1. ドッグヴィル
う~ん正直、一見の価値はあるけどもう一回観る必要は感じないだろうな~。この映画のテーマはそれほど新奇なものでは無いし、表現方法も特段独創的では無い気がする。“ドッグヴィル”は人間世界を象徴的にミニチュアライズしたもので、そこを外界から訪れるグレースとギャングのパパは超然とした存在のメタファーだと思う。グレースを“天使(善)”と言ってもいいし、パパを“サタン(悪)”と言ってもいいが、映画の中で親子として描かれるようにそれは表裏一体なのだ。そして村の中で唯一、神(あるいは悪魔)と村人(人間)の間を取り持とうと画策するトムは、人間でありながら自分は人間を超越していると考え、人々をコントロールしたがるタイプの人間(権力者、 聖職者、学者、映画監督 etc.)のメタファーの様に見える。これは寓話としては使い古されたネタだ。これを今やるなら、もっと現代的な舞台(例えば映画撮影現場やNGOとか)でやったほうが芸術としての意味もあると思うのだけど。 [地上波(字幕)] 5点(2006-01-14 16:47:33) |