1. 翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜
《ネタバレ》 一言でいえば欲をかきすぎたな、と。原作は作者の魔夜峰央が転居した先の埼玉を独特のセンスでおちょくった作品でしたが、東京を頂点として関東のパワーバランスを上手く描いていたその原作を上手く料理し膨らませた前作と比べたらだいぶ落ちた感じ。 「阿久津はどうした?」とか関西人の粉もの好きっぷりや都会人を装いながら田舎出生なのを偽る行為を産地偽装などところどころ面白いし、甲子園のスコアボードの名前など小ネタも満載。さすが歌舞伎役者と思わせる片岡愛之助の大阪府知事の嘉祥寺、杏の滋賀解放戦線の桔梗などキャラも良い感じなんですけどね。大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀と次から次へネタを入れてたけど多すぎて散漫になってたな。素直に埼玉全員で乗り込んで滋賀と組んでvs大阪でも良かった気がしますね。そこに高飛車で我関せずな京都や神戸や奈良をひと嚙ませする程度の方がわかりやすかったかも。前作がまさかの大ヒットで作られた二匹目のドジョウでしたがちょっと厳しかった。ただまあ、関西の方々が喜んでくれたなら地方創生にはなるかも知れませんね。 [映画館(邦画)] 4点(2023-11-23 23:59:21) |
2. トランスフォーマー/ビースト覚醒
《ネタバレ》 TFは映画しか観てません。 新しく登場したビースト勢の活躍がイマイチだった気がしますが、作るごとにゲンナリしたマイケル・ベイから切り離したのは正解だったと思います。主役カップルも美男美女ではなく親近感がわきそうなヒスパニックなのもご時世ですね。オプティマスがいつもどおり最後だけ強く残虐でしたが、敵も味方も面白みがあり新しく観てくれそうな方々へちょうど良い塩梅なわかりやすいお話だったと思います。ただ、最後にGIジョーとくっつけたのは英断かも知れませんけどポカーンだった方も多かったのでは。 [映画館(邦画)] 6点(2023-09-23 14:37:13) |
3. トップガン マーヴェリック
《ネタバレ》 予告編はあまり面白そうに感じませんでしたけど冒頭の『Top Gun Anthem』でヤられましたね。コレのおかげでスっとあの世界に入っていけたし、レイバンのサングラスをかけ、あのフライトジャケッを着て、カワサキのバイクで疾走とお約束も押さえているし、CGに頼らず本物にこだわる迫力ある映像とエンターテイナーっぷりでさすがでしたわトム・クルーズ。「教官だけどどうせ先頭切って現場行くんだろうな」とか「ココで助けに入るんだろうな」とか思いながら観てましたし、作戦はデス・スターを思わせる内容で笑いましたが、撃墜されても生きてるわ、攻撃ヘリに追いかけられてるわ、敵基地に忍び込んでなぜかスタンバイ完璧状態になっている元愛機F14を強奪するわ、終盤はイーサン・ハントかトム様かと思う活躍ぶり。話にならないほど性能差のある最新戦闘機を亡き相棒グースそっくりな息子ルースターとの名コンビっぷりで撃墜させるし、もうダメだと思ったら作戦に選ばれなかったハングマンが救出に登場。反発していたルースターと生きて帰還し心を通わせ、最後にはペニーをゲット。アイスマンとの再会と別れは良かったし、前作を観ている人を納得させる作りになってるしトムのファンも満足じゃないですかね。「こういうのでイイんだよ」というお手本のような娯楽作品で楽しめました。ドローンが登場しパイロットの必要性が問われる時代が来そうですが、生き様や凄みを感じさせるパイロットたちはカッコ良かったです。 [映画館(字幕)] 7点(2022-06-01 00:21:06) |
4. ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
《ネタバレ》 原作未読。MCUの配信ドラマも一切見ておりません。配信の『ワンダヴィジョン』を見ないとどうかなと思いましたが見なくても十分理解できました。理想の家庭を夢見るも叶わず闇落ちしたワンダの狂気の大暴れっぷりとライミのホラーテイストがなかなかハマってました。別世界のストレンジの死体をしまったところで「あとでコレ使うのかな」と思いましたが、最終的にゾンビvs魔女になるとは思いませんでしたね。さすがライミ手慣れたものでした。ワンダも顔中血まみれでズンズンと追いかけてくるさまはまさにホラーでキャリーのようでした。超能力や不幸な育ちと最後というのも同じだな。予告でチラ見せし予想されてたプロフェッサーとイルミナティの登場は「おおっ」と思いましたが、凶悪なヴィランと化したワンダを見せつける生贄として圧倒的な力で皆殺しにしたのは良かったです(ぶっちゃけ、もっとヤれと思いました)。しかしまあ、生い立ちや両親や弟やヴィジョンを失うなど辛い目に合いまくってたワンダも不憫なキャラだったけど救済されることなく封印。最後にヴィランとしてとんでもない爆発振りを見せましたがファンも多いだろうに残念な終わり方でしたね。今後再登場はあるんでしょうかねえ。 ストレンジはダーク・ホールドを利用した影響で第三の眼が開いてしまうが、エンドロール中では使いこなしてるかのように装ってるのが引っかかったな。呪いで苦しむのかと思ったらただのパワーアップイベントになってますね。まあライミお馴染みのブルール・キャンベルも出てるし楽しめましたけど、そろそろマルチバースはお腹いっぱいかな。 [映画館(字幕)] 7点(2022-05-04 23:12:17)(良:1票) |
5. ドクター・スリープ
《ネタバレ》 原作未読。アレからどうやって繋げるのかなと思ってたら思いのほかエンタメ作品でした。超能力『シャイニング』を持ちながら幼い頃の出来事でトラウマを抱えたまま大人になったダニー、同じく超能力を持ち児童失踪事件を【視た】少女アブラが事件の真相を探っていく。 超能力を持つ人を狙い生気を吸い取って生き永らえてきた邪悪な集団との超能力バトルはなかなか面白かったです。初遭遇で相手の親玉ローズをトラップにかけ盛大にやり込めたアブラはどこまで強いんだろうと笑ってしまいました。とはいえその集団は老若男女様々いて思わせぶりに余裕ぶってはいるものの、普通に人間の世界で生活していて物理攻撃でダメージを受けあっけなく死んでいくショボさで能力もよく分からないままだし微妙でした。死に際に乗り移ってダニーの親友をヤリましたけどちょっとした能力者が銃を持った人と組めば速攻で壊滅できそうだし、貯めていた生気を全て吸い込みドーピング状態のローズ相手でもダニーとアブラなら余裕で倒せる気がしましたけどね。 終盤になってあの忌まわしいモノが集うホテルになりますがファンサービスというか名所めぐりというか物見遊山的なワクワク感があって面白かったです(というかホテルであの連中を順番にさまざまなバリエーションで始末した方が画的にも面白かったような気がします)。結局、ダニーは閉じ込めておいた亡者を解き放ちローズを仕留める道を選んでしまうワケですが、作戦的には微妙だったけどあの自己犠牲の選択は悪くなかったな。放浪の末たどり着いた町で天職と思えるホスピスでの仕事に就く。末期患者に寄り添い安らかに眠るように導くことからドクター・スリープ。今後はかつて彼がしてもらったようにアブラを導いていく役回りなんでしょうね。まんまオビワンか。 [映画館(字幕)] 7点(2019-12-04 20:11:22)(良:1票) |
6. 翔んで埼玉
《ネタバレ》 原作既読。的確かつ辛辣でありながら緻密で耽美な画とセンスの良い台詞回しで嫌みを感じない原作でしたが、深夜番組の紹介から火がついたとはいえまさか映画にまでなるとは思いませんでした。BLという言葉すらない時代からアッチ方面を書き続けてきた魔夜峰央でしたが、SF、オカルト、ミステリー、時代劇、そしてギャグとオールラウンダーでセンス抜群でしたので時代が追いついたのかな、と思いますね。 主演の二人である二階堂ふみは百美そのものだったしGACKTは浮世離れした雰囲気なので独特な魔夜峰央ワールドにハマってて違和感がなかったです。原作のその先を描いていて埼玉の長年の宿敵(?)である千葉を絡め東京を中心に関東近辺をネタにしたのは正解で魔夜一家勢揃いの冒頭からしてなかなか良かったです。埼玉の人は海が欲しくて茨城の大洗から海水を引こうとトンネルを掘ったら淡水が出たとか、それを掘っている埼玉の人々が千葉の人に捕まると体中の穴という穴に落花生を詰められて九十九里浜で地引き網を引かされるというくだりは場内大ウケで私も大笑いしました。関東近県じゃない方が観るとどうなのか分かりませんが、関東第3位争いしている同士が争いつつも結託して首都東京への怒りを爆発させるなんてバカバカしくて面白かったです。ディスるという言葉がありますが、愛があるイジりだしこういうノリの映画が許される時代になったんだなと思いました。埼玉と千葉の方は寛大な心で観てやってください。 [映画館(邦画)] 7点(2019-02-27 23:01:49) |
7. トランスフォーマー/最後の騎士王
《ネタバレ》 無駄に挟みまくる滑りまくりなギャグやトークがことごとく面白くないので入り込めないですね。場面転換もブツ切りだらけで入りもいい加減なので凄く観づらかったです。前作でも思いましたがトランスフォームが凄く少ないのも致命的。話も映像もゴチャゴチャしてて何を見せたいのかよく分からなくなったな、と。 トランスフォーマーが大昔から人類の歴史的出来事に介入してきたというのも悪くはないモノの限度を超えたしつこさと大胆さだったので飽き飽きしました。3作目「ダークサイド・ムーン」のアポロ計画くらいの加減で良いのに悪乗りしたなという印象。そういった点がやたら目立つので映像は凄いけど楽しめませんでしたね。 [映画館(字幕)] 3点(2017-08-29 22:17:29) |
8. ドクター・ストレンジ
《ネタバレ》 原作未読。ビルや街が歪んだりパタパタと畳まれていったりと戦闘中の映像は万華鏡を見ているかのようで面白い。でもそれも冒頭のエンシェント・ワンとカエシリウス一派の戦いくらいで、後は同じようなパターンなのと格闘が見づらく何をしているか分かりにくいので驚きはなかったな。全体的に物語が性急で進むし敵に魅力が無く最後の戦いも盛り上がりに欠けた。傲慢だが神の手を持つ元天才外科医の魔術師ドクター・ストレンジ役のカンバーバッチは品があってハマってましたね。ティルダ・スウィントン演じるワンは見た目や立ち居振る舞いも良いし冒頭の戦闘を見る限り相当有能なのかと思いきや、ストレンジの能力を読めないわ、弟子には続々と裏切られるわ、最後にはあっさり逝くわで最高の魔術師?という感じだった。長く闇の勢力と戦ってきて疲れがあったのならそこら辺も描いた方が良かったな。曲がったことが嫌いな兄弟子が急激に闇落ちするのも違和感あったしイロイロと説得力が無かった。「アガモットの目」と呼ばれる時間を自由に操れるアイテムや闇の力を使ったリスクもあるようだけど描写が薄くて分かり辛い。調べてみたら原作とはかなり変えているようだけどマーベルならもうちょっとどうにかできた気がする。 しかしまあ数多くいるマーベルヒーローですがついに時空をも操るタイプが登場しましたね。超自然の脅威に対抗する裏の存在とはいえ明らかに異質な能力でチートといって良いレベルのスピリチュアル魔術師ドクター・ストレンジ。それだけ強大な敵が多く出てくるんでしょうけど他のメンバーとどう絡んでいくのか楽しみです。 [映画館(字幕)] 6点(2017-01-29 01:18:56)(良:1票) |
9. ドント・ブリーズ
《ネタバレ》 寂れた町の一軒屋にすむ盲目の老人の家に強盗に入る男女三人組。仕事は楽なはずだった、という舐めてた相手が実は凄かった系のお話。面白そうな雰囲気はあったけど色々と雑だった。タイトルが「呼吸をするな」なので呼吸が肝になるのは分かりますが呼吸にこだわったのが難点でもあった。家に侵入して廊下でアレックスが歩いてきた老人をやり過ごしたシーンがありましたが、絵面的には良い演出のつもりなのかもしれないけど老人が無反応だったので「あー、感性鈍いんだなこの人」と激しく萎えました。視覚が失われた代わりに嗅覚、聴覚、触覚なんかが研ぎ澄まされているのかと思ったらそんなコトも無く、たまに思い出したように侵入者たちの足音や物音に反応して銃をぶっ放し捕まえたら殴るか首絞めるだけの演出もワンパターンで凄さも恐怖も感じなかった。地下室に加害者の娘を拉致監禁して自分の娘を生ませようとしていた辺りの話は尺稼ぎの蛇足でしかないし丸々カットで良かったな。戦争で失明し妻には先立たれ愛する娘は事故死という不幸の塊のような老人が、あの地下室での狂人じみた行いのせいでどっちつかずになってしまった。老人側に立って観ていたた客もどうしよう?って思っただろうな。まあ超感覚の持ち主の盲目老人がヤラれる側になる可能性を考えてない若造どもを締め上げる映画なんて思っちゃった人はガッカリでしょうね。 [映画館(字幕)] 4点(2016-12-27 23:20:12) |
10. トゥモローランド
《ネタバレ》 世界中の人を虜にしているディズニー。その世界を構築したウォルト・ディズニーが生前に構想を練っていたという未来都市計画。その夢を受け継ぎ、世界の名立たる天才が作った全てが可能になる未来(別次元)世界トゥモローランドという設定が本作。 発明大好き天才少年フランク、数十年後の悲観的な引きこもり中年フランク、知的でイケイケのポジティブ女子高生ケイシー、謎の少女アテナとキャラが立っていて世界観も良いので物語に入りやすかったです。特にアテナ役のラフィー・キャシディは60年代の舞台設定もあってかオードリー・ヘップバーンを思わせるノスタルジックなキュートさでとても可愛かったですね。未来都市の世界観や中年フランクのからくり屋敷や随所に出てくる各種小道具のギミックやビジュアルがよく出来ててワクワクしました。イッツ・ア・スモール・ワールドに入口が隠されているという設定も面白く、今後秘密のアトラクションとして入れるのもアリなんじゃない?と思いましたがディズニーの人どうでしょう? まあ終盤は取ってつけたようなベタな理由で失速感がありましたが思いのほか楽しめました。最後は夢と希望に満ち溢れた人材が世界から集まり地球は滅亡せず、全てが可能になる世界を築くコトが出来たんでしょうね。実社会においても諦めずに夢と希望を持って前向きに行きましょう。 [映画館(字幕)] 7点(2015-06-09 01:14:47) |
11. トランスフォーマー/ロストエイジ
《ネタバレ》 もともと口調は荒っぽかったし、vsディセプティコンにはエグいコトをしてましたが、命を狙われたとはいえオプティマスの人間への攻撃も容赦なかったな。逆に無抵抗なラチェットが信じていた人間に無残なくらいに破壊され惨殺されてるは悲しくなりました。まあアレを観たらオプティマスの行為も納得できますが思い切った演出でした。 トランスフォーム(これ重要)が少ないのが気になりましたし、冒頭で登場を匂わせながら暴れだしたのは終盤のわずかな時間だった恐竜型トランスフォーマーのダイナボットが消化不良なのと、彼らをどうやって宇宙船に捕えていたかなど気になるトコが多々ありますが2時間45分の長丁場をよくまとめたなという印象。あと、毎度オプティマスはボッコボコにされて、相手が他に気を取られている時に不意打ちして勝利!ってパターンな気がするので、たまには真っ向勝負して勝って欲しいかな。創造主の元へ単独で飛んでいきましたが続きが気になります。 中国資本がだいぶ入っていて終盤の香港では中国人しか理解できない(喜びそうもない)シーンが満載なので、全世界向けに入れろって契約なら仕方ないですけど、スポンサーの顔を立てて入れたシーンをカットしたインターナショナル版と中国版で分けても良かったんじゃないかなと思いますね。一連のシーンはだいぶ浮いてたので、無い方が締まって見える気がします。 [映画館(字幕)] 5点(2014-08-10 00:32:19)(良:1票) |
12. 飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲
《ネタバレ》 正当な続編と煽っていますが辻褄が合わないトコが多すぎますね。一番気になったのは時代設定。iPhone(?)で館突入の実況中継をしたかっただけで現代にしたのかな?そんな演出いらないから普通に娘があの年齢になる程度の時代設定でいいのに。立ち位置が狂った家族寄りで傲慢なワンマン町長が出てきますが田舎町にいけば現代でもいるのかな。あの一家の血を引く娘を出したいのなら、劇中で73年だから20年後の93年という設定が普通に無難だった気がする。まぁこの手の作品は整合性が取れないのは気にしたらキリがないのでスルーして楽しんだモノ勝ちかな。 悪魔のような存在だった一家に悪魔のような所業を加えた町の権力者と仲間たち。この作りだと全力で悲哀を感じさせられるレザーフェイス側に観客は付くでしょうな。 ただ、カーニバルで多くの町民に姿を晒した上、警察官を含め何人も惨殺しているので、生き残っていると思われる町長の息子や有志によって家族と同じ末路が待っているのかもしれないけど。 [映画館(字幕)] 5点(2013-07-24 23:36:51) |
13. トータル・リコール(2012)
《ネタバレ》 原作既読。オリジナルも当然観ています。 シュワルツェネッガーとバーホーベンによってエグイ描写や粋な会話を織り交ぜつつ壮大な展開を見せ、当時の技術としては度肝を抜く映像を使っていた旧作。ゴールドスミスのメインテーマも印象的で、シュワの出演作トップ3に入ると個人的に思ってますがリメイクの必要があったのかな?と疑問に思いましたね。やはりシュワのような見た目でモノが違うと思わせる稀代のアクションスターは別格だなと再認識。スタローンやシュワのようなアクションスターは今後出てくるのかなぁ。 主役の半端ない地味さと旧作には遠く及ばない富裕層vs貧富層という単純でチープな図式なストーリーでテンションが上がるコトはなかったです。あ、旧作へのオマージュシーンはニヤリとしたか。 昨今、これだけVFXの技術が上がっていると、何でもありな映像を作り出すコトが出来ますが、やはり作り手のセンスが一番大事ですね。既視感のある世界観で『ブレード・ランナー』や色々な作品が脳裏をよぎりました。時代を表すという意味で中国っぽさが強いのかな。 [映画館(字幕)] 3点(2012-08-14 21:46:48) |
14. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 原作未読、北欧版未見。北欧版は当時知ってましたが、いまいちピンと来なかったのでスルー。今回、フィンチャーが撮ったので観てみる気になりましたが、同じ人も多いんじゃないですかね。OPの移民の歌とともに流れるリスベットの心象風景を思わせる痛々しくスタイリッシュな映像美、158分と長めの本作を全く飽きさせないキレのあるカット割りや演出はさすがだなと思いました。 40年前の少女失踪事件、権力を持った一族の問題親子の異常性癖による陰惨な所業は、何不自由なく暮らし飽きが来ている下種の娯楽だったんだろうけど、リスベットとミカエルを引き合わせるだけの大したコトのないスパイスだったかな。 他人と接するのを拒否するかのように顔や身体にはピアスや入墨を入れ、モヒカンに眉毛脱色と尖がったパンキッシュなスタイルで身を固めるリスベット。その強面な外面と相反する内面の繊細さと脆さもルーニー・マーラは見事なまでに演じ切れたと思います。頭脳明晰な天才的ハッカーであり、受けた痛みの報復と狡猾さは狂気を感じさせる。でも健気さも同居するリスベット。ラストシーンの切なさと相まって愛おしく感じたのは私だけではないだろう。 [映画館(字幕)] 8点(2012-02-11 22:47:32)(良:2票) |
15. トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
《ネタバレ》 アポロ計画を持ってきて、飛行士が裏じゃトランスフォーマーと遭遇していたという辺りはニヤニヤしてしまったんですが、前半の就活シーンや変な中国人のシーンが無駄としか思えないほど後半のダイジェストぶりが気になりましたね。人間側の奮闘も人類がオートボットと共に戦っているというのは良いけど、描写が断片的で連携が取れてるように見えづらく中途半端に見えたな。箱に目いっぱい詰め込もうとして、肝心のモノが収まらなかったというような印象。もうちょっと肉弾戦を観たかったと思うファンは多いでしょうね。 それからオプティマスの口の汚さと残虐さはどうなんだろうなぁ。人間でいえば生首刎ねたり、首を脊髄ごと引っこ抜いたり、内臓を引き摺り出したりなんだけどね。センチネルにはボッコボコにやられ情けを掛けられ命を拾ったくせに、瀕死の状態の自分を救ってくれ停戦を持ち出してきた命の恩人メガトロンを不意打ち虐殺でチャンチャンってのは虫が良すぎるというかギャグだったな。 [映画館(字幕)] 6点(2011-08-02 22:14:20)(良:1票) |
16. トゥルー・グリット
《ネタバレ》 原作未読。オリジナル未見。快活で賢く、何者にも屈しない強い心を持ったマティを演じたヘイリー・スタインフェルドは『赤毛のアン』に合いそうだなと思った。相手をやり込め補償と馬を勝ち取るタフなネゴシエーターぶりは見事すぎてニヤニヤしましたよ。 『トゥルー・グリッド(真の勇気)』というタイトルならもっとカタルシスを与えられる様に撮れそうだな、とは思いましたが、控えめな演出が逆にリアルに感じられたかな。先住民であるインディアンの虐げられ具合や男尊女卑で男臭い世界は服装や街並みなど含め、古き良き西部劇らしかった。 [映画館(字幕)] 7点(2011-05-11 20:38:53)(良:1票) |
17. トロン:レガシー
前作は見ましたが覚えてないです。コンピューターの世界のお話ですが、昨今色々なところに使われているLEDのように綺麗な光がそこら中に巧く配置されていたし洗練されている映像が近未来的で見せ方もカッコ良かったですね。でも割とベタな未来世界ともいえるかなぁ。 観終わって考えてみると普段使っているパソコンなんかでもウィルスはあるわけで、この作品で迷いプログラムとされていた主人公などがウィルスとし、防衛側プログラムとの戦いがウチのパソコン内でも盛大に行われてるのかも?と思うとなんか笑えたな。現実世界から見ればそれを削除するだけで終わっちゃうのがまた笑えた。 ダフト・パンクの音楽が抜群に世界観にはまってますね。特報を観て楽しみでしたが割と面白かったです。 関係ないけど、「やるっきゃない」と度々訳す人はこだわりでもあるんでしょうかね。 [映画館(字幕)] 6点(2010-12-23 19:17:36) |
18. 東京島
《ネタバレ》 原作未読。アナタハン島事件にそっくりだなと思ったら影響を受けたそうで。 無人島でのサバイバル感や悲壮感は全く無く、食物豊富、お天気良好な毎日。密航に失敗し流れ着いた外来種な中国人が島に混入しても何も起きず、唯一の女性である清子を奪い合う事も無くお気楽無人島体験キャンプといった趣。 最後は取ってつけたような一人の妄言に発奮し踊らされ(ヌル~イ)殺し合いに発展。そのすきに清子は脱出成功。 中国人は逞しく状況に応じ生き抜く術を持っているが、日本人の若者は徒党を組むだけで無気力で無計画で流されるままとでも言いたげ。10年後に国を造り子孫繁栄させている描写を見ると「でもヤル事だけはキッチリしてる」とダメ押しの一手か。 清子は女の武器で狡猾に生き抜くのかと思ったらそれもほぼ無く、飽きられスルー状態ながらも事件は起こるという周りを不幸にする単なる厄介者に過ぎない。そのくせ10年後のラストはどう見ても成功者の生活で、周囲の運を吸収し自分に集める女か?と思った。窪塚はらしい演技で面白かったが中盤で出なくなってから面白味が失せたな。 【余談】チケット売り場で中学生くらいの女の子三人組が前に並んでいて一人だけ学生証を手にしていました。「学生はいつ観ても1000円で良いな。」などと思ったんですが、他の子は持っていなかったようで、購入時に売り場のおネーちゃんに「人数分の学生証を出してください!」と大きな声でキツイ口調で言われてました。その後のやり取りは聞こえなかったんですが、すぐに売り場から離れ隅っこで困り顔で相談開始。一般扱いなら1,800円。まぁ考えますわな。 今まで何人もそのパターンは見ましたが初めて厳しい対応を見ましたね。たいてい「今度から持って来てくださいね~」と優しく諭して学生料金にしてあげてたけど、社会の厳しさを教えてあげたってトコだろうか? そんな彼女らに「夏休みなのに不憫だなぁ。」と誰かにあげようと思って持っていたチケ二枚(そこのシネコン共通券)をプレゼント。「二枚しかないから一人分は割り勘で買ってね。」と言ったら、私のチャーミングすぎる面構えに固まっていた女の子達も笑顔になり「どうもありがとうございます!」と、これにて一件落着!なコトがありました。まぁ他の客も見てるし、痛々しくイキがったDQN風なお子様ならいざ知らず、見るからにおとなしそうな女の子を邪険に扱うのはどうかなぁ映画館の人。 [映画館(邦画)] 3点(2010-09-01 23:39:46)(良:6票) |
19. 特攻野郎Aチーム THE MOVIE
《ネタバレ》 オリジナルは見てまして、あえて吹替え版を選択。配役も悪くなく、オリジナルのファンには分る小ネタも多く概ね満足できる内容ですね。ただもうちょっとキャラを掘り下げるというか、TVのOPにあるようにそれぞれの得意分野を見せて欲しかったかなぁ。チーム結成の話は次回にでもして、今回はAチームのハチャメチャっぷりを全開にした方がもっと良かったと思いますね。ハンニバルは風格はあるけど茶目っけが弱く、フェイスの色男ぶりは出てたけどあらゆる物を調達してくる口の巧さが無く、メカに強いB.A.(やっぱコングがイイな)も乗り物に乗るだけだしね。マードックの変人ぷりはまあまあかなぁ。シーンの切り替えが早くて余韻がない気もしたけど。 病院での映画の映像に合わせて車が壁を破って突っ込んでくるところは見え見えでベタだけど面白かった。あのノリで全編やって欲しかったですね。 まぁ歴史ある作品の強みというか、アレンジ版にしてもあのテーマ曲と「助けを借りたい時はいつでも言ってくれ!」を劇場で聴けたというのは感慨深いもんがありました。次回への期待値込みでこの点数。 [映画館(字幕)] 7点(2010-08-26 22:15:54) |
20. 時をかける少女(2010)
《ネタバレ》 2006年の傑作だったアニメ版の記憶も新しいですが、こう何度も企画に上がるのは原作が世代を超えて愛されて素晴らしいからなんだろうな。原作の筒井はあまり好んでないようだけどね。 前半は安田成美の劣化も伴ってどうなるものやらと思いつつ観てましたが、過去に飛んでからは良かったかな。主役を演じた仲里依紗と、いかにも昭和の純朴で誠実な貧乏大学生という風情の涼太の丁寧に描写されたやりとりは甘酸っぱさを感じさせてくれた。 はっきり言うとストーリーは色々と穴がありますが、タイムトラベル物は整合性を考えると難しいですね。歴代の「時をかける少女」は未来を感じさせるエンディングだったけど、今作はう~ん…って感じの救いの無さが残念かな。 [映画館(邦画)] 5点(2010-03-24 20:32:51)(良:1票) |