1. デッドマン・ウォーキング
《ネタバレ》 こういう映画ですから、死刑制度の是非に目が奪われがちなのは仕方のないことかもしれません。しかし、この映画は、死刑囚の魂の救済はいかにして可能か、というテーマに取り組んだものと私は解釈しました。その救済は、犯罪者が自己以外のもの(外在的要因)に責任を転嫁しようとする性向を持ちがちであることと、被害者の心情(魂の平穏)への配慮が必要不可欠であることから、必然的に困難とならざるを得ません。ティム・ロビンスはその辺りを的確にえぐっているといえるでしょう。もっとも、キリスト教の素養がない限り、魂の救済といっても理解されにくいかもしれません。そういう意味では、観客を選ぶ映画です。ともかくも、死刑執行に至る一連のシークエンスは圧巻。これほど心を揺さぶられる場面には、なかなかめぐり逢えません。この場面では、映画館全体が張りつめた雰囲気に包まれたことを思い出します。 9点(2004-08-27 11:01:41) |
2. デーヴ
《ネタバレ》 噂に違わず、良い映画でした。大統領職は、意外にあれで勤まってしまうものなのかもしれません。細かいことは周りがみんなやってくれるでしょうから。シャワールームのあれとか、オリバー・ストーン等の有名人の顔見せとか、小ネタも面白かったです。あと、ボディガード氏の決め台詞は"I will take a bullet for you."(君のために弾丸を受けるよ)と聞こえました。これまた格好いい。 8点(2004-08-24 15:41:48) |
3. ディーバ
好きな映画は、たいてい「わけのわからない迫力」のあるものなのだが、この「ディーバ」は例外。非常に真っ当な作りである。というより、ほとんど完璧な作品といってもいいのではないだろうか。サスペンスでもあり、ロマンスでもあり、ドタバタコメディでもあり、刑事ドラマでもあり、青春映画でもある。さまざまな要素を詰め込みつつ、一本スジの通ったストーリー展開。緻密に構築された端正な映像。ディーバと主人公との恋にリアリティを感じられるかが評価の分かれ目だと思うが、さすがにそれを感じられない無粋な人はここにはいないようで、嬉しい限り。フランス映画にありがちな、「話のわかりやすさよりも画の美しさを優先する」部分が見られたことだけが減点事由。そこがフランス映画のいいところ、という人もいるとは思うが。 9点(2003-08-01 21:07:29) |
4. デューン/砂の惑星(1984)
中学生のときに映画館で観てぶっ飛び、以後10年にわたりSF漬けにされました。我が心の一本。初見の時の感覚を今になって分析してみれば、「世の中にはこういう世界を構築する頭脳があるんだあ」という驚嘆の念だったと思います。 9点(2003-03-24 16:44:03) |