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1.  テス 《ネタバレ》 
類まれなる美貌の持ち主「超美人」というのはある意味罪作りな存在。異性を惹きつけて止まないのだ。恋愛の対象、欲望の対象、嫉妬の対象として情念の渦に巻き込まれてしまう。金持ちですけこましのアレックにしつこく追い回される主人公テスの様子は気の毒そのもの。拒絶できればよいが、父が怠惰な貧農で、弟妹たちの面倒を見てやらなければならないという負い目、足枷がある。結局強姦めいたことになり、アレックスの情婦となる。そんな生活に嫌気がさして逃げ出すが、お腹には新たな生命が宿っていた。赤子は短命に終るが、私生児故に洗礼も受けられず、教会墓地に埋葬も許されない。アレックスに何も知らせず、赤子を自分で育てるところに、気高く自立した女の側面がみれる。新たな働き先の農場で初めての恋をするが、相手はよりによって牧師の息子エンジェルで、厳格なキリスト教上の足枷がある。求婚されたとき、過去を告白した手紙を渡そうとするが、行き違いとなる。結婚後、彼女の過去を知ったエンジェルは痛撃を受けて、家を出てしまう。彼女も実家に帰るが、父が死亡して借家を追い出される。やむなくアレックスの援助を請うて、再び情婦に。そこへのこのこ妻の過去を許して受容できるようになった夫が迎えに訪れて、悲劇が起る。惨劇の場面は省略されるが、主人公の生きざまを赤裸々に描くのが作品の主旨であり、非常に不自然。逃亡する二人はストーンヘンジで逮捕されるが、これは興味深い。ストーンヘンジはキリスト教以前の古代遺跡で、太陽の運行など天文に関係する施設で、夏至には特定の石柱の間から太陽が昇る。彼女の魂が救済され、再生するためには、キリスト教という足枷のない場所が必要だった。朝日が石柱から昇りはじめる象徴的な場面で映画は終る。◆せっかく「自立する女」「紆余曲折を経て辿り着いた真実の愛」を描いても、殺人、絞首刑で終わっては後味が悪すぎる。彼女の不幸や悲運が心にもたれ、うまく消化できない。夫役の男優に魅力がなく、彼女と釣り合わないのも難点。監督は主演のナタキン15歳のときより性関係を持っていたというから、アレックスと被って見える。性的に早熟になった彼女は、その後恋多き女として浮名を流すことになる。それでも輝き続けるナタキンはテスそのもの。監督の妻が殺害され、一方で少女への淫行疑惑の十字架を背負うという人生も意味深なものだ。やはり美貌が罪を呼ぶのだろうか。
[DVD(字幕)] 7点(2012-09-11 13:11:28)
2.  田園に死す 《ネタバレ》 
母を否定することが物語の原点。母は毎日小言を言い、狂った時間で拘束し、東京(外界への憧れの象徴)行きの汽車に乗ることを許さない。父は不在。イタコの口を借りて会話はできるが、母はそれも否定する。華やかな見世物小屋(理想的な世間の象徴)があるが、その実態は不健全で変態的なものだと知ってしまう。隣の人妻と駆け落ちをするが失敗。母がいる限り自由は無く、成長も無い。貧しくて、猥雑で、因襲に縛られた東北の寒村に縛られ続けるのだ。それから20年。男は大人になり、東京に出たが、依然として母親と暮らしていて、拘束は続いている。男は自分の惨めで汚れた過去を変えることが出来ないかと、理想的に脚色した自伝映画を作ってみた。それでも過去は変わらなかった。あるとき「3代前のおばあちゃんを殺したらどうなる」という知人の言葉から、母殺しを連想する。だが現実に母殺しはできない。母が存在しなかったら自分も存在しない。それならば昔の自分にやらせればよいではないかとう発想で、男は恐山で昔の自分と対面する。恐山は死者と生者、過去と未来が交差する賽の河原。「過去を改変するには二人の共同作業が必要だ」言葉巧みに母親しをけしかける。だが昔の自分は東京帰りの女に童貞を奪われ、汚れてしまい、女と東京へ駆け落ちしてしまう。変な風に過去が改変されてしまった。仕方なく男は母殺しを決意。実家にいくと、母は何の疑念も見せず、未来の息子を受け容れる。息子のことなら何でも受容してしまう圧倒的な存在感。男は母殺しは到底出来ないと悟る。母と自分は一如、血と呪縛は断ち切れない。次の瞬間、時代は現代に戻る。二人は現代も未来もこうして生活(食事)を続けるのだ。母を否定した男は田園(過去の故郷)に死す。【象徴】①3人の女は母の女性性の象徴でもある。共に不幸であることが特徴。隣の人妻は貧しくて、愛なき結婚をし、昔の男と再会して心中する。儚い女だ。間引き女は父無し子を産み、村の因襲に抗えず、子供を川流しにして失踪する。悲しい女だ。空気女は夫が浮気しても、嘲弄されても、誰かに殺されそうになっても許してしまう。愚かな女だ。間引き女と交わったことは、近親相姦を暗示する。②赤ん坊を流したとき、雛流しの発想から雛壇が流れてくる。雛壇は鎮魂の象徴。③白粉は恐山(時空の交差する超空間)の住人であることを表している。④原色=思い出は醜く、美しく、エロティック。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-18 23:59:11)(良:1票)
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