1. 冷たい熱帯魚
《ネタバレ》 園子温ワールド全開!!! 不気味な熱帯魚屋に宗教色の強い遺体解体小屋、血で真っ赤に染まった浴室といった圧倒的ビジュアルにより作りだされた不穏で邪悪な唯一無二の世界観! この作品は気弱で家庭内に不和を抱える主人公(吹越満)の暴力への目覚めを描いている。かなり、エロ・グロ要素も多くショッキングな映像も多い本作。しかし、ただのバイオレンス映画で終わらず、心に響くのが”冷たい熱帯魚”なんです。 主人公が最後に放つ台詞。「人生っていうのはなぁ、痛いんだよ!!」でんでん演じる村田は自分の足で生きていくことは痛いし、辛いことなんだと主人公に分からせた。本作のグロシーンは生きていくことへの精神的な痛みや現実を受け入れることの辛さを”血肉”という映像的モチーフを用いて、暗に表現していると思いました。理想の生活、思い描いた生活をするには痛みを伴うのだと。 [DVD(邦画)] 8点(2020-03-18 17:07:38) |