1. 転々
《ネタバレ》 三木聡は「亀は意外と速く泳ぐ」も面白かったが、この犯罪の匂いがたちこめる、頭空っぽで楽しめる愉快なロードムービー&コメディも好きだ。 まずファースト・シーンからして面白い。 後ろから来た黒ずくめの男が、いきなり部屋の中の男の口に自分の靴下を突っ込む!その口に突っ込んだものを履くなwwwww 借金返済に与えられた3日という猶予、喋らない岸辺一徳、ジャギ→ジャイアン。 その辺をブラブラと歩いて談笑、ちょっとした事件に巻き込まれる、何時の間にか仲良くなる楽しさ、面白さ。 ところどころに笑いが転がっていて楽しい。 募金に対して「何で?」と思わず聞いてしまう。自分の身がヤバいというのにどうして他人に金をやらねばならんのか。 解っていても公の場で中々口にできない。でも思わず心の声が出てしまう。 靴ひも→鍵→鞄の中身は大金だと思った?残念俺だよっ!! 「人を尾行るのは面白いよ(ゲス顔)」 食虫植物に捕まったも同然。ワケあり借金取り、文字通り旅は道連れ(あの世行き)。 恋人たちとしょっ引かれるホームレスの対比、串をヘバりつける、落ちたオレンジをちゃっかり猫ババ、被写体を追うカメラ、ラベルで即興。 「歩道を自転車で通ってんじゃねえっ!!」 必殺ベル外し&車のオッサンも酷い二連コンボ。BBA涙目 崖の匂いって何だろうね。ダイナミックセクハラ。 福原「解せぬ」 性分(タチ)、サッカー、神社 理不尽キック、女房の自慢話、理不尽コイントス、バカ息子とラーメン屋、みんな家庭がうまくいっていない奴ばかり。 こんなとこでごゆっくりできるかっー! OL軍団、思い出なんて大嫌い、畳屋との死闘、「コスプレに年齢なし」、つげ義春「訴訟も辞さない」、残念コスプレは吉高由理子とチェンジで(吉高由理子がコスプレで登場すると思ったのに残念)。 ワニがいたら食われたい、ヤバいと解って応戦、月光変態仮面、美術家気取りの女、絵上手いね・でもちょっと待て、黒人のオッチャン涙目、ゲリラライブを演り慣れたギタリスト、警官「チッ」、何故か真似るオダギリ。 占いとバッタリ、ポスト「何だおまえは」、とんかつ茶漬け喰ってみたい、武闘派時計屋との死闘、立てつけとの闘い、トラックに飛び乗る謎のスリル、ハンガーで首を回す、うがいを飲むな。 ガラスに映るシルエット、女もパンツ一丁でキャーキャー走る(吉高由理子の尻!)、すき焼きとマヨネーズ、飯を食いたくなる家族団欒の空間。 ジェットコースターと記憶の中の真実、並木道を2人で歩いていく。 「私は若返りたくないんですよー」のやり取り。 優しい目で語りかける「じゃあな」! この男は本当に“やった”のかは最後まで明かされない。一体何がしたかったのだろう。そこが面白いし好きだ。 [DVD(邦画)] 9点(2015-06-08 19:27:56)(良:2票) |
2. デルス・ウザーラ
《ネタバレ》 黒澤のカラー映画と言えば俺は「赤富士(オムニバス「夢」に収録)」が一番好きなのだが、この「デルス・ウザーラ」も黒澤明によるロシア映画の傑作だし、黒澤明が苦手だという人にも「虎の尾を踏む男達」と共にオススメしたい逸品だ。 どうも「赤富士」以外の黒澤のカラー映画はダメなんじゃないかと思っていたのだが、この映画はかなり面白い。 ロシアの雄大な大地を突き進む探検家と猟師の友情の物語。 未開の地をひたすら突き進む冒険家たち。そこで巡り合った猟師のデルス。 野生の森の中で育ってきた者と、都会から野生に放り出された冒険家たちの意識の差、そして心の交流。 カラーで収められたロシアの雄大な自然。時に優しく、時に厳しく冒険者たちを迎え入れる。急流に飲み込まれ溺れそうになるスリル、吹雪が襲い掛かりそれと“格闘”するスリル、猟銃による腕比べの楽しさ。 物語は常に静かに流れていくが、時に激しく動きドラマに引き込んでくれる。デルスにとって、眼の怪我は完全な死にはならない。森から引き剥がされること自体が、デルスにとっての“死”なのである。そして大地と一つになっていく穏やかさがそこにある。 [DVD(字幕)] 9点(2015-06-02 19:41:24) |
3. DEATH NOTE デスノート the Last name
《ネタバレ》 ま、アレですよ。 原作の終わり方に納得できなかった俺は、断然コッチ派。 いやね、二部も捨て難いと思うのよ。ハル・リドナーのお●ぱいとかおっ●いとかおっぱ(ry 原作のシャワー中に銃つき付けられても余裕なハルが素敵やないですか)何の話だ)。 中坊の頃は良かった・・・この映画のおかげで漫画もアニメも見た感じ。 ちょっとボサボサ頭のキラがカッコイイと思ったし、 Lの冷静沈着な性格だけど甘党というギャップも好きだった。 「天国に一番近い男」で“龍崎”になっていたワタリさんとかとにかく色々。 原作に佐波さんが出なくてちょっぴり残念だったりするんだぜ。 まさか「ガメラ」の監督とは知らなかったよ。通りで面白いワケだ。 何より、Lがキラを騙す展開がカッコイイ。 どうせ差別化するならおもいっきり、しかも面白くしてくれて良かったと思う。 総一郎とLの“最後”の会話は何度見ても切ない。 [DVD(邦画)] 9点(2015-01-06 18:35:01) |
4. デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲
《ネタバレ》 TVアニメの映画化で正当な続編が作られるのは珍しい(あとは「ドラゴンボール」のブロリーとか)。 「ウォーゲーム」の作風をもう一度やるって試みは良いけど、ストーリー展開は前回に比べて少し雑な印象も受ける。そもそもたった30分でオールスターは幾らなんでも無理しすぎ。あまりにも「ウォーゲーム」を意識しすぎたカットや演出も微妙だ。つうかサポート要因の京がチートすぎ&他が空気すぎて泣いた。 どうせならTVで前・後編くらいに別けて丁寧にやって欲しかった。 それでもディアボロモンの存在感は圧倒的。太一が大輔たちにバトンタッチするシーンもカッコイイ。 前回はネット上という限定的な戦闘が面白かったけど、今回は現実世界にも来てちょっとがっかり。デジモンが現実世界で暴れる展開は「初代」でも「02」でも後半を盛り上げるイベントとして散々やるからねえ。でもオメガモンがお台場上空を飛び回る姿は恐らくこの作品しか無かったと思うのでファンなら必見です。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-28 19:56:32) |
5. デジモンアドベンチャー
《ネタバレ》 アニメ版「デジモン」のプロトタイプ。 アグモンと太一の初めての出会いを描く。太一がもっと幼い頃で、光も赤ん坊。卵からかえったアグモンとの交流。最初はまだ喋れなかったけ。そのまま進化していく様子がちょっと不気味に描かれていたんだよなあ。それがパロットモン?が来てアグモンも太一たちを守るために・・・最初見たときはアグモンの最後が少し寂しかったが、TV版を見た後だとちょっぴり感動するのだ。第1話で“再会”するシーンがさ。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-19 18:14:52) |
6. 伝説巨神イデオン 接触篇
《ネタバレ》 この作品は「イデオンて何ソレ?美味しいの」という人のための総集編。 肝心のアニメが13・14話になるまであまり面白く無いため、イデオンに挑戦しようという人はコチラから見ることをオススメする。 また、新規作画による強烈な映像(イデオンがジグマックを蹴りで粉砕する場面とか!)、キャスト陣による演技の違いも見所。 正しあくまで「総集編」であるので、原作の飛ばしてはいけないシーンも多くがカットされている。 この作品を気に、是非とも本作も楽しんでもらえるとありがたい。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-13 19:10:47) |
7. 天使にラブ・ソングを2
《ネタバレ》 続編でも相変わらずエネルギッシュで元気な歌声。少年少女たちを突き動かす歌のエネルギー。 パワフルな歌はいつまでも聞いていたい。 落ちこぼれた少年少女たち、ただ彼らには貧乏でも負けない、見返してやるんだというハングリーハートがある。その魂と歌は共鳴する・・・そんな映画。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-11 08:03:25) |
8. 天使にラブ・ソングを・・・
《ネタバレ》 暗く沈んだ世の中を、歌のパワーで明るくしていくミュージカル映画。 エネリギッシュに声を上げて歌うヒロイン、そんな様子を見ている内に、こっちも元気とやる気が湧いてくる。 ストーリーも歌に負けず劣らずリズミカルでテンポが良く、小気味良い心地さがある。 老若男女の複雑な悩みや葛藤、デリケートな問題と向き合い、それを歌にして発散していく。 ヒロインが一番複雑な事情持ちだが、そんな事は意も返さずに今日もヒロインは歌い続けていく。 [DVD(字幕)] 9点(2014-12-11 06:21:24)(良:1票) |
9. デリンジャー(1973)
《ネタバレ》 「地獄の黙示録」や「ダーティハリー」、「ロイ・ビーン」、「コナン・ザ・グレート」の脚本で知られるジョン・ミリアスが描くギャング映画。 世界恐慌が猛威を振るったアメリカで「ボニー&クライド」と双璧を成した「ジョン・デリンジャー」の生き様を描く。 「ベビーフェイス・ネルソン」や「マシンガン・ケリー」といった名だたるギャングも勢揃いだ。 警察官の死に物狂いの食らいつきに、犯罪者たちは「Gメン(政府の人間)」という呼称を付け警戒した。 物語は世界恐慌の起こったアメリカ。 前代未聞の恐慌がデリンジャーのような犯罪者を産む時代だった。 主人公は何処までも孤独な男だった。 民衆からは支持され、警察からは「社会の敵」として何処までも追いかけられる毎日。 どんなに派手なパフォーマンスをしようと、どんなに逃げようとも、彼の心は本当に満たされていたのだろうか・・・。 中盤の銃撃戦も中々楽しめる。 特に「ボニー&クライド」をガキ呼ばわりできるデリンジャーのキャラクターは良い。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-11 05:50:20) |
10. ディーバ
《ネタバレ》 ジャン=ジャック・ベネックスは「ベティ・ブルー/インテグラル完全版」が凄い面白かった。 この作品も、退屈な部分が多いが最後まで見てしまう仕掛けと魅力に満ちた映画だ。 独特な雰囲気が漂う「歌の花火(淀川長治さんいわく)」とも言うべきサスペンス映画。 ファーストシーンにおける「歌姫(ディーバ)」の熱唱から全ては始まっていた。 タイトルの「ディーバ」の如く、登場人物たちは様々な音に包まれて日々を暮らす。 己の歌に誇りをかける「歌姫」と呼ばれるオペラ歌手、「歌姫」に惚れ込んだ郵便配達員、「波の音」を聞くためにパズルを組み続けるギリシャ人、「シャンソン」を聴きながら仕事をする殺し屋などなど、音に支配されているとも言える人物模様。 物語は静かに進むが、徐々に複雑になっていく事件、一見無駄とも思えるシーンにバラ蒔かれた複数のガジェット(本当に無駄なシーンも多く退屈だけど)、驚愕の真相、二重、三重、四重の追走劇、そして予想もしなかった顛末。 時にはヒッチコック、時にはルネ・クレマン、時にはトリュフォー、時にはフリードキンと様々な監督の“音”が聞こえてくる。 それを包み込むベネックス流の世界観。 正に映画好きが練り上げた、映画好きのための映画。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 21:47:44)(良:1票) |
11. ディア・ハンター
《ネタバレ》 マイケル・チミノによる異色の戦争映画。 一応ベトナム戦争を軸に据えた映画なのだが、最初1時間は延々と主人公と友人たちとの他愛の無い日々を描く。 3人の男はベトナム戦争に徴兵される事となった。 送別会を兼ねた結婚式、乱痴気騒ぎ、最後の鹿狩り・・・戦争とはまったく無縁の彼らが、戦場に送られていく。 本当に他愛の無い1時間・・・それをいつまでも見ていたいくらいなんだ。 彼らの運命を考えると・・・。 1時間たち、舞台はベトナムの戦場に移る。 血まみれで横たわる男、捕虜にされ命懸けのロシアンルーレットと逆襲、脱出。 その後の戦いから解放された者たちの虚無感・・・家に帰った主人公をいつもの仲間たちが暖かく迎えてくれる。 ただそこに“彼”はいない・・・。 戦場から帰って2年、得意の鹿狩りも弾が当たらない。 戦場での恐怖がマイケルを縛り付ける。 共に戦場から戻った友も、代償を負って戻ってきた。 マイケルの友人たちは優しかった。ただ、世間そのものは帰還兵を快く思っていない。 打ちひしがれるマイケル、だが“彼”が生きているという。 マイケルは再び戦場へと戻っていく。国のためじゃない。 自分のため、そして友のために。 ラストはとても悲しいが、最後の最後で彼らの笑顔で締めくくるラストには救いを感じられる。 ロバート・デ・ニーロが完全に別人。 それくらい凄い演技。 病を押して最後まで自分と戦ったジョン・カザールに安らかな眠りを・・・。 [DVD(字幕)] 9点(2014-11-16 18:15:23)(良:1票) |
12. 天使の涙
《ネタバレ》 ウォン・カーウァイの「花様年華」に並ぶ最高傑作の1本。 「恋する惑星」よりコッチの方が解り易いし、面白さはこの作品だろうね。 「恋する惑星」の続編というか、一部になる予定がそのまま独立した作品になったそうだ。 「恋する惑星」では一瞬だけだった銃撃が、今回は派手な銃撃戦も楽しめる。 しかし物騒な町だなオイ。 一人ずつエピソードを紹介し、交錯して行く話だが深入りはしない。 冒頭からして引き込まれるではないか。 男女の会話から回想、一つの家にまったく違う住人が住む。 女はベッドメイキングしてまで痕跡を残さない。女の手の震えが気になる。 そこに男が入ってくる。 どうやらここは男の家のようだ。 女は男に協力する傍ら情報を流し、男はその情報を頼りに標的たちを血祭りに上げる。 夜のトンネルを駆け抜けるシーンは早回しで撮られ独特の雰囲気を醸し出す。 二挺拳銃が一瞬で炸裂するシーンは強烈だ。 殺し屋に保険はない。 友人は悪い奴じゃないし、巻き込まないためにも過去は断ち切るしかない。 殺し屋がいない間に女は過ごす。 酒場の電子音と共に女の肉体が艶かしく揺れるシーンはエロい。脚! 咳き込むくらいなら密室で煙草を吸うな。 後半登場するモウの行動でイチイチ笑う。 金城武は俺を笑い殺す気か。 不法侵入して豚のマッサージから野菜の叩き売り&寝た人間の叩き起こし、無理矢理散髪に腹がくだるまでアイスを食わせるなど迷惑甚だしい。 愛すべき馬鹿。 アイスのくだりから父親のエピソードが出てくるのが面白い。 アイスに火を付けるのって美味いのか? 「恋する惑星」にも出て来たよく似た店とスチュワーデス(死語)の女が、続編というか前作とのリンクを物語る。 一方の殺し屋も取立てが命の取り合いに。 家を直接狙われない不思議。 スタイリッシュなマクドナルドのCM。 金髪女との出会いと別れ。 一方、“相棒”はフラれたショックか一人で喘ぐ。 黒のガーターがエロいっす。 モウは1回死なないくらいじゃないとアカンとちゃうか? ネタが多すぎてツッコミきれねえよ。 殺し屋とのギャップが酷すぎる(褒め言葉)。 怖ええよ金髪アレン。 モウが父親に“誕生日プレゼント”を送るシーンは微笑ましい。 「無断で人の店を開けてはいけないんだ」 当wwたwwりww前wwだwww あのモウがちゃんと働いている姿を見るだけでも思わず感動。 [DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 00:50:07) |
13. デス・プルーフ in グラインドハウス
《ネタバレ》 この映画はマジで映画館で見ないと楽しめない。 最初の1時間はうっかり寝てしまっても、ラスト30分の射精しそうなぐらいの盛り上がりで他の観客に叩き起こされる! それで「盛り上がるまでを見たいな」とレンタル店に行ったりネットで注文したりして楽しむワケよ。 あのクライマックスのカーチェイスはタランティーノの映画を含めても最高すぎる。 髪おろしたゾーイの姉貴に惚れねえ男はホモ野郎だぜ。 何ぃ?女なんて怖くて嫌い?るせえっ!ホモはホモ同士でファ●クしてオナッてやがれ! だが、上記で述べたように前半30分に及ぶダベりからタランティーノに殺意を抱いた人間は“まとも”です。 同時上映だったロバート・ロドリゲス兄貴の「プラネット・テラー」の方が総合的には面白いよ。あれこそ真のB級的感覚で撮られた超A級の映画です。 でも、俺にとってはところどころに危ない匂いが潜む楽しい楽しいガールズトークですよ。 黒髪の姉ちゃんのセクシーダンスにもドキッとする。やっぱタラちゃんはダベるよりもダンスとかアクションやっている時が一番面白い。 70年代のB級的感覚を“装った”この映画。 フィルムのザラ付きやカットが飛んでいる感じ、上映時間も確かにB級的感覚ではあるよ。 だが、何故中盤の“虐殺”シーンをあれだけ待たせるのか。 確かに流れがガラッと変わり「そういう事か」と思わずニヤリ。 でもそれまでが長ーんだよこの野郎! あんなもんせいぜい開始5分で「ハイドカーンッ!実は俺様殺人鬼でしたっーダハハッ」とか殺れんだろーがっ! ヒッチコックの「サイコ」気取りか?あ?オイ?テメエぶち殺されてえのかタランティーノゴラアアアッッ!!!!!・・・・・・・・・と思っていたら後半の盛り上がりで今まで起きたすべてを水に流せるほどの神展開が待ち構えているんですよ。 白黒になったりカラーになったり、 物騒なガールズトークで“詰む”殺人鬼、 白昼堂々写真を撮る変態振り、 アンジェリーナ「表に出ろブス共」、 田舎者=「怒りの葡萄」⇒ジョン・フォード「訴訟も辞さない」、 人身御供にされるチアガールはジョン・マクレーンの娘(「ダイハード4.0」でブルース・ウィリスと共演)、 スタントやるアホウに絡むアホウ、 ダッチVSダッチ、 フルボッコで涙目で最高にスカッとしたぜえっー!!! ・・・という映画です。スタントはスタントにしか倒せない。 [DVD(字幕)] 8点(2014-10-23 19:06:00)(良:1票) |
14. 天使ガブリエルと鵞鳥夫人
《ネタバレ》 イジー・トルンカによる聖職者が欲望に負け身を破滅させる様を描いた作品。 オープニングのアートアニメーションによる「お盛ん」な始まり方してヤる気満々です。 トルンカのアニメーションは恐ろしく滑らかであり繊細だ。 人形の表情はほとんど変わらない。だが、光の変化や効果的な音楽によって人形はまるで生物のように画面を縦横無尽に動き、観客が受け取る表情は千差万別に変化していく。 しかしトルンカもスゲエよなあ。何せ聖職者を天使の格好にしてまとめて“堕落”させちまうんだから。ガブリエルもとんだとばっちりだ。 股間のモザイク(笑) 聖職者が天使のマネで審判を下していく。 そんな聖職者が豊満なナイスバ(ry ・・・麗しい鵞鳥夫人の虜となる。男は禁欲を捨て、情欲へと奔る。しかし夫人のおっぱいは卑怯だ。もっと驚いたのは見開いた眼は本当に鳥みたいな眼!でも眼を閉じるとやっぱりスゲエ美人。 夜這いのシーンは面白い。 猫が発情する中、羽付けた天使が梯子をイソイソと登るんだもの。 夫人もなんてスケスケのエロい寝巻きでお出迎え。受胎告知(物理)。 美しい音楽が余計に笑いを誘う。 だが、情欲に溺れた天使を“天”は見逃さない。 家政婦は見た。 やがて天使は翼も衣類も捥がれ地の底に墜落する。この辺はヤケにサスペンスフルだ。 “天使”を匿うじいさんが策士&赤ん坊LOVEで憎めない。つうか赤ん坊ww 夫人が“天使”の羽を見てうっとりする中、肝心の“天使”は・・・なんてラストがお気に入りです。 [DVD(字幕)] 9点(2014-09-03 19:33:59) |
15. 伝説巨神イデオン 発動篇
《ネタバレ》 皆殺しをさせたら三千世界を天下統一できるほどの演出家、富野喜幸(由悠季)の最凶にして最高傑作。 ただでさえ無機質かつ狂喜乱舞な世界観が、旧作画から新作画に切り替わった瞬間から加速するというのに、俺が見たブルーレイの輝きはますます凄まじさを印象付ける。 何よりも美しく、何よりも残酷で恐ろしい。 それが「イデオン」だ。 破滅的なキャラデザ、メカニックをあそこまで魅せる監督やスタッフの手腕を、枚数制限無しの劇場版で存分に発揮した本作は、ロボットアニメを始めとするあらゆるジャンルのファン必見の映画だぜ。 最初から最後までカタルシスの全力疾走で、悲しむ余裕すら無い。 「人は理解しあえるのか?」という単純かつ複雑怪奇なテーマすら嬲り去り、ひたすら殺し合う登場人物たち。 首が飛ぶ、腕が飛ぶ、星が飛ぶ、銀河が飛ぶ、そして宇宙が飛ぶ。全てを徹底的に破壊つくす。 それをここまで殺りきったのはこの作品しか無いだろうな。 ヒロンの顔面に風穴空けるだなんて! 他の人間木っ端微塵にしといてヒロイン勢だけ残酷すぎる! 中の赤ん坊は生きてんだぜ? こんな死に方・・・嬉しいのかよ・・・満足なのかよ・・・俺は・・・嫌だ・・・! それでもコスモは最後まで戦い続けた。 際限のない戦いを終わらせ、答えを見つけるために。 「こんな甲斐意の無い生き方・・・俺は認めない。たとえそれが、イデの導きであろうともな・・・!」 目の前の理不尽な現実に最後まで立ち向かい、戦った。自分たちで運命を切り開くために。 最後の魂の葬列も、次の「永遠の戦い」への転生でしか無いのであろうか。 生まれ変わってまで人は戦い続ける運命なのか。 それは当事者たちにしか出せない答えだ。 実際に死に物狂いに戦い、生きようとした者たちにしか出せない答えなのだから。 [DVD(字幕)] 9点(2014-05-25 19:13:22) |
16. 天井桟敷の人々
《ネタバレ》 第二次世界大戦下のパリで作られた傑作。 ナチスの支配下でも「映画まではナチスに奪われちゃいない」と叫んだ映画だ。 [DVD(字幕)] 9点(2014-05-18 15:41:25) |
17. 抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
《ネタバレ》 ブレッソンによる収容所・脱獄映画の傑作。 ドイツ軍占領下のパリで、刑務所から脱出を図る主人公の様子を淡々と追っていく。 主人公が堅牢な監獄の中で脱出の準備を進めていく異様なまでの緊張感。 短いショットの連続で退屈させて貰えない。脱出に成功するんだろうけど、本当に無事に出られるのか?と否応なしにハラハラしてしまう。 危機の連続でこちらも息を呑む。それでも意思が揺るがない主人公の強靭さが頼もしい。 紐がロープになるまで、スプーンが鋭利なナイフになるまで神を心の支えにして耐えて耐えて耐え抜く人間の凄さを見せ付けられるような作品です。 [DVD(字幕)] 9点(2014-05-18 14:41:24)(良:1票) |
18. テオレマ
とにかくパゾリーニが苦手という方に「奇跡の丘」「カビリアの夜(フェデリコ・フェリーニ監督)」等と共にオススメしたい作品。 [DVD(字幕)] 9点(2014-05-05 17:49:24) |
19. デッドエンド(1937)
《ネタバレ》 まずファースト・シーンが印象的だ。 街の景観を斜め上から捉え、一見澄み切った街から徐々に質素な街の一角へと画面が映る。 街の外から流れる美しい川をたどり、やがて川の上にある小さな貧民街でボロを来て生活する子供たちの集団に出くわす。 貧しさの余り心が荒もうとする子供たち。 川の美しさに目を付けた富裕層の家を、憧れと恨めしさの混じった眼差しで見つける。 坊ちゃんと貧民街の子供たちの睨み合いが印象的だ。貧しさが憎しみに変わる一歩手前。 そんな彼らの成れの果てが、しばらくしてスッーと登場するギャングたちなのだろうか。 貧困から抜け出すために犯罪の世界に足を踏み入れてしまったマーティン。 ストーリーは終始ドラマだけで終わるかと思いきや、終盤の銃撃戦には度肝を抜かれる。 誘拐を決意したマーティン、それを止めようとマーティンの目の前に迫るデイヴ。 豪邸から流れる曲が変わる、冷酷な殺し屋となりマーティンを川に落とす、急死に一生を得て川から這い上がるデイヴ、薄暗い路地裏での緊張、反撃と揉み合い、咄嗟に逃げ込んだ薄明かりが照らす廃屋での銃撃、屋根伝いの追走劇、上を目指し梯子を登るマーティン、地の底に堕ちるマーティン、蜂の巣のように滅多撃ちにされるマーティン、母親の悲痛な叫び、やるせない表情でかつての親友を見下ろすデイヴ・・・。 グレッグ・トーランドの神がかったキャメラの素晴らしき事。 去り際に絶えず母親の窓を見つめ続けるデイヴの表情。正義感を気取っていた彼も、浮気をし、気付けば親友を死に追いやっていた。そんな今の自分への絶望の混じった表情だ。 相手が悪い事をしても「いや、俺がもっとしっかりしていれば」と真っ先に自分の非を考えてしまう・・・そんな男なんだ。そいう奴だから、ドリーナはデイヴに惹かれたと思うのよ。 それに対局を成すようなマーティンを演じたボガートの演技もまた良い。すべてに絶望して「所詮俺の人生なんてこんなものよ」と哀しい表情が胸に迫る。 ギャングの英雄としてではなく、実に呆気なく虚しい死に様だ。顔の変わった彼の死体を見て、かつて彼が貧民街出身の子供だった事など誰も知る由がない。事情を知る母親だけが彼のために声を挙げ涙を流す。 [DVD(字幕)] 9点(2014-03-31 00:54:06) |
20. 天使の顔(1953)
プレミンジャーの傑作フィルム・ノワール。 少ない日程の中、強行的な作業と速さで映画を完成させたプレミンジャーの演出が凝縮された1篇。 狂った歯車はどんどん加速する。堕ちるところまで堕ちていく己を冷徹に見続けるロバート・ミッチャムが最高です。 ジーン・シモンズの殺人的な「天使の顔」は卑怯だ。 [DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 17:45:55) |