1. 築地魚河岸三代目
原作は連載初回からずっと読んでいるけっこう好きな作品なだけに、大きな不安と少しの期待で観に行きました。とりあえず、不安が的中するほどではなかったですが、なかなか複雑な感想を持つ出来映えです。 シリーズ化が決まっている第一作としては、松竹お得意の人情劇を織り交ぜながら、今後の続編への序章として、それなりの仕上がりです。が、お涙頂戴シーンを演出するための人間関係における設定変更はちょっとやり過ぎの感がぬぐえません。狙いどおり、館内はすすり泣きが聞こえてきましたが、ちょっとわざとらしすぎて私はしらじらしてしまいました。 他にも、いろいろ原作にない人々が出てきますが、どうも中途半端でまとまりに欠け、散漫な印象を受けます。そんなに無理して登場人物を増やすよりは、もう少し丁寧な心情描写を行った方が、はるかに良かっただろうにと残念な思いが強いです。 原作は現代の漁業(流通も含む)に関する問題提起もふんだんに盛り込みつつ、そこに人情劇を織り込んでいるだけに、今後の続編が、つまらないお涙頂戴だけにとどまらず、原作が持つ魚に関する問題提起を十分生かした作品になることを祈りつつ、期待の意味を込めて、6点としておきます。 [映画館(邦画)] 6点(2008-06-08 22:30:00) |