1. デイ・アフター・トゥモロー
《ネタバレ》 パニック系映画として「氷河期」に目をつけた点は褒めたいと思うが、如何せん詰めが甘い。突っこみどころも満載である。現代社会に氷河期が訪れるという非現実な設定を納得させるだけのものがない。中盤まではなかなか容赦ない展開で楽しめたのだが、オチが最悪。なぜ父親がNYについた途端、それまで荒れ狂っていた嵐がやむのだ?(このへんの説明が全く無かった)これでは父親の気象論が大ハズレではないのか?そしてNYだけ助かって万歳的なところも甚だしい。氷河に襲われた他国のことはどうでもよいのか?突如あらわれた狼のCGもうそ臭くて失敗している。そもそも狼の存在自体が不要。しかし万が一娯楽として本作を楽しむのなら、潔く映画館で観るか、観ないと最初から決めたほうが良い。DVDで観たら尚更つまらなく感じるはず。 5点(2004-06-13 19:27:51) |
2. 天使の牙 B.T.A.
ハードボイルド+サイファイという印象で、テンポがよく飽きずに観られる。現実離れした内容だけに(脳移植とか)テンポが悪ければどうしようもない駄作になっていただろうが、突っ込ませる隙を与えずに次々と予想を裏切る展開を用意させている点が良かった。佐田真由美の演技には期待していなかったがガッカリさせられることもなく、ここまで演じられれば上等であろう。アクションを期待せずに観ればなかなか楽しめる。映像も思ったほど酷くなく、セットは丁寧に作られていると感じた。どちらかというと男性よりも女性のほうが感情移入しながら観られるのではないだろうか。さりげなく役者陣が豪華である点も面白い。 7点(2004-02-24 22:54:52) |
3. ディープ・インパクト(1998)
劇場で観たが見ているうちに白けてしまった。空々しい家族ドラマがどんどん出てきて泣いてくれといわんばかりの演出には辟易してしまった。根本的にそういう映画は好きなはずなのだが自分でも不思議である。何故か受け付けなかったのはいまいち危機感が伝わってこなかったからだろう。世界の終わりがきているというのに綺麗事ばかり並べる人間なんて実際には少ないのだから…。と、ヒネくれてしまう自分がいることを新たに発見したという意味では貴重な作品だった。 4点(2004-01-27 18:33:24) |
4. 天空の城ラピュタ
《ネタバレ》 これこそ映画史に残る名作、日本が世界に誇れる傑作であると私は自負する。初めて観たのは小学生の時だったが、その頃はシータとパズーの淡い恋愛、スリルある冒険活劇に胸を弾ませていたものだが、大人になって観返すとこれが痛切に自然破壊に対する警告を隠喩していることが理解できる。権力に目が眩んだ利己的な者たちが滅び、決して仲間を見捨てず自然を愛する者たちだけが最後に生き残る。シータとパズーを最終的に救ったものが木の根だったことがそれを象徴的に表しているのではないだろうか。映像・音楽・脚本すべてが素晴らしい。これは名作映画の必須条件だがこの映画はそれらをらくにクリアしている。二十年近くたってもまったく色褪せていない名作中の名作である。 10点(2004-01-23 15:54:57) |