1. ドクター・スリープ
《ネタバレ》 直前に「シャイニング」を復習してから鑑賞したので、この監督のキューブリック版「シャイニング」へのリスペクトを余計にビシビシ感じました。 同じ題材をなぞっても、ピーターハイアムズの「2010年」が「2001年宇宙の旅」と似て非なる映画になってしまったことを脳裏をよぎって危惧しましたが、その点ではこの作品はとても頑張っていたとおもいます。 前作を何十回も観てるファンからすれば、まず何より一番の感動はオーバールックホテルと迷路の完全再現。ボイラー室とか舞踏会場とかREDRUMの部屋とか一部ではなく、カメラに映らない部分も完全再現してくれてて、逆に「シャイニング」で映らなかった通路や場所に(あー、あそこ右に曲がるとこうなってたのか)的脳内補完をしたり(しかも40年分ちゃんと老朽化している!)。オーバールックに向かう道の空撮、血の洪水、斧を振りかざす時のカメラワークなど、製作者のシャイニング愛にニヤニヤしてしまう場面も多数。 物語的にはオーバールックホテルの登場まで若干冗長に感じる部分もありましたが、キングの小説の良さも併せてキューブリック版「シャイニング」の続編を作ることに成功していた気がしました。ただ前作はホテルが人に乗り移って狂わせる点が絶対だったのに対し、今回はホテル外にいる人間の形をした悪も人間を襲ってくる展開で、その点はよくあるホラー映画にありがちかなとちょっと思ったり。 それでも1980年時のジャック、ウェンディ、ダニー、ディック、双子の水色姉妹、237号室の腐乱オバハン、盛会じゃね紳士、ジュースぶちまけた前管理人など、よくここまで似てる人そろえたなあと感動。1場面ですがドアごしに斧で襲われるウェンディのあの絶叫場面まで再現と、前作を愛する人をニヤリとさせるシーンが本当てんこもりで、前作のある意味、神の視点的な風格はありませんが、全体としては面白いと思います。 ↑の方も言っていますが「毒をもって毒を制す」作品。そして悪の象徴たるオーバールックホテルが一瞬、敵の敵は味方的に映りますが、すぐさまシャイニングオールスターズの皆様が一斉に襲ってくるあのシーンは、怖いハズなのでなんだかうれしかったり(幽霊をもっとじっくり観たいなんてこの作品でしか思わないです!笑)。 なんか観た直後なので頭がまとまりませんが、終盤のオーバールック向かうシーンで「シャイニング」のOPテーマが格好良くかかる所、鳥肌がヤバかったです(そう!俺が見たいオーバールック早く映して!的なそそられ方)。大好きな作品の続編を愛情たっぷりに製作してくれて本当に感謝です。 追記・どうやら237号室の腐乱オバハンは、オーバールックホテル焼失で棲家を失ったところをアブラの家に引き取ってもらったようで、今ではすっかりアブラと一緒にお風呂入るほどの仲良しです。 [映画館(字幕)] 8点(2019-11-30 13:05:25)(笑:1票) |
2. となりのトトロ
まず説教臭くないから好きです。子供は子供の目線で無理なく楽しめるし、大人は童心に返って楽しめる。トトロなんて生物いるわけないと思ってるのに、いたらいいなと思わせる。利便性を求め進化した世の中なのに、昭和の臭いを残した田舎に懐かしさを感じる。ネコバスなんて本当にいたら怖くて乗れないけど、乗って冒険に出たらきっとハラハラドキドキで楽しいだろうなと思わせる。他のジブリ作品より遥かにストーリーは薄い。でも、だからこそシンプルに楽しめる。おだやかな夏の晴れた日にふと観返したくなる傑作だと思います。 [地上波(字幕)] 8点(2006-06-19 18:23:21) |
3. 逃亡者(1993)
《ネタバレ》 トミー・リーがカッコイイ!完全に主役を食ってしまっていますし、そりゃオスカー獲ってもおかしくないかな?って思います。展開もハラハラするし、少し終盤緊張感がたるみましたが、それでも2大スターの鬼ごっこがこれほどまで面白いとは思わなかったです。個人的には最後に車の中で手錠を外してあげるシーンが最も好きです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-19 15:39:39) |
4. 突撃(1957)
反戦映画としても勿論傑作ですが、88分という短い尺の中で、映画の中に必要な最小限のシーンだけで構成されているので映画自体も本当に完成度が高いと思います。ただキューブリックは反戦のメッセージは伝えているものの、カーク・ダグラス演じる大佐や、銃殺される3人に対して感情移入をわざとさせないような撮り方をしている気がした。だからこそ「神の視点」と呼ばれるのかなもしれないなと思いました。ただ、ラストの捕らえられたドイツ人女性役(クリスティアーヌ)の歌声や、あのシーンを観てて伝わってくる何とも言えない気持は、とても冷徹非情と呼ばれたキューブリックの撮ったシーンという感じはしない。だからか、観てて辛くなるシーンが続くこの映画もキューブリックファンとしては繰り返し観たくなるのかもしれない。 ジェラルド・フリードのドラム音を中心とした音楽も「非情の罠」「現金に体を張れ」と同様で初期のキューブリック映画との相性の良さを感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2006-01-14 23:52:39) |
5. ドラムライン
《ネタバレ》 この主役のニック・キャノンて男性はカッコいいですね♪なんかウィル・スミスっぽいなあと思ったら案の定「ポストウィル・スミス」と呼ばれているそうです(笑)ラッパーとしても、またバラエティーの司会としても幅広く活躍されているそうです。 青春モノお決まりの作りではあるんですが、マーチングバトルの迫力が物凄く、特に同点1位の2つの大学のドラム対決はまさに真に迫る迫力で圧倒されました!ただでさえあの連打が難しいのに、歩きながらとかバチを投げたりとかリズム合わせながら隣の人の太鼓叩いたり、見てると錯覚で「あれ、俺も出来そうだな」とか思う所が怖いです(笑) 金にモノを言わせるライバル大学のボスが、確執から一時辞めさせられた主人公を受け入れる代わりに「スパイ」として雇おうとするあたりが人間的で嫌でしたねー、ああいう事って本当にありそうですし。 たかがバンド、されどバンドって感じで「チアーズ」を初めて観た時のような興奮がありましたね。勿論男がだいたい好きな、男同士の友情も満載。チームをまとめるリーダー役の男が、主人公のデヴォンの怠慢ぶりと才能に嫉妬し確執を持ちながらも、最後には和解し、協力して曲を作ったり。ああいう展開はお約束でも好きなんですよねーー♪デヴォンの彼女がリーダーを務めるダンスチームの演技も見事です! [DVD(字幕)] 8点(2005-10-12 12:01:00) |
6. 時計じかけのオレンジ
始めはひたすら残酷で、途中からは切なく、そして最後には再び怖くなる映画です。あまりに衝撃的だと言われたこの内容は、現代の世の中の「鏡」のように映し出されています。物が豊かになり過ぎた現代、人の心の豊かさがそれには付いてゆけず退廃してしまった過程と結末。 強調して描いてる部分も多いのですが、どこか「切ない」と思います。主人公アレックスが何か気の毒に思えてしまうのです。悪い事はしてきたが、その結果が政治的圧力で行われた「強制実験」におけるモルモットで、そして家族も仲間も失ってしまった。 「時計じかけのオレンジ」なるほど、みかん自身も自分の意志に関係すること無く、環境によってすぐに腐ってしまう。人間も環境によって腐ってしまう。近未来への警鐘が、何か現実味を帯びてしまいすぎて、衝撃的に感じない自分も、どこか怖いのであります・・・。 8点(2004-09-22 18:42:35) |
7. ドクトル・ジバゴ(1965)
《ネタバレ》 ロシア革命の時代を舞台に、詩人であり医者でもあるジバゴと、妻であるトーニャ、ストルニコフというジバゴの父の遺言執行人である男と、その男が関わっていた家庭の娘、ラーラを中心として描かれる物語。愛する者が素直に一緒にいられない時代を、戦争や過酷な社会情勢を織り交ぜながら、またあまりにも有名な「ラーラのテーマ」の音楽や、ロシアの雪原をダイナミックに描き出した演出で壮大に描かれています。 描き方の丁寧さに加え、主演3人の熱演も光り、本当に3時間20分があっという間です。もっと難しいかなと思っていましたが感情移入出来た中盤から後はずっと食い入ってしまいました。特にラーラ演じるジュリークリスティーの瞳のなんときれいな事!そしてジバゴの大きな目が、時代に翻弄されず我が道をゆく強さとも重なり本当に見事なのです! 冒頭とラストが繋がるのですが、ジバゴとラーラの間の娘とおぼしき女性に話を聞く、ジバゴの兄との話し合いから始まるのですが、いい人と悪い人なんてあまり無いのかな?と思わせます。革命時の思想の違いだけで命まで狙われる時代、平和な世の中しか知らない私にとっては、本当に過酷に感じ、その中でも愛を信じ続けた3人には共感してしまうのです。是非ご覧になっていない方は1度見て頂きたいです!!音楽も映像も凄くキレイ! 8点(2004-09-22 17:37:05) |
8. 泥の河
《ネタバレ》 あまりにも素晴らしい作品だったので宮本輝さんの原作本も後から読みましたが、じつに原作に忠実なんですね。カニ燃やすシーンもあのまんま(苦笑)当時の貧しさの中にも明るく生きるそれぞれの姿がとても印象的。特に田村高廣さんが素晴らしかった。子役の子も皆好演で、お姉ちゃんが米びつに手を入れて温かいというセリフは衝撃的に感じました。 あとは何と言ってもラスト。「きっちゃん!きっちゃん!」と叫び、去っていく廓船を走り追いかけたシーンは忘れがたいシーンです。監督さんとの愛情出演で撮影僅か6時間にも関わらずその美貌で視線を釘付けにした加賀まり子さんもとても良かった。何度も観返したいような作品ではないけど、観始めたら最後まで一気に観たくなるような不思議な魅力に包まれた作品だと思います。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-19 17:04:12) |
9. トゥルーライズ
橋の豪快な壊れっぷりと、ジェイミー・リー・カーティスの豪快な壊れっぷりといい勝負です。何度見ても気楽に楽しめるアクション超大作ですね。 [地上波(吹替)] 7点(2009-05-28 13:02:50) |
10. トランスポーター2
「それはありえねーだろ!」とツッコミ入れながらも気軽に楽しめる娯楽作ですね。本当にここまでカッコいいハゲも珍しい。あの悪党グループの金髪女に顔をペローンと舐められてたけど、あれクサイんだよね(>_<)凄い可哀想になってしまいました・・・。マシュー・モディーンも随分と人間的に度量の狭い人間になってしまったようで・・・、もう1度ハートマン軍曹に鍛え直してもらいなさい!!スピード狂のリュックベッソンの脚本も○。 [地上波(吹替)] 7点(2007-10-01 00:10:48) |
11. トスカーナの休日
《ネタバレ》 誰しも今置かれている環境から逃避して、知らない世界に行きたいと頭をよぎる事がありますが、それを映画の世界で見事に表現しています。選んだ国が社交的イメージを持つイタリアでしたが、そこでヒロインは恋愛もしますが、それだけではない、人と人との交流の中で、違う幸せを得るプロセスを微笑ましく観ました。離婚原因が今ひとつ分かりにくかったり、思いつきで大枚はたいて家を買ってしまったり、レズの親友が転がり込んできたり、イタリア人男性は想像通りに描かれていたりと現実離れを感じるシーンもありますが、美しいトスカーナの自然の描写も相まって、非常に美しい作品となっています。ダイアン・レインという人選も実に見事で、40歳前とは思えない自然な美しさを醸し出していました。派手ではないですが、こういうドラマの主人公の思い切った行動に羨ましさを投影できるのもまた、映画の魅力だと思います。 でも休日と呼ぶには長すぎる!! [DVD(字幕)] 7点(2006-12-16 18:12:11) |
12. ドーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 あのジョージAロメロ監督の「ゾンビ」がどう甦るのか?と思ったら、登場人物などは変わったものの、ショッピングモールに閉じこもりながら脱出を試みる人間ドラマであり、ゾンビとの壮絶な死闘という意味では上手くつなげていたと思います。亜流のゾンビが多い中、ロメロ監督に尊敬の念を置いて作られたと思います。 よく、ローランドエメリッヒ監督の「ハリウッド版ゴジラ」を観て、日本のゴジラファンが「あれはゴジラじゃない」と抗議したように、私も始め、今回のこの映画の『走るゾンビ』には戸惑いがありました。ゾンビの定義はノソノソと集団で襲うというイメージがありましたので。しかし、いざ観てみるとこれはこれでやはり迫力が増して怖い・・・。 主演のサラポーリーが旦那とラブラブだったのは冒頭の10分だけで、直ぐに愛する人間が自分に襲い掛かってくる葛藤との戦いが始まります。テンポもよく、登場人物の背景も上手く描かれていて、「ゾンビ」と比べるのは好きじゃないですが、「もう1つのゾンビ」という意味では中々良かったのではないかと思いました。 ネタバレになりますが、特に最後トラック2台で港まで向かうシーン。あまりの数のゾンビにトラックが囲まれるシーンの恐怖や、無数のゾンビが全速力で襲い掛かってくるシーン。そしてチェーンソーでゾンビに立ち向かうはずの人間が車の揺れによって仲間を誤って切り刻んでしまう衝撃。全てが緊迫感に溢れていました。鬼畜さ、残酷さよりもむしろ、生き残る為の必死さが描かれていて、私はゾンビ好きとしてこの映画、結構好きになりました。ただ、ちょっとポップ過ぎる音楽はサントラに合わないような・・・(苦笑)でもそこを差し引いても7点はあげたい。全速力で何百人のゾンビが襲ってきたら、誰がどう言おうと怖いでしょそりゃ(笑) 7点(2004-11-16 00:02:23) |
13. 虎の尾を踏む男達
《ネタバレ》 作った時期を考えたり、その時にこれだけ豪華なメンバーを揃えて勧進帳(桶狭間を作りたかったが馬が調達できず断念)をやったのはスゴイ。でんじろう先生とエノケンありきの話なので、狂言回しのエノケンの存在がいい所とシリアス部分での茶々に「ん?」という部分と両方あるが、勧進帳のパロディとして十分楽しめます。森雅之とか志村喬とか岩井半四郎の使い方が勿体無いけど、これはこれでオールキャストで有名な歌舞伎の一場面を独自の演出で切り取ったと思えばなかなかの佳作です。 富樫の藤田進はちょっと弱いかなと思いきや、声を荒げるシーンでいいなぁと思ったり。まぁでも最後の最後、弁慶じゃなく強力が六歩を踏むのが黒澤の遊び心。戦争末期に作ってGHQににらまれたのかな?製作から7年日の目を見なかったとは・・・。「羅生門」より前に観るべき作品なのかもです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-05-10 00:45:34) |
14. トリプルX
アーシア・アルジェントがレイチェル・ワイズに観える角度を発見。しかも今回ははすっぱな役じゃなかったし本当に良かったです。きっとお父さんも喜んでいらっしゃいます。映画的にも可も無く不可も無く退屈しのぎには最高の作品です。やっぱり大味でB級臭さたっぷりのアクション作品は憎めませんね。ヴィン・ディーゼルはずっとこういった雰囲気の作品に出続けてほしいです。 [地上波(吹替)] 6点(2007-09-26 00:55:04) |
15. トロイ(2004)
神話だ何だと難しく考えなければ普通に楽しめる娯楽大作です。しかしオーランド・ブルームには弓矢が良く似合いますなぁ♪ [地上波(吹替)] 6点(2007-05-02 22:05:37) |
16. ドッペルゲンガー
《ネタバレ》 黒沢清って監督は「この後どう展開されるんだろう?」と興味を持たせる演出が非常に上手いですね。ホラーなのかと思ったら、ブラックコメディになっていくし、人工人体や「もう1人の自分を見たら死ぬ」なんて序盤の脅かしは中盤からもうどうでも良くなっていきますし、非常に実験的だと思います。ドッペルゲンガー的役所のあのハイテンションが妙にツボに入ってしまい面白かったですが、確かに人間には2つの自分がいて「どこかで現状を打破したい!」と思っているのかもしれませんね。でも人間不信に陥って殺し合いになるような展開にするのであれば、ユースケも永作も柄本もドッペルゲンガーだらけで観客を大混乱に陥らせてしまった方が意図的な破綻としては良かったかと思います。殴られ損のダンカンもいい味出してましたねー。あ~、俺この監督の作る世界、結構好きかもと思った映画でした。 [地上波(邦画)] 6点(2006-09-20 11:12:42) |
17. トーマス・クラウン・アフェアー
《ネタバレ》 ピーアス・ブロスナンが製作も兼ねてると知って、なるほどムダにラブシーンが多かったり、裸のシーンが多かったり(レネ・ルッソのオッパイが見たいかどうかはともかく)、キザなセリフや表情のアップが多かったりと、自己満足的映画の真髄って感じで割り切って楽しめました。オリジナルは未見ですが、絵画の上に、元同僚の娘に絵を描かせて戻してあったとか、彼女が欲しがってた絵画を盗むとか、まぁ後半のたたみかけはエンターテイメントで、さすがだなあと思いました。でも監督が「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナンだと知ってビックリ!爆発とか無い映画でも監督するんだとか驚きました!最後の最後で、実はトーマスクラウンも、この外見はフェイクなんだよとか言って仮面を脱いだら実はショーン・コネリーだったとかのオチだったら笑えて10点でしたね。あと願わくば、ヒロインはキャサリン・ゼタで観たかったかもです! [地上波(吹替)] 6点(2006-09-10 18:40:32) |
18. トゥルー・クライム(1999)
サスペンスにおけるかなり強引な展開(解明が神がかり的)に少し面食らいますが、最後は助かるだろうとは思っていても、あのギリギリ具合にはハラハラさせてくれます。イーストウッドはここらへんの演出が大変上手いですね。多分現在のイーストウッドを見ても分かるように気持が非常に若いんだと思います。でもやはりベッドシーンとかはもうイエローカード。あの小さい子のパパ役もNG。それともお爺ちゃんとは呼ばれたくないのかな?とにかく作品の完成度はなかなかいいと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2006-07-20 14:41:17)(良:1票) |
19. Dolls ドールズ(2002)
色彩が見事でしたね。それを狙って作ったんだと思いますが、キタノブルーじゃなく、劇中の「赤」が鮮やかな作品でした。近松門左衛門とか人形浄瑠璃なんて縁が無いですが、3つの究極の愛の形が交錯する中で、1つ1つの話は切なくて興味深いですが、その分1つの映画としての一貫性というか、まとまりが感じられなくて中途半端な気がしてしまいました。ただ俳優さんは皆素朴な演技でよかったと思います。これは明らかに今までの北野映画のスタイルではありませんが、良くも悪くも黒澤監督が芸術と娯楽を両方意識したように歩き出したのかなあと感じた作品でした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2006-07-18 16:39:30) |
20. トレインスポッティング
ダニー・ボイルの中では唯一面白い映画じゃないでしょうか。独特のテンションの高さも、嫌悪感無く付いていけるのは、きっと自分がもう30間近で、将来に不安になっている青春時代を客観的に観られたからだと思います。仲間や環境によって、その不安をヘロインや強盗に逃げる人もいるだろうし、そんな彼等が暴走する様を興味深く見られました。ダニー・ボイルの選曲はあまり好きじゃないですが、この作品とはマッチしていました。あと出演者が上手い。主演のユアン・マクレガーも熱演でギラギラしているので、何か微笑ましかったですね。幻覚を見るシーンで、赤ちゃんが天井を這ってのは悪夢!死んだ赤ちゃんの表情も悪夢!「レクイエム・フォー・ドリーム」のように注射のヤリスギでボロボロになった腕を見せられないだけマシでした。93分でまとめたテンポの良さもポイントですね。 [地上波(字幕)] 6点(2006-07-09 14:02:03) |