1. 鉄コン筋クリート
昭和の記憶の断片を寄せ集め、アジアをまぶしたような世界。鳥の目線に、猫の目線に、ダイナミックにきりかわり、独特の空気を作り上げている。ネズミがストリップ劇場が無くなることをこぼしているように、街が「影」の部分を失う事によって、ほんとうは子供が息苦しくなっているんじゃないか、とふと思う。そして自分の中の「悪」に向き合うことが、難しくなっているのかもしれない、とも。「子供の城」はすでにこの国に蔓延しているから。 映画としては、後半、「足りないネジを・・」などセリフに語らせてしまうところにすこし白けてしまった。精神世界でもかまわないし、エンターテイメントを目指した作品では無いとは思うが、これだけの世界観を提示しているのだから、もうひとつ大きなカタルシスが欲しかった気がします。 シロの「こちらシロ隊員・・・」の繰り返しはなんかキュンときた。蒼井さん素晴らしいですが、時々やっぱり女性の声に聞こえて、なんとなく色っぽく感じられてしまったのはどうだろう。 [DVD(邦画)] 6点(2007-08-23 15:07:07)(良:1票) |