1. ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間
《ネタバレ》 劇場公開時に映画館に観に行って以来、久々に観た。なんとも観念的な作品である。リンチの作品は大なり小なり全て観念的なのかも知れないが、当該作品は特に。TVドラマは、当然ながらTVで放送される事が前提となっており、ある程度フォーマットに即した作られ方をしているものであるが、ここでは「TVドラマとしてはやりきったのだから、映画は映画で好きにさせてもらう」と言わんばかりの大胆な演出がされている。もはや同じツイン・ピークスの名を冠していながらも、映画とTVドラマでは「似て非なるもの」と言えるだろう。TVでは最初はおとなしく描かれていたローラの私生活や父親の異常性も、当然全てネタバレしているので当該作品では最初から全開であり、ローラに至ってはもはやああなるしかなかったと言うくらい破滅的な生活をしているのが分かる。この辺りのエロ・グロ演出は正に映画ならではのものだろう。 ドナ役のララ・フリン・ボイル以外、主要キャストが軒並み出演しているのは嬉しい。また、正に体当たり的なシェリル・リーの怪演も特筆に値する。わずか数分の出演ながら強烈な印象を残すBowieの出演も忘れられない(しかも全く意味が分からない!(笑))。リンチ節は思いっきり発揮されているが、間違ってもTVシリーズを観ていない人やリンチワールドに免疫の無い人にお勧めできる作品ではないので、この点数とさせていただく。 [DVD(字幕)] 6点(2016-10-25 07:13:34) |