入った先の見ず知らずの赤ちゃんに嫉妬をしたのか、人間の本来持つ子供への愛を感じたからか分かりませんが、車内の赤ちゃんを置き去りにしなかったのは、結構早い段階で優しい目に変わったツォツィらしい行動なのかなと勝手に納得してしまいました。 勿論ツォツィは2人殺してるし1人は下半身が不自由になってるし、車も盗み赤ちゃんも誘拐だから、最後に赤ちゃんを返して涙を流しても許されるわけではないけれど・・・。どこか悲しげな表情のツォツィに同情したくなる部分も持ってしまったり。 DVDに入っていた別バージョンのエンディングだと、赤ちゃんを返した後、胸元からミルク瓶を取り出した際に警官に撃たれて死亡。もう1つは同様に肩を撃たれてその後に逃亡という形でしたが、手を挙げてそのまま終わりという、最も希望を持たせる形でのエンディングであれは良かったのではないでしょうか? 赤ちゃんを返すと腹を決めたツォツィが、おっぱいを分けてくれた女性にお金を渡そうとしたり、ホームにいる足の不自由な浮浪者にお金を渡したり、顔を殴った仲間の1人に謝ったり、縁を切ると言った仲間にお金を渡したり。それって彼なりの清算であり謝罪であって、純真な赤ん坊とのふれあいの仲で、少しずつ本来ツォツィの持つ心の優しさみたいなものが呼び起こされてきたかなと思って救われました。 95分なのでこじんまりとした印象や、登場人物の心理描写が丁寧に書ききれていない気もしましたが、非常に治安の悪い国においても何らかの希望が描かれるべきが映画だと思っているので、結構心に強く残りました。良作だと思います。土管で暮らしているみなしごが何とも切なかった・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-04 00:50:26) |
2. 椿三十郎(2007)
《ネタバレ》 どうでもいい所が間延びしてて、肝心なところが簡略化されてる。同じ脚本使ってるはずなのにどうもしっくり来ないのは、黒澤と三船が作り出した「空間」まではどう逆立ちしても真似できないことの何よりの証明だったのではないでしょうか? 三船敏郎さんはスクリーンの中ですっかり椿三十郎を生きていたけど、織田裕二さんはスクリーンの中でも織田裕二のままだった。同名の椿三十郎というキャラを演じているってだけに感じたり・・・。この差は決定的に埋まらないんじゃないでしょうかね。オリジナルを忘れて見ろと言われても、同じ脚本使って完全に意識して作ってるものだからそれは端から無理ですし。三船三十郎をこれでもかと意識してましたが、どっちみちどう演じても色々言われるだろうし大変だったと思いますけどね。トヨエツも本来は上手い役者なのに、室戸を演じるにはできるキレ者という雰囲気が感じられなかったです。そして全体的に登場する役者が若いから、どうしてもテイストがソフトになってしまって・・・。 ラストも居合で良かったのでは?オリジナルと変えてきたけど、結局北野武監督版の座頭市っぽく見えてしまった気が・・・。こちらを最初に見てたら及第点だったかもしれないけど、オリジナルを知ってる者としたら何もかもが物足りない。でもオリジナルを見てなかったらこっちも見てなかっただろうし・・・。黒澤明&三船敏郎の偉大さを改めて痛感。上手く言えないけどとにかく残念な作品です。 [地上波(邦画)] 5点(2008-12-30 01:46:56) |
3. ツイスター
竜巻が物凄くて、牛が飛ぶ、タンクローリーが飛ぶ、トキオが空を飛ぶってなもので、本当「おいボン。お前、その色々なものが吹き飛ぶCGだけ見せたかったんかい!」て位、薄い映画ですね。ヤン・デ・ボンは「スピード」が奇跡みたいな良い出来で、次作であるこれは劇場公開時「スピードの監督の最新作」というフレコミだったからこそ、とりわけ竜巻に、さも観ている自分もその場にいるような体感を味わえる作品というだけで楽しめた感があります。でもその後の作品を外しに外しまくり、「マイノリティ・リポート」の監督に自ら手を挙げたものの、トム・クルーズにあっさり断られたエピソード等を聞いた後に見返したら、やっぱり薄いなあと思い、10年前斬新だったCGにもあまり感動が無くなっていました。主役の2人もまぁこういう映画には合わないし、存在感も牛に負けてますね。本当に残念な映画です。 [ビデオ(字幕)] 4点(2006-07-13 16:36:06) |
4. 椿三十郎(1962)
《ネタバレ》 まず96分という短さ、テンポの良さがいいですね。「用心棒」は中盤説明に時間をかけるのでゆっくり進む部分があるんですが、こっちは常に一定のスピードで進みます。コミカルな部分も多く、皆で敵の偵察に行く時も、三十郎の後ろに9人もゾロゾロ付いてきちゃって「お前ら、金魚のウンコじゃねえんだから」とか突っ込み入れるし(笑)「仲間9人でも、戦うしかない!」と言ったら三十郎が「いや、10人だ」とか言ってるにも関わらず、三十郎が相手の屋敷に情報収集に入り込んだのを謀反だと仲間が疑って付いてきちゃったり、屋敷の水流に椿を流す名シーンもムダが無いなぁ~。 最後の仲代達矢との決闘シーンも秀逸。20秒近くの間合い・沈黙が続いたと思ったら一瞬で決まる決着!斬られた室戸の胸元から吹き出る血の豪快さはインパクト十分!しかも助けてもらった9人が土下座でお礼をする中、去り際の最後のセリフは「奥方の言う通り、いい刀は鞘に納まっているんだ。お前らも大人しく鞘に納まってろよ・・・・・・、あばよ!」ですよ! あんなに「あばよ!」が似合うのは、三船先生か柳沢慎吾位ですよ! ミフネ超カッケ~~♪男が惚れる男だよありゃw しかも口はめっぽう悪いけど、女の前じゃ紳士だったりする! テンポアップしつつ、斬ってる人数じゃ「用心棒」より上!もし観られていない方で、男くさい感じの侍スキーな方はご覧になってみてください!立ち振る舞いから仕草から全てが画になってる役者なんて、今の時代には残念ながらいないなぁ~。織田裕二が「椿三十郎」をリメイクするらしいけど、ちょっと心配です。。。 [DVD(邦画)] 9点(2006-07-10 14:53:47) |
5. 冷たい月を抱く女
《ネタバレ》 目が見えてたら保護者が「○○ちゃんこの窓から外見ちゃいけません」とか言ってカーテン閉めるよね普通に考えれば(笑)その部分のヲチは良かったけど、ストーリーはちょっと1つに繫げるには無理を感じる部分もあった気がしましたね。なんかアレックの胸毛が強烈で・・・(>_<) [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-01-16 12:28:24) |
6. ツイン・ピークス〈TVM〉
《ネタバレ》 あの田舎町の雰囲気に浸りたい。当時もそう思ったが、ファーストシーズンボックスを見返している今でも同じ気持ちになる。平和でのどかな町。そこで起きる殺人事件。一見人が良さそうな隣人達も、実はそれぞれ「裏」の顔を持っている。ローラパーマー殺しの犯人が捕まるまでの前半は文句のつけようが無い。ユーモアセンスも冴えている。出演者も個性派揃いですばらしい。後半のロッジ探索になってちょっと緊張感が切れた。後半は最終回を除いてリンチがノータッチだった事もあり、方向性が変わり残念だった。それでもアンジェロバタラメンティの作ったあの一連のテーマソング。リンチは初めて聴いた時、涙を流して素晴らしいと絶賛したらしいが、その気持ちが分かる俺としては、少なく見積もってもこの位の点は上げられると思う。 [ビデオ(字幕)] 8点(2004-09-24 15:30:31) |
7. ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間
ドラマ版のユーモアは無い。一貫してローラパーマーが殺されるまでのいきさつ(ドラマ版より前の話)を描く訳ですが、他のリンチ作品(マルホランドやロストハイウェイなど)を見ると、暗闇のグロをリンチタッチで描いたこの作品はさして悪い作品ではないと思う。ただTV版のカリスマ的な面白さ、危ないまでの対比(穏やかで平和なな田舎町、ツインピークスの「明」の部分と、裏では若者が乱交し、大人も大人になりきれていなく、何かに怯えている「暗」の部分)が無いのでドラマ「ツインピークス」を期待するとガッカリするのも本当によくわかります。ただ私はリンチ自身がこの世界から抜け出せず、映画を撮りたかった部分も分からなくは無いので、酷評はしたくない。気分もドンヨリしてしまう内容だが、その後5年間メガホンを取らなかったリンチの気持ちも考えてこの点数を献上致します。 6点(2004-09-24 15:25:06) |
8. ツインズ・エフェクト
とにかく香港映画は元気だぞ!って事を証明してくれたバンパイアアクションです!ジャッキーチェンも特別出演で大活躍です♪彼がいるといないじゃ映画の「重み」が違います!ワイヤーアクション+CGでラストの戦いは特に本当に迫力があります!主演の2人のツインズは既に香港で大人気のアイドルですが、さすがに向こうの役者はアクションも徹底的に叩き込まれています。動きのキレがハンパではない(@@;一見の価値がありますぞ!やっぱりジェッキーは個人的に大好きだなぁ(^0^) 5点(2004-09-22 17:17:57) |