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プロフィール
コメント数 450
性別 男性
自己紹介 大阪府出身、岡山県在住、阪神・下柳と同年月日生

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1.  天使の卵(2006)
逆光を意識し、ほとんどのシーンを逆光で撮影。室内も絶えず窓から差し込む光にあふれている。一部ハレーションを起こしているショット(市原くんが卵を太陽にかざすシーン)がありましたが、お寺の内側から撮られたシーンなど本当に光が美しい。あまりに逆光を意識している分、ショットのつなぎ方が緩慢に感じたりもした作品でした。
[映画館(邦画)] 7点(2006-11-06 23:36:16)
2.  出口のない海
いざ特攻という時の回想シーンの処理、高ぶる感情のスローモーションでの処理などどうも退屈なのですが、人間魚雷で死ぬ意味をあまりに現代的な視点である台詞をもって主人公に言わしめているところが、「回天」を感動を誘う媒体として処理しているようにしか見えなくて。
[映画館(邦画)] 2点(2006-09-30 09:48:00)
3.  点と線
香椎海岸に横たわる二人の死体を捉えるカメラは、足の裏のどアップから上昇し、お~、これは「ハリーの災難」じゃないか~と期待を持たせたのもここまで。南廣という役者が一人力みまくっていて、全く他の役者と線になっておらず、まさに点。手書きの行き先表示板や汽車の煙など“国鉄”の雰囲気は楽しめますが、謎解きに終始した展開はどうも面白くないのでありました。
[映画館(字幕)] 5点(2005-06-23 12:47:53)
4.  てんやわんや
田舎と都会、因習と合理の衝突、その中を会社の社長や四国独立運動を目論む面々に巻き込まれ翻弄される主体性のない佐野周二がおおわらわする可笑しさを楽しむ映画です。切り株の魚を象徴に田舎の因習における局所的な価値の<絶対性>を描き、都会娘=淡島千景、田舎娘=桂木洋子に価値の<相対性>を描き、佐野が大事に抱えていた包みの中身をラストにバラすことで、な~んだと価値の<崩壊>を描き、結局何時の世も価値観にてんやわんや、良くも悪くもそんなこんなで世は回る、といったところです。喜劇としては少しもの足りなさを感じますが、ローカル色豊かな宇和島の闘牛や祭の映像は一見の「価値」ありです。出番は少ないけれど桂木洋子はむちゃ可憐・・・男子は目を奪われますぞ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-04-04 12:32:00)
5.  天国への階段
天使のミスによるファンタジーときけば、プロットと脚本が勝負のシチュエーションコメディを連想します。しかしこの作品は、そこに二重三重の多彩で重厚なコーティングが施されており、その映画的広がりに触れた時、唖然と天を見上げるばかりです。まずは一目のカラーとモノクロの使い分け。モノクロからカラーへと変貌をとげるバラは、モノクロとカラーの境界を泳いでいるような気分になります。次にモノクロで撮られた天国の雄大な造形。天国へとつながる階段の奥行きの深さ、裁判シーンのコロシアムのようなセットには溜め息が出ました。そしてSFXを散りばめたショット、カーディフのカメラワーク。バイクのクラッシュシーンのクラッシュぶり、時が止まったストップモーション、手術室と天国への階段・・・。そういった映像センスで魅了してくるうえに、とてつもない風刺の数々が矢のように飛んできます。イギリス人とアメリカ人を中心に対比させ、人と人が争うことのナンセンスぶりを謳い、生と死、知と愛を対比させて今生人を賛歌します。しかしてその正体は・・・素晴らしい反戦ファンタジーブラックコメディです。
10点(2004-11-30 23:29:24)(良:1票)
6.  鉄道員(1956)
チャオ~。といった軽い感じで始めるには合わないかもしれませんが、この作品は素晴らしいといっチャオ~。出ている役者もみんな素晴らしい・・・。鉄道員という仕事への一途さが子供たちとの軋轢を生み出している様子、そしてストライキでも列車を動かすシーンから、鉄道員としての誇りがひしひしと伝わってきました。彼を理解する同僚のジジ、彼を尊敬する幼いサンドリノを周りに置くことで彼の苦悩や悲哀を浮き立たせています。このジジのアンドレアとの距離感がまたいいんです。突き放すところは突き放し、けっしてべったりではなくそれでいて共に鉄道員として同じ機関車で育んできた友情を感じさせる・・・いいですね~。そしてアンドレアが目が合ってしまったという線路内の男、アンドレアはこの男の目の中にこの男の人生や家族といった背景が見えたのではないかな~。よってこれまで子供たちと真摯に向き合っていなかった自らの姿が見え、家族との接し方がより不器用になっていったのではないかと思うのです。クリスマスのラスト、ジジがみんなを招き賑やかなるアンドレア家のシーンは、その後みんなが帰り、妻と彼の二人の静かなる会話、それを一層静かに余韻を残すための伏線ではないでしょうか。ここでアンドレアが妻に漏らす「きれいだ」・・・ここで私はやられてしまいました。その一言にアンドレアの妻に対する想いがすべて詰まっているように聞こえたのです。マルチェロとサンドリノを見送る母、けっして微笑みを浮かべないその表情、その余韻にしばし浸らせていただきました。♪線路は続く~よど~こまでも、野を越え山越え谷越えて・・・人生をいろいろ越えるとあんな表情になるのでしょう、きっと・・・。
10点(2004-10-19 23:20:10)(良:3票)
7.  デビルマン
監督の演出力、脚本の出来、役者の演技、とにかくお粗末・・・。この映画の肝の一つは、不動明がデビルマンだとバレるところで、そこに相当な演出が求められてしかるべきだと思います。しかし美樹の父は、なんら動じることなくしら~っと受け入れているし、美樹も一瞬たじろぐもののすぐにキスとはどういうこった。もっと葛藤を見せなきゃいかんのではないのかな~。サタンとデビルマンの対決も、あの酷い演技では、なんらの緊迫感もなくただただ冗長な気の抜けた炭酸飲料のようです。人間の狂気を描き本当のデーモンは人間なのだ、というのもわざわざミーコとかいう女の子に叫ばせとるし、台詞が観客への説明調で明らかに不自然です。ボブ・サップや小錦も話題性以外のなにものでもなく、これならデーモン小暮やいつしか話題になった自分の子供に悪魔くんと名付けたがっていたあの人でも出演させたほうがまだシャレがきいていておもしろのではないかな~、ということぐらいしか思いつかないくらいの映画であります。
1点(2004-10-12 21:05:52)(笑:2票) (良:1票)
8.  天国の青い蝶
この作品は〝奇跡の物語〟とうたっていますが、ベタに言えば奇跡への〝軌跡の物語〟というところです。さてその軌跡ですが、実話に基づき、コスタリカの熱帯雨林で、奇跡の青い蝶をさがしているうちに・・・という話です。そこに棲息するワニ、ヘビ、カメレオン、カブトムシ、珍しい昆虫、は虫類などを野生の王国ばりにクローズアップで挿し込み、見ている者に大自然の生命力を、そして派手な色彩の動植物には神秘を感じさせます。それらに接する少年は、当然生き力を徐々に獲得していくのですが、私などは、あれだけの異文化、異環境、非日常に身をおけば、そりゃあ変わるやろ、とどこか冷ややかに見てしまいました。また少年が感じる疑問に、その後にナレーションや台詞ですべてその回答が与えられているのもしらけます。映画館を出ながら、ぶつぶつそんなことを心の中で呟いていたのですが、きっとそういう人間には、奇跡の青い蝶が舞い降りるようなことは絶対ないんだろうなあ。
5点(2004-09-20 23:31:38)
9.  天使(1937)
おー、ルビッチの見せない演出だー。見せなきゃいいってもんでもないんですが、この作品は、ここというツボをお見事に刺激。エンジェルが突然いなくなるシーン、エンジェルが友人の妻であることがわかるシーン、エンジェルが自分の妻であることがわかるシーン。ストーリィのコアとなるこれらのシーン、ともすれば役者の表情のクローズアップで表現したくなるシーンをことごとく間接的に表現。スミレ売りのおばあさん、反対を向いている写真立て、秘密のメロディーを奏でる電話口・・・、また下げられてくるお皿で、3人の心理状態を巧みに表現されちゃー、ははぁーと頭をこすりつけるほかありませんです。ラスト、芝居を打つエンジェル、それを逆手にとるバーカー卿、といった脚本も素晴らしく、エンジェル役のディートリッヒの魅力、ルビッチの見せない演出とあいまって、この作品はまさに、金のエンジェルマーク。これ一つでルビッチタッチの缶詰がいただけるのであります。
10点(2004-06-30 12:51:34)(良:3票)
10.  天国は待ってくれる(1943) 《ネタバレ》 
この作品はなんとも微笑ましく品がありますねー。夏の夜に縁側でうちわ片手に観賞したいような作品です。そうそう、これはルビッチ監督、最初で最後のカラー作品。というわけで、いきなり赤い。そうかー、地獄はやっぱり赤いんだな。そして語り始められる主人公の我が人生。それが、なかなか憎めませんねー。まして憎めないのがこのグランパ。おちゃめー!息子に「おまえはまだ子どもだ」と言った後に、2階からアルバートに水をかけて隠れたりして、あんたが子どもやないかー、とここはつっこむところですね。マーサを一番気に入っていたのもこのグランパですねー。ヘンリーといっしょにマーサを奪回に行くところ、「1度駆け落ちしてみたかった」には参りました。そのマーサは、濃淡はあれ、そういやずっとブルー系の衣装を着てました。これは地獄の赤と対比して、マーサは天国へ召されることの象徴でしょうかねー。そうか、マーサを幸せにするために閻魔大王はヘンリーを天国へ送ったのか。憎いねー、閻魔様、いやルビッチ様。この作品から学んだ大きな教訓「くしゃみ一つで人生が変わることもある」、中ぐらいの教訓「仲の悪い夫婦の召使いは気が利かなきゃつとまらない」、小さな教訓「気持ちよく歌う自分の歌が人を不快にすることがある」。さー、寝るか。そのまま永眠しても、天国さん待っていてね。
9点(2004-05-23 23:28:34)(良:2票)
11.  テキサスの五人の仲間 《ネタバレ》 
久しぶりに見た。今度こそ騙されんぞ(当たり前である)!と気合を入れて見た。いやー、わかっていてもおもろい。いや、わかっているからおもしろい。奥さんの表情、子どものしぐさ、医者の・・・、駄目駄目これ以上書いちゃ。居並ぶのここのレビューを担保にして、皆さん、さー見てください。1~5番までのレビュワーが仲間だなんてことは・・・ない、だろう・・・。
9点(2004-05-17 21:45:58)
12.  天国と地獄
これがホントのジェットコースタームービー、と勝手に言います。前半の静と後半の動。権藤邸のシーンは、カチャカチャと少しずつてっぺんへと近付くジェットコースターの助走の緊迫感そのもの。パンフォーカス、長まわしで人物全体にスポットをあて(ついでに犯人の声にもピントがあっているかのよう)、観客は、登場人物たちの部屋の立ち位置と物語上の立ち位置、その両方を画としてじわじわと見せられます。で、てっぺんに到達したら後は一気に動へ。犯人を追い詰める刑事たちの動。クロサワ的メリハリがコントラストをきれいに描いています。「完」でコースターのベルトを外した時にはまさにまだ体が揺れているような感覚でした。ラストで犯人が揺すっていたのは金網ばかりでなく、見る者をも揺すっていたのでした。終わり。
8点(2004-04-29 07:43:39)
13.  天空の城ラピュタ
これを観た後は、そのへんの石が飛行石に見えるから不思議だ。
7点(2004-03-26 21:55:26)(笑:1票)
14.  テス 《ネタバレ》 
時代、家柄、血筋に翻弄されながら、自らの運命に身をまかせるテス。その加速の始まりが、名門の家柄だと知った時からだというのがなんとも皮肉。あの牧師の一言から彼女の人生はズレていく。その後は、ズレ、ズレ、ズレ・・・。そしてついに最後には、そのズレを強引に元に戻すかのように天井が赤でにじむ。捕らえられた後に昇る太陽がズレを象徴しているかのようであった。牧師の一言がなかったら彼女の人生は幸せだったのか、その一言があって彼女は不幸せだったのか。それはきっと誰にもわからない、と思う。
6点(2004-03-21 01:15:09)
15.  天使のたまご(1985)
幻想的で退廃的な世界にたまごを抱く少女。そのたまごに執着する少年。そのたまごとさかなにたくされたメタファー。水没した都市にわれわれは希望と絶望の輪廻を知るのである。と、それらしくまったく適当に言葉を並べてみたが、正直、わかりません!でした。
5点(2004-03-09 23:02:15)
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