1. 泥だらけの純情(1963)
《ネタバレ》 浜田光夫って、こういう危ない、どーしょーもない男のほうが似合うよ。いい子ちゃんの演技は、ちょっと違和感を感じていただけに、つくづくそう思った。 この手の身分違いの男女の恋って、古今東西、繰り返されてきたけど、やっぱり圧倒的に幸せには終われないのだなあ。 ただ、ヌーベルバーグの生みの親みたいに語られる中平康だけど、この映画の時点では、ヌーベルバーグに追い抜かれてしまっているかな。ゴダールもトリュフォーも撮りそうな話だけど(いや、実際撮ってるか)、彼らのような覚めた視点が、もう少しあったらなあ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-07 22:56:32) |
2. 独立愚連隊
勝新の兵隊やくざシリーズと同じ世界観。こちらもなかなか面白い。しかし、三船、あの出番の少なさとあのキャラはないだろう。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-17 21:21:01) |
3. 隣の女
破滅に向かって一直線。フランス映画ってこういう展開が多いかなと思う。それはそれでとても美しい。でも、一歩間違えばただのメロメロ。でもいいじゃん。それで。美しければ。もちろん、映画での話ね。現実にこういう展開、単なる迷惑です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-20 23:39:11) |
4. 突然炎のごとく(1961)
とにかく場面の切り替わりが早くて、若いころ初めて見たときには、まったくついて行けなかった。というか、生意気にもヌーベル・ヴァーグってこんなもん? なんて不届きな感想を抱いてしまったものだった。この年になって三度目の鑑賞。やっぱり、展開早いなあ、と感じた。けど、実は中盤以降の複雑な三角関係の描き方に結構唸ってしまって、そのあたり、自分も年を取ったなあと思う。ただ、若いころのトリュフォーの(いや、ゴダールも)スピードと疾走感ってのは、もちろんとても魅力的だけど、これが初めて出たときの衝撃ってのは、もはや味わえないな、というのも実感。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-16 21:48:08) |
5. 東京マリーゴールド
《ネタバレ》 平均点数、低いなあ。市川準監督って、好き嫌い分かれるんだねえ。 わしは、ハマりました。よかったです。田中麗奈がどの場面をとってもしっかりと絵の中にはまっていて、つくづくいい表情をする女優さんだなあと感心しました。 しかし、あのCM、笑いました。あったなあ、あんなCM。しかも結構好きだった。野球小町って(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-09 23:08:33) |
6. どろろ
《ネタバレ》 いきなりかなりネタばれで申し訳ないのですが、百鬼丸のあそこって復活していたんだ、って、ラストのどろろの金的蹴りを見て、思ってしまった人はかなりいたはず。▼結論から言うと、私以前のレビュワーの皆さんほどつまらなくは感じなかったです。子供の付き添いで(何せPG12なもので)見に行かされたのですが、正直、ここでのレビューの評判の悪さと上映時間を見てそれだけでなえていました。しかし、意外にも最後まで飽きることなく見ることができました。正直ほっとしています。▼もちろん、原作は好きですし、思いいれもありますが、マイベスト手塚治虫ではなかったので、かえって客観的に見られたのかもしれません。▼その上で文句を言うならば、技術的にはすごいのかもしれませんが、細部があまりにも雑で、映像にセンスを感じません。かつては黒澤明にしても溝口健二にしても、あるいはプログラムピクチャーの時代の使い捨ての時代劇を撮っていた諸監督にしても、一枚の絵として、画面にこだわりを持っていました。この映画は、技術に流されてそういうこだわりを、最初から放棄しているように思えます。映画館ならではの迫力で勝負したいというのなら、テクニックで目をごまかすべきではないでしょう。▼脚本も確かに他の人が言うように粗雑ですが、映像に説得力があればカバーできる範囲かとは思います。ただ、琵琶法師という格好の役どころを設定していながら、それが狂言回しにも語り部にもなっていないのは、これはまったく解せません。その枠組みができるだけで一つの様式が生まれたはずなのに。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-28 22:11:17) |