1. 時計じかけのオレンジ
ミッドセンチュリー系の家具や服装は今の時代にとてもマッチしていて、古さをまったく感じさせない。キューブリックお得意の、物陰に隠れて批判や皮肉をぶっ放す雰囲気が全編に蔓延していてあきさせない。最後はやはりドヒャっとぶち壊して終わるというところも徹底している。 8点(2004-02-28 21:22:08) |
2. ドライビング Miss デイジー
単調だがほのぼのとした春のような映画でした。モーガン・フリーマンは、感情を抑えた、朴訥としたものながら、体中からそれまでの人生の紆余曲折を物語るようなしっかりとした演技だったと思います。 6点(2004-01-31 20:00:54) |
3. 12モンキーズ
一般うけするだけあって、テリー・ギリアムにしてはめずらしくスケルトンな映画だと思った。物語の骨組みがわかりやすい。タイムトリップやパラレルワールドをちらつかせ観客の目をそらせておいて、「実は12モンキーズってのはな、」っていうどんでん返し。そこでいったん緊張を弛緩させたうえで、「え?じゃあだれが?!」というもって行き方。娯楽作品の王道を行っていると思います。ブルースウイリスや、ブラピのような、鋭利な刃物ではない「鈍器」を使って料理したところが、味にコクを加えていると思います。 8点(2003-12-26 05:46:58) |
4. 敦煌
科挙の試験に遅刻するということ自体、原作を捻じ曲げて主人公のその後の行動の必然性を希薄にしていると思います。アメリカ人が英語でヨーロッパの映画を作るのを観て、日本人の手によるアジアの映画ということで期待したんですが・・・。 5点(2003-12-21 21:48:37) |
5. となりのトトロ
田舎育ちの私が思うに、確かに子供の頃にはトトロは見えていた。しかしそれは不用意に近づこうものなら噛みつかれるような厳しいイメージだ。草のトンネルを抜ければ露でびしょぬれになり、あちこちにトゲが刺さる。採れたての野菜サラダには青虫がついている。「自然は痛くてかゆくてグロい。」というのが思い出として染み付いている。そういう意味で言えば、この世界は現実には存在しないノスタルジーなのかもしれない。 5点(2003-12-21 14:23:56)(良:1票) |
6. どですかでん
四騎の会第一弾として、もっと売れる映画を作ろうと思えば作れたんでしょうが、黒澤監督はここぞとばかりに世に問う作品を叩き付けたかったんでしょう。同じく世間に挑戦し続ける宮崎駿がそれでも評価を上げ続けるのとは対照的な人生ですね。やっぱりこれは「実験映画」だと思います。そういう目でみれば非常に面白い。万人に薦められないが、気心知れた友人には勧めて感想を聞きたい。そんな作品です。それにしてもオムニバスの短い各シークエンスで、これだけ人物の描写ができるのはやはりすごいですよ。伴淳三郎の演技にはたまげました。乞食の父親の「プールができたよ!」は名台詞ですね。 7点(2003-12-17 21:32:01) |