1. 共喰い
《ネタバレ》 性交中、女を殴る事が性癖の男の息子・・ そんな父に普段は反発しながらも、女性と行為に及ぶと血は争えない所が出てしまう・・。 拭えない『何か』に途方に暮れてしまう、主人公演ずる菅田将暉が実に素晴らしいです。 一見、穏やかに感じますが、何かどんよりとして深みにハマったら抜け出せない粘着性が ある映像、雰囲気が自分にハマったのか片時も飽きる事無く観れました。 前半は男との関係に翻弄、引きずられたまま生きている女性キャラ達が 後半は『殴られた』女性がみんなさらに逞しくなっていき 男が置いてけぼりを食らわされてる感じが妙に滑稽・・ ラスト前のセックスの光景は、もう吹いてしまいました。 女優陣も見事としか言えない存在感!田中裕子の母親はより映画に厚みと説得力を持たしてました。 もちろん、どうしようもない男だし、すべての『元凶』なのにどこか憎めない父親役の光石研も素晴らしかった。 最後に・・いくつかある食事シーンが、どれもこれも、すごく印象的でした。 いい食事シーンがあると個人的に『いい映画』の確率が多いです。 [映画館(邦画)] 8点(2013-09-08 14:30:38) |
2. ドロップ
《ネタバレ》 確かに初監督とは思えないアクションシーンの見せ方とかは素直に感心。時たま見せるケリとかすごくキレイで見入る瞬間もありました。役者もすごく好演してると思います。ただ・・井筒監督の『ヒーローショー』観た後だから余計に感じてしまったこの映画の最大の違和感ポイントがあります。すでに指摘がありますが金属バットや金具で頭や腹とか諸々を思いっきり殴ったら、軽い怪我じゃすまないのでは・・冒頭で水嶋ヒロが演じる達也が金属バットで相手の頭を完璧に振り切って殴打、しかし殴られた男は別のシーンではあたかも何事も無かったかのように普通に出てくるし・・。あるベテラン役者さんが『(最近の暴力を扱った映画に関して)暴力表現は中途半端に描くほうが、よっぽど罪悪~そちらの方がとても危険だ』とコメントされてましたが、まさに・・。クライマックスの集団でのケンカはほぼ全員がパイプとか武器を持ってボコスカ殴ったり、殴られたりされたのにヒロシ達は大したケガとか無い上に、ヒロシは少し痛がる程度でそのまま帰宅って・・さすがに引きました。そういう所が観る上で相当、ノイズになってしまいました。あとお笑いの所ですけど突っ込み役のヒロシに常に思った一言『ヒロシうるせぇだまれ』。いちいちお笑いの所をヒロシが説明するように突っ込みを繰り返すのはとにかく邪魔に思えました。特に緊迫した状況でそれをやられるとなぁ・・それ以前に面白くないですし、役者が演技で色々表しているんだから丁寧にそれをみんな言葉でなぞる必要なし!後は終盤で世話になっている兄貴分のヒデオの死をあれだけ劇的に目の当たりにしたヒロシがその後、達也と再びタイマン張るときに言うセリフ『人は簡単に死なないだろ?』・・あのシーンの後に言うセリフかよ!その前に身近な人が簡単に死んだろーよ!そのお陰で全くラストの余韻が台無し。結局、ヒロシは本質的には何も成長していないと感じてしまいました。まぁすべてがダメと片付けられない部分も結構、ありましたので品川監督の腕は感じますけど、上記で述べた指摘が完全に映画をダメな方向に引っ張られて残念。『人は簡単に死ぬぜ』 [DVD(邦画)] 4点(2010-06-28 03:16:32) |
3. 時をかける少女(2010)
《ネタバレ》 正直、観る前は良作を期待していなかったのですが、実際に観たら思った以上の出来となっていて、とても良かったです。基本的な物語は大林版のその後のような感じに取れます(もちろん別の物語ですが)。 弓道シーンとかラストシーン近くの深町とすれ違うシーンとか大林版にオマージュを捧げています。 その上に声はアニメ版の主役の真琴の声の仲里依紗なので 彼女が明るく振舞い笑う所は細田版の真琴の感じにも見えて嬉しくなります。 1970年代の雰囲気を丁寧に再現していて、『あの時代』感は概ね出していると思いました。まぁ母親の芳山和子がタイムリープの薬を作り出してしまうトンデモ展開やタイムリープ・シーンの微妙なショボさ、西暦2600年の世界のチープさとか諸々、引っ掛る所はありましたけど些細なレベルとは思います。仲里依紗が『大人の女性の役は今後も出来るけど、学生の役は今しか演じられない』と語るように彼女の今しか出ない輝きをこの映画は見事にパッケージングしてるので実に魅力的・・相手役の中尾明慶の素朴な映画青年の役は見事にハマっていて、現代風のややアクのある女の子が彼の存在感のお陰で、いい具合に中和され異色カップル感が見ていて微笑ましいものになっていました。終盤では母・和子の想い人、深町との再会は大林版を観た立場ですとグッときますが娘のあかりは悲劇的な現実に向き合います。歴史を変えてはいけないどうしようもない無力感のまま、あかりの記憶を消されるシーンは切なさこの上無し、そういう残酷な現実をキレイ事でお茶を濁さず描いたのは好感持てます。そして『映画』との再会に導かれた『約束』の桜道のラストの切なさと爽やかさが入り混じった余韻は素晴らしい・・かなり健闘していると思います! [映画館(邦画)] 8点(2010-03-13 20:18:48)(良:1票) |
4. トロイ(2004)
《ネタバレ》 私はギリシャ神話等の昔話はあまり詳しくないので元ネタに惑わされる事も無く 普通にこのスペクタル超大作を堪能出来ました。 あの、これでもかと出る大軍シーンでお腹一杯の上、ブラピアキレスかっこ良過ぎで釘漬けです。 トロイ王子のヘクトルもアキレスとは対照的なキャラですが実に素晴らしく映画をしっかり支えていました。 ピーター・オトゥールも良かった・・ とはいえ163分もありながらアキレスというキャラを描写しきれてないような気もします。 トロイへ向かうのは名を残す為と言いながらいまひとつ、そこの裏付けが見えてこなかったり、 トロイ突入も女の為に結果、向かうのが分かりますが、 そこに至るまでのアキレスの心理が垣間見えて来なかったので唐突に感じました (もちろん、木馬に乗るのは分かっていましたが) 結局、どういう男だったのかなんか不鮮明で惜しい・・。 で、一番の原因を作ったバカ王子は単なる我侭の軟弱クン以外、何者でもなかったです。 後半あたりでいつの間にか男をらしさを出しますが、 なんか薄っぺらく見えてムカムカしました。しかもまぁ、離れた所から無防備なアキレスに弓をピュンピュンと打ちやがって・・ せめてアキレスの腱を射抜いた後にでも兄貴同様、アキレスに正面から挑んでスパルタ王との 不甲斐ない決闘や自分の無責任な行動のせいで大戦争になった汚名を少しでもヤツが挽回出来たら、まだ納得行きました。 話の流れ上、ある程度は予測していましたがやはり腑に落ちない決着の付け方でした。 しかも大元の原因・軟弱クンは図々しく生き延びてるし・・ 色々と惜しい部分もありましたが163分を飽きさせずに見れたテンポの良さは評価したいと思います。 7点(2004-10-28 23:45:31) |
5. 東京ゴッドファーザーズ
鑑賞後の後味もとても良かった秀作アニメでした。ご都合主義の連続もこの作品を引き込ませる重要な要素として生きてますし清子がもたらした奇蹟という匂わせ方で解決してます。実写ではこうはなかなか行かないでしょうがアニメならではの幻想的な雰囲気がすべてを必然とさせてます。 今監督ですから良質な作品を提供してるとは思っていましたが、キャストが声優初挑戦の人達でよくある宣伝重視の下らないキャスティングと当初、思えました。でもその評判の良さにつられて意を決して見ましたがもうこのキャスト陣が素晴らしい!特に梅垣氏のオカマのハナは絶品でこの人以外、誰が出来るんだよと思ったくらいです。江守氏のせこい酔っ払いオヤジも聞いていてジ~ンと身体に染みてくるたまらない味があります。ミユキの岡本さんは知らなかったのですが職業声優さんとは違う声のやや不安定な部分が逆にリアルに聞こえて良かったです(勿論、他のプロの声優さん達もガッチリ脇を固めていて見事でした)こういうキャスティングなら大歓迎(某自転車アニメの小池○子は論外)こういうアニメこそ色んな層の人に見て欲しいなぁ・・。 9点(2004-05-30 17:49:04) |
6. トゥルーライズ
アクションのド派手っぷりは見応えあっていいのですが ストーリーはちょっとおふざけが過ぎるかなという感じがします。 たまに見るとなかなか面白かったりします。 6点(2003-11-02 09:14:01) |
7. トレマーズ
かなり好きな映画です。主役2人のグチりながらの掛け合いが楽しくバケモノに襲われそうな緊迫した時にもユーモアさがあって笑えます。ジョーズより気に入ってます。個人的には内海賢二さんと安原義人さんのビデオ版の吹替えがDVDに収録していれば最高でした。 8点(2003-08-27 01:58:09) |