1. トリスタンとイゾルデ
《ネタバレ》 よかった、と思いました。 地味だけど美しく儚く悲しい物語が情感豊かに描かれていたと思います。 トリスタンのフランコはこういう屈折した苦悩の様がホントはまりますね。マーク王はカッコよすぎだし。 欲を言えば、「トリスタンの忠誠心やその背景となるマーク王との係わりをもっと描いて欲しかった」とかありますけど全体的には及第点です。多分イゾルデが必要以上に露出していなかったからかな。恋に溺れきっちゃう寸前でとどまるからこそトリスタンも「いい男」たりえるのですから。 禁じられているからこそ燃え上がるという恋の本質がよく描けた佳作。蛇足ですがイゾルデ役の人がちょっとぽちゃ気味だったのも好感触と付け加えておきます。。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-04 12:58:56)(良:1票) |
2. トラフィック(2000)
《ネタバレ》 ここでのレビュー読んで「難しいだろう」と覚悟しての鑑賞でしたが、結構スンナリ見えました。 いい出来じゃないですか!結局何も終わってなどいないというリアルさ(=麻薬という問題の根の深さ)を追求しながらも、ちゃんとラストには観客をほっとさせるカタルシス(ラストのメキシコのナイターシーン)を用意するなんて心憎いですね。こういう社会派(?)っぽいのはややもすると鑑賞後、気分がめいったりするもんだけど、これはそうならない。その辺のバランスがいいんでしょうね。 ただ惜しむべきは、デル・トロがいとも簡単に米国の麻薬捜査官にネタを持っていけちゃったところ。あそこをもっと緊迫したギリギリでの攻防として描けていたらもっと良かった。あれじゃあの将軍はまるでただの馬鹿ってことになっちゃうじゃないですか。 全体がホントにいい感じだったんでそこが返す返す残念。でもあとはいいですね。マイケル・ダグラスの間抜けぶりとかクワレぶりは全然気にならず、むしろ確信犯って感じがします。つまり「上層部の役人なんて結局はこんなもんよ」ってことも描きたかったんでしょうね。 [映画館(字幕)] 7点(2007-11-29 17:08:11)(良:1票) |
3. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 えっと、こういう青春モノは正直苦手です。 イマドキの若い子たちの風俗を全て否定するわけじゃないけど、なんだろうなぁ、軽いノリがカッコいいって信じてそういうふりをしているお子ちゃまたちの会話って、オトナがそれっぽく作っている映画で表現されると、なんか鼻に付くんだよね。今風を装っているんだろうけどそれが苦しいっていうか無理があるっていうか。 話も、タイムトラベラーなら全ての記憶を消してその時代への未練を残さないってスタンスこそがこの作品の真髄だと思っていたのにそれが根こそぎなくなっちゃっているのが残念だし。・・・ 知世ちゃんの実写版は未見なのですが、この作品の軽さが逆に実写版への興味を持たせてくれました。今度借りてみようかな・・・ [地上波(邦画)] 5点(2007-07-26 17:26:13) |
4. 遠い空の向こうに
この映画を鑑賞して気がつきました。私が好きな炭鉱モノはイギリス限定らしいということを。 いや、この映画だって悪くないですよ。話だって妙な中だるみもなくいい感じにまとまっていて面白いと思います。そういう点では「ブラス!」や「リトル・ダンサー」よりも優れているかもしれません。・・・でも、でもね、この映画には前述の映画たちにある「先行き不安な炭鉱町の行き詰るような閉塞感」とか「ややもすると捨て鉢にもなりかねない絶望感」が弱い。この映画が描くのは、明るく小奇麗な父と子の和解のドラマで、産業が移り行く中での人々悲哀はその父子愛のちょっとした背景に過ぎないのです。 テーマを絞り込んだ結果なのでしょうが、話としてきれいにまとまりすぎてしまった感じで、残念ながら強烈な印象というものは消えてしまった気がします・・・なんていうか、炭鉱モノ全てがワタシ好みというわけではないのだな、なんて当たり前のことに今更気付かせてもらった映画となりました。・・・ちょっと寂しかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-02 13:08:07) |
5. となりのトトロ
《ネタバレ》 この作品は、言わずと知れたお子様向けジブリ作品ナンバー1であることは間違いない。お子様向けでありながら、昭和のノスタルジーを描くことでそのお子様たちの親御さんにもまた深い鑑賞に堪えられる。そんなところもこの映画の素晴らしいところである。 だから、この作品によって子育てを楽させていただいた私ごときに、何かを言う資格などもちろんないのだが・・・んでもさぁ子供が行方不明になっちゃって村は総出で池の底さらったりしているってのに、お父さんお母さん団扇かなんかで扇ぎながら談笑している場合じゃないでしょ!!いくらなんでも病院に連絡ぐらい来るだろうによっっ!まあ、このラストばかりじゃなくなんつーか、おばあちゃんはじめ村人いい人たち過ぎじゃないスか?よっぽどお父さんの上司の教授かなんかがここらのとっても人望のある大地主さんとかで、その肝いりでここに越してきたってこと?そうでもなきゃただのよそから来た都会のちょいインテリな一家に奇異な目こそ向けるけど、あんなに親切にいろいろ世話なんか出来ないよ!農家って忙しいんだからねぇ・・・ なんて今ではすっかり心が汚れてそんなどうでもいいことがやたら気になる人間になってしまいました。お子様向けのアニメ映画なのについつい熱くなっちゃうなんて私もヤキが回ったな。・・・確かにいい作品です。ご家族で楽しんでください。もしもうっかり私のように考える方がいたとしてもお子様方の前ではそれは禁句です。それは悲しい大人の世界の話ですから・・・(涙)。 [DVD(邦画)] 7点(2007-06-21 16:23:59) |
6. ドライビング Miss デイジー
この作品は、こういうダラダラとした日常を綴ったものとしては珠玉のものですね。気の利いた会話、ユーモアとペーソス溢れるやり取りの数々。この手の作品でコレを上回るものってそうない(似たクサイのも沢山あるけどどれも退屈だったり理屈っぽかったり独りよがりだったり、です)。ザッピングでうっかり通りかかったら絶対そのまま観続けちゃう作品。これはワタシ的には映画に捧げる最大級の賛辞です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-23 17:08:04) |
7. ドリームガールズ(2006)
《ネタバレ》 うーん、出だしはいいと思ったんですが、中盤からもう退屈しちゃいました。 こういうストーリーは置いといて歌こそ売りの映画にしては、その歌もイマイチ入ってこなかったしなぁ。 エフィの再起のためにCCが書いた「ワンナイトオンリー」も正直「これが最高なのか?」って感じで、カーティスが売るためにアレンジしたののほうがインパクトがあったぐらい。そういう意味ではカーティスの路線は正しかっのでしょうね。思い入れのある人、ソウルのわかる人ばかりを相手にするという枠を超えていくというのが、彼の目指すところだったのでしょうから。 ただそれをやっていくとその歌の持つ本質、心に響く部分が失われかねない。そこのところを主張したいんでしょうが、残念ながらエフィ役のJ・ハドソンの歌からは実感として感じられなかった。結局彼女の歌は、「スゴイ!」とは思うけど「イイ!」とまでには至らない・・・ごめん、モータウンは好きだと思っていたけど、そこまで思い入れはなかったってことなんでしょうか。でも私みたいなR&Bやソウルにさほど馴染みのない人間にも「イイ!」って思わせるのがホンモノなのでは? 結局この映画もソコまでは目指していなかったってことなのでしょうか。 [映画館(字幕)] 4点(2007-03-29 12:43:31) |
8. ドリームキャッチャー
《ネタバレ》 えっと、ワタシも深夜映画で何気に観ちゃったクチです。で、何も知らずに観た者としては、「ありゃりゃ、なんじゃこりゃ?」って感じですね。「スタンド・バイ・ミー」風のスタートが「エイリアン」や「メン・イン・ブラック」になっちゃって・・・作ったほうも面白がってやってるんでしょうか?わざと薄っぺらく作ってんならまあいいんじゃないかって思うのですが、そうでないとしたら製作サイドに同情すら感じますけど。でもまあ不思議と怒りは感じないないんです。そこがこの映画の不思議な魅力なんでしょうか? [地上波(字幕)] 5点(2007-02-26 16:22:11) |
9. トップガン
《ネタバレ》 昔、地上波でやってたヤツ観たんですが、いやはや・・・ なんつーか今も記憶に残っているのが、チャーリーの「だって、みんなの前では言えやしない『あなたが天才だ』なんて!」とかなんとかいうセリフ。「天才」だって・・すっげーこと言っちゃうんだな、このネエさん。 というわけでその後すっかり引いててしまったため、天才パイロットの息を呑む空中戦のほうは印象に残りませんでした。・・・やっぱセリフって大事です。 [地上波(吹替)] 4点(2006-12-18 16:32:17) |