21. トム・ハンクスの 大迷宮(TVM)
《ネタバレ》 近所のビデオ屋にあったので借りてみました。トム・ハンクスが大好きな私でも結構面食らうような作品でした。むしろ若かりし「スプラッシュ」前のハンクスの演技を拝む事が出来るという部分だけに意味を感じる作品です。ゲームの世界から抜け出せなくなってしまう学生の役を淡々と演じているのですが、シナリオも弱く、最後が救われないので「なんだよー!?」と何ともガッカリしてしまいます。大ファンならコレクションの意味で持っていてもいいかと思いますが、何度も見返したりする作品ではないかもしれません。むしろコリン・ハンクスにオヤジの映画のリメイクをお願いしたいのは「スプラッシュ」から後です。 [ビデオ(字幕)] 3点(2006-07-11 12:06:52) |
22. トレインスポッティング
ダニー・ボイルの中では唯一面白い映画じゃないでしょうか。独特のテンションの高さも、嫌悪感無く付いていけるのは、きっと自分がもう30間近で、将来に不安になっている青春時代を客観的に観られたからだと思います。仲間や環境によって、その不安をヘロインや強盗に逃げる人もいるだろうし、そんな彼等が暴走する様を興味深く見られました。ダニー・ボイルの選曲はあまり好きじゃないですが、この作品とはマッチしていました。あと出演者が上手い。主演のユアン・マクレガーも熱演でギラギラしているので、何か微笑ましかったですね。幻覚を見るシーンで、赤ちゃんが天井を這ってのは悪夢!死んだ赤ちゃんの表情も悪夢!「レクイエム・フォー・ドリーム」のように注射のヤリスギでボロボロになった腕を見せられないだけマシでした。93分でまとめたテンポの良さもポイントですね。 [地上波(字幕)] 6点(2006-07-09 14:02:03) |
23. となりのトトロ
まず説教臭くないから好きです。子供は子供の目線で無理なく楽しめるし、大人は童心に返って楽しめる。トトロなんて生物いるわけないと思ってるのに、いたらいいなと思わせる。利便性を求め進化した世の中なのに、昭和の臭いを残した田舎に懐かしさを感じる。ネコバスなんて本当にいたら怖くて乗れないけど、乗って冒険に出たらきっとハラハラドキドキで楽しいだろうなと思わせる。他のジブリ作品より遥かにストーリーは薄い。でも、だからこそシンプルに楽しめる。おだやかな夏の晴れた日にふと観返したくなる傑作だと思います。 [地上波(字幕)] 8点(2006-06-19 18:23:21) |
24. 逃亡者(1993)
《ネタバレ》 トミー・リーがカッコイイ!完全に主役を食ってしまっていますし、そりゃオスカー獲ってもおかしくないかな?って思います。展開もハラハラするし、少し終盤緊張感がたるみましたが、それでも2大スターの鬼ごっこがこれほどまで面白いとは思わなかったです。個人的には最後に車の中で手錠を外してあげるシーンが最も好きです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-19 15:39:39) |
25. 12モンキーズ
《ネタバレ》 ブルースウィリスが好きで「ダイハード3」より後に観たのですが、バッドエンドにガックリきたのを思い出しました。展開は面白いし、ぶちきれた演技をするブラピもステキでした。マデリーン・ストウって歳より若く見えますね?製作会社を納得させる為に揃えたキャストらしいですが、皆本当に怪演で見入ってしまいました。ギリアムの希望通り主役がニック・ノルティだったら多分観てませんしね(笑)ブラピのおしりに+1点。 [ビデオ(字幕)] 5点(2006-02-03 16:34:34) |
26. 突撃(1957)
反戦映画としても勿論傑作ですが、88分という短い尺の中で、映画の中に必要な最小限のシーンだけで構成されているので映画自体も本当に完成度が高いと思います。ただキューブリックは反戦のメッセージは伝えているものの、カーク・ダグラス演じる大佐や、銃殺される3人に対して感情移入をわざとさせないような撮り方をしている気がした。だからこそ「神の視点」と呼ばれるのかなもしれないなと思いました。ただ、ラストの捕らえられたドイツ人女性役(クリスティアーヌ)の歌声や、あのシーンを観てて伝わってくる何とも言えない気持は、とても冷徹非情と呼ばれたキューブリックの撮ったシーンという感じはしない。だからか、観てて辛くなるシーンが続くこの映画もキューブリックファンとしては繰り返し観たくなるのかもしれない。 ジェラルド・フリードのドラム音を中心とした音楽も「非情の罠」「現金に体を張れ」と同様で初期のキューブリック映画との相性の良さを感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2006-01-14 23:52:39) |
27. ドラムライン
《ネタバレ》 この主役のニック・キャノンて男性はカッコいいですね♪なんかウィル・スミスっぽいなあと思ったら案の定「ポストウィル・スミス」と呼ばれているそうです(笑)ラッパーとしても、またバラエティーの司会としても幅広く活躍されているそうです。 青春モノお決まりの作りではあるんですが、マーチングバトルの迫力が物凄く、特に同点1位の2つの大学のドラム対決はまさに真に迫る迫力で圧倒されました!ただでさえあの連打が難しいのに、歩きながらとかバチを投げたりとかリズム合わせながら隣の人の太鼓叩いたり、見てると錯覚で「あれ、俺も出来そうだな」とか思う所が怖いです(笑) 金にモノを言わせるライバル大学のボスが、確執から一時辞めさせられた主人公を受け入れる代わりに「スパイ」として雇おうとするあたりが人間的で嫌でしたねー、ああいう事って本当にありそうですし。 たかがバンド、されどバンドって感じで「チアーズ」を初めて観た時のような興奮がありましたね。勿論男がだいたい好きな、男同士の友情も満載。チームをまとめるリーダー役の男が、主人公のデヴォンの怠慢ぶりと才能に嫉妬し確執を持ちながらも、最後には和解し、協力して曲を作ったり。ああいう展開はお約束でも好きなんですよねーー♪デヴォンの彼女がリーダーを務めるダンスチームの演技も見事です! [DVD(字幕)] 8点(2005-10-12 12:01:00) |
28. ドーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 あのジョージAロメロ監督の「ゾンビ」がどう甦るのか?と思ったら、登場人物などは変わったものの、ショッピングモールに閉じこもりながら脱出を試みる人間ドラマであり、ゾンビとの壮絶な死闘という意味では上手くつなげていたと思います。亜流のゾンビが多い中、ロメロ監督に尊敬の念を置いて作られたと思います。 よく、ローランドエメリッヒ監督の「ハリウッド版ゴジラ」を観て、日本のゴジラファンが「あれはゴジラじゃない」と抗議したように、私も始め、今回のこの映画の『走るゾンビ』には戸惑いがありました。ゾンビの定義はノソノソと集団で襲うというイメージがありましたので。しかし、いざ観てみるとこれはこれでやはり迫力が増して怖い・・・。 主演のサラポーリーが旦那とラブラブだったのは冒頭の10分だけで、直ぐに愛する人間が自分に襲い掛かってくる葛藤との戦いが始まります。テンポもよく、登場人物の背景も上手く描かれていて、「ゾンビ」と比べるのは好きじゃないですが、「もう1つのゾンビ」という意味では中々良かったのではないかと思いました。 ネタバレになりますが、特に最後トラック2台で港まで向かうシーン。あまりの数のゾンビにトラックが囲まれるシーンの恐怖や、無数のゾンビが全速力で襲い掛かってくるシーン。そしてチェーンソーでゾンビに立ち向かうはずの人間が車の揺れによって仲間を誤って切り刻んでしまう衝撃。全てが緊迫感に溢れていました。鬼畜さ、残酷さよりもむしろ、生き残る為の必死さが描かれていて、私はゾンビ好きとしてこの映画、結構好きになりました。ただ、ちょっとポップ過ぎる音楽はサントラに合わないような・・・(苦笑)でもそこを差し引いても7点はあげたい。全速力で何百人のゾンビが襲ってきたら、誰がどう言おうと怖いでしょそりゃ(笑) 7点(2004-11-16 00:02:23) |
29. ドリームキャッチャー
《ネタバレ》 この映画、観れば観るほど味があって面白く感じます!ジョンジーのとり付かれた時の満面の笑み、遅れてきたヒーローのダディッツ。そしてウナギランゴリアーズとの最終対決。「いったい何が来るの??」と思わせず初めから「エイリアンの死闘!」みたく書いていればこんなに酷評にならなかったはずですよねー。しかし、モーガン・フリーマンは本当に名前を貸した感じで…。良く宴会芸で「ちょっと、ドリームキャッチャーやってよー」と言われて、ジョンジーの笑顔と「ぼーく、ダディッツ!」で場を盛り上げさせてもらったので、お礼も込めていい点付けます! [DVD(字幕)] 6点(2004-09-23 14:37:39) |
30. 時計じかけのオレンジ
始めはひたすら残酷で、途中からは切なく、そして最後には再び怖くなる映画です。あまりに衝撃的だと言われたこの内容は、現代の世の中の「鏡」のように映し出されています。物が豊かになり過ぎた現代、人の心の豊かさがそれには付いてゆけず退廃してしまった過程と結末。 強調して描いてる部分も多いのですが、どこか「切ない」と思います。主人公アレックスが何か気の毒に思えてしまうのです。悪い事はしてきたが、その結果が政治的圧力で行われた「強制実験」におけるモルモットで、そして家族も仲間も失ってしまった。 「時計じかけのオレンジ」なるほど、みかん自身も自分の意志に関係すること無く、環境によってすぐに腐ってしまう。人間も環境によって腐ってしまう。近未来への警鐘が、何か現実味を帯びてしまいすぎて、衝撃的に感じない自分も、どこか怖いのであります・・・。 8点(2004-09-22 18:42:35) |
31. ドクトル・ジバゴ(1965)
《ネタバレ》 ロシア革命の時代を舞台に、詩人であり医者でもあるジバゴと、妻であるトーニャ、ストルニコフというジバゴの父の遺言執行人である男と、その男が関わっていた家庭の娘、ラーラを中心として描かれる物語。愛する者が素直に一緒にいられない時代を、戦争や過酷な社会情勢を織り交ぜながら、またあまりにも有名な「ラーラのテーマ」の音楽や、ロシアの雪原をダイナミックに描き出した演出で壮大に描かれています。 描き方の丁寧さに加え、主演3人の熱演も光り、本当に3時間20分があっという間です。もっと難しいかなと思っていましたが感情移入出来た中盤から後はずっと食い入ってしまいました。特にラーラ演じるジュリークリスティーの瞳のなんときれいな事!そしてジバゴの大きな目が、時代に翻弄されず我が道をゆく強さとも重なり本当に見事なのです! 冒頭とラストが繋がるのですが、ジバゴとラーラの間の娘とおぼしき女性に話を聞く、ジバゴの兄との話し合いから始まるのですが、いい人と悪い人なんてあまり無いのかな?と思わせます。革命時の思想の違いだけで命まで狙われる時代、平和な世の中しか知らない私にとっては、本当に過酷に感じ、その中でも愛を信じ続けた3人には共感してしまうのです。是非ご覧になっていない方は1度見て頂きたいです!!音楽も映像も凄くキレイ! 8点(2004-09-22 17:37:05) |