1. DEATH NOTE デスノート(2006)
《ネタバレ》 原作未読。見てて思いました。原作の漫画なら、納得できるだろうし、もっと、もっと面白いんだろうなぁと。・・・・・どうして実写にしたんでしょう??? ・・・ぷんすかぷんと思うのは、製作者が、全く、実写と漫画の違いを考えていないように思われる点です。・・・・・漫画なら、一人の人間が、色々と想像力を働かせて、表現していいんです。しかし、色々な人が力を合わせ、しかも、リアリティに漫画よりは近い実写の映画というのは、違うんじゃないだろうか。・・・・・・結局、これ、映画にしたら、儲かるぞ、みたいな根性しか見えてきません。しかも、そこそこ低予算で、儲けよう、という根性まるだしです。・・・・・・・・夜神の家は、リビングも月の部屋も全く生活感はないし、南空さんは、頭を撃って自殺しても血が全く流れ出てこないし、全てが子どもっぽいというか、(そりゃ、美術館でロケすりゃ、血をどろどろ流せませんが、こだわって実写にするなら、美術館以外の設定だっていいし、美術館でも工夫のしようはあるかもしれないし、とにかく安易なんですっ。)・・・・・BSで携帯デカシリーズを見ているのと殆ど変わらないというか、漫画のコナンを見ている方がしっくり来るというか、、、。それに、月くん、現役の学生で司法試験に受かったにしては字が拙いというか、あんな感じで書いていたのでは、論文試験は通りません。 [DVD(邦画)] 2点(2007-03-07 19:41:58)(良:1票) |
2. ディーバ
表のストーリーは陳腐だし、四半世紀も前のフランス的ギャグは、「あっと驚くため五郎」的だし、、、、、映像の斬新さ、革新性は、60年代、70年代の映画を丹念に見てきた人でないと、おそらく理解することは難しいのだろうし、、、、。(ちなみに、私には判断できません)、、、そうした点からは、博物館でしか価値が見いだせない作品と思われても仕方ないでしょう。だから、映画は消費されるべき娯楽だ、と考える人は見てはならない作品だと思います。でないと、ピカソを見て、なんじゃこりゃ、というのと同じになる。(もちろん、それも一つの判断ですが)、、、、、、、私が個人的にこの作品が素晴らしいと思うのは、1. 作り手が映画を、音楽、絵画とおなじ芸術だと考え、2. 芸術がどのようにして成り立つのかが真剣に考えられ、様々な実験が行われている、と思うからです。、、、、、、例えば、なぜ主人公は郵便屋なのか。、、郵便は人々のコミュニケーションの象徴です。そこからモダンな社会でのコミュニケーションのあり方が問題視されていることがうかがえる。そして彼の部屋の造形。またバイク、ローラースケートといった新しい道具たち。、、、なぜ衣装を盗み、返すのか。それはfetishな発想と芸術とを区別したいから?、、、、そして歌姫はなぜレコードをださないのか。それは芸術が人と人とが共有する場の中で、共感のコミュニケーションとしてしか成り立たないと考えているからではないのか。などなど、、、、、、、このような点では、この作品は、普遍性を持ち、常に新しい作品だと思いました。とにかくこの作品はアートです。 9点(2005-02-22 09:56:40)(良:1票) |
3. DISTANCE/ディスタンス
美しい映画ですね。雰囲気としては個人的にも好きです。、、、、湖水の桟橋は遠い世界に逝った者達との架け橋、小舟は泥に没してその世界に通うことはもはやできない、、、、彼らの魂が、霧の水面のもっと向こうに静かにたゆたっているようで、、、、そして、私たちの日常の世界と、そこには架橋できないdistanceがあるということなのでしょうか、、、、、。しかし、このテーマを叙情的に描くという姿勢に対しては、断固として異議をとなえたい。、、、なぜ絶対を渇望したのか、なぜ出家したのか、なぜ一つになりたいと思ったのか、その事情、心理過程は、暴力や承認への渇望やら、医者、教師、主婦、それぞれに激しいものがあったはずで、こんなにさらりと、静かに叙情的なものではないはずです。このように描くことで、実は彼らを理解する道を自ら遮断しているのではないでしょうか。、、、、、そして、彼らの心理過程をもっと丹念に辿れば、実は、彼らと私たちの間には、そんなにdistanceはないのだと思い至るのでは、、、、、。それと、この映画には、かつては理想的な家族が存在したが、現代はそれが崩壊したという錯覚があるようにも思えます。理想的な家族なんて、過去から現在に至るまで存在しなかったと考えた方が真実に近いのではないでしょうか。 2点(2005-01-21 10:57:34) |
4. デイ・アフター・トゥモロー
飛行機の中で、飲んだくれて見たので、正しい鑑賞方法とはいえないし、、、、とりあえず、二時間ほど飛行時間を短縮してくれた感じで、その点には感謝しなきゃいけないし、、、、でも、見終えて思ったのは、「なんじゃ、こりゃぁぁぁ、、」ということでした。、、、、息子を助けに行って、その息子達がニューヨークで唯一の生存者になりました、助かって良かった、めでたしめでたし、、、、えっ、息子だけがたすかりゃそれでいいのかなぁ、、、。それで環境問題の方はどーなったのと思ったら、最後に、こんなにピュアな空気は見たことがないです、とかの付け足し。、、じゃぁ、放っておいて、大災害がおこれば、自動的に解決できるっていうのだろうか。、、、、それに図書館の本を焼くということは、文明に対する根底的な批判を含意するはずだけど、その含意を重く受け止めているとは思えなかったし、、、、、と、ぷんすかぷんとしつつ、暫しあって、、、、そっかー、アメリカじゃ、家族というのが一番大事な社会集団なんだぁ、ということが、よーくわかりました。会社、国家、学校、教会なんかの集団より、一番大事なのは家族だもんね、という価値意識を前提にしないと、この映画、全く意味不明のストーリーですものね。、、、、ということで、異文化の映画を評価することは難しいことなのだなぁと気づかせてくれた点でも、この映画には感謝しなければならないのかもしれません。、、、、、全然違う文化環境で創作された映像を自分の属す文化の価値基準で評価することは、その映像に対する適正な接近方法なのだろうか、、、、うーむ。、、、、そして、映像は確かに凄いから、よっ、いい出来だよ、パチパチパチとやらなきゃいけないのだろーか。、、、、再びうーむ。、、、、しかし、どーしても一点、許せない部分があり、この点にします。、、、、それはグーテンベルクの聖書。世界に数点伝えられているこの本は、ほんとーに美しく、神々しいものなのです。、、、、(つけたし、、、この映画は、結局、環境問題を手段、CG技術を示すことを目的としているようですが、それって本末転倒、目的と手段の転位ってやつてじゃないですかね。) 4点(2004-08-15 02:18:52)(良:1票) |
5. 天井桟敷の人々
わたしが大切にしたいと思う価値観、感情がこの映画には散りばめられています。、、、、、、最初、映画館で見たときは、長くて腰が痛くなりましたし、特に深い感動もありませんでした。アルレッティはおばさんだし、ジャンルイバローのパントはあまりにゆったりとしているし、画面は白黒で衣装や装置の細部は不確かだし、、、、。ただ、その後、ビデオを購入し、何度か見るうちに、じわじわと虜になり、最愛の映画になりました。どうしてなのだろう???、、、、、、、そう考えてきて今、わかりました。わたしが大切にしたい価値観がここには溢れていると。、、、、、ルメートルのように全てを天職に傾けたいという感情、ラスネールのように斜に構えたい心情、バチストのように昔の感情を爆発させたい気持ち、、、、、飲んだくれてラスネールに気前よく振る舞い、また決闘にまで臨んでしまう軽はずみ加減、、自分の中の嫉妬心を客体視して「これでオテロがわかった」とする前向きさ、、垣根を設けず乞食の演技にも瞠目するバチスト、、、、、、などなどなど。、、、ただ一点、人生とは、カーニバルのようなもので、そこでは、人の大きな流れに囲まれ、自分の位置を定めることができないものなのかどうか、これから考えて行くつもりです。 10点(2004-06-03 11:43:13) |