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プロフィール
コメント数 112
性別 男性
自己紹介 10点---- 個人的ツボ。欠点なんて知ったこっちゃない映画。
9点---- 完成度高し。人にすすめたくなるような映画。
8点---- 良作。ちょっと気になる点も。

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1.  ドニー・ダーコ 《ネタバレ》 
暗い青春を過ごす者にとっては、暗い時代がどこまでも続いているように思える。学校という空間の閉鎖性ゆえに、ある者は引きこもりになり、ある者は自殺を試み、そしてある者は、精神を病む。だが、ある時何かに気づけば、一変して世界が輝いて見える。そう、外にも世界は広がっているのだ。 この映画は、「闇」を見れば、自己犠牲の悲しい物語。謎に支配され抜け出せない。しかし「光」を見れば、妄想から抜け出す、希望に満ちた物語。その二重構造は、まさに、青春映画の傑作にふさわしい。ここではこの映画の光の話について。  映画の冒頭、主人公は目覚める。現実世界と離れて妄想世界に逃げ込み、そこで目を覚ましたことの表明だ。つまり、妄想の世界の住人になった。この映画がすべて妄想の産物だとしたら、映画の中で、起こっていることは、こうなって欲しいと創造主が思っていることや、非科学的な現象ばかりでも良い。タイムトラベル(過去に戻りたい欲求)、母親に愛されたり、いじめっ子に屈しなかったり、片思いの相手が自分のことを好きだと言ってくれたり。願望やトラウマなど潜在意識がドラマ化したもので構成される。 この妄想の創造主は、その後、自分の精神的世界の中で、現実に戻る方法を見つける。つまり自我を取り戻すこと。恐怖セラピーのビデオの女は、鏡の中を覗けば、そこには自我が居たと言った。主人公が鏡を覗いたとき、そこにはウサギがいた。その名もフランク。 終盤で、主人公は、地下室の中に導かれる。地下室とは心の中のメタファー。そこで彼がやったこと。  フランクを殺すこと(過去の自分との決別) そして、恐怖の克服(いじめられた恐怖に正面から戦いを挑むこと)、 愛の克服(愛を求める対象を適切に選べるようになること)  その後、彼は自己犠牲の死を遂げる。  妄想の世界では、自己犠牲の死というものが、まったく違う意味を持つ。 肉体の終わりではなくて、妄想の終わり、新しい世界の始まり。 なぜラスト3人が手を振っていたのか。母親、好きな子、少年時代(?)に別れを告げたと解釈することもできる。  この映画の光は、アイデンティティを獲得する物語。 孤独な妄想世界に別れを告げる壮絶な戦いの記録。 鬱屈した青春に捧げる魂の鎮魂歌。  妄想から目を覚ましたこの世界の創造主は、ベッドから起き上がり、新しい人生を始めているのではないだろうか。
[DVD(字幕)] 10点(2010-10-16 15:43:32)
2.  ドライビング Miss デイジー 《ネタバレ》 
「僕らのミライへ逆回転」で本作が出てきて以来気になっていたが、ようやく観賞。まったく退屈することなく見れました。起伏の無いストーリーながらも、淡々とした語り口で最後まで見せきってしまう。脚本と編集が優れているんでしょう。確かに掘り下げて欲しいエピソードは沢山あるし、省略も沢山あり、勿体ない気がしないでもない。しかし、変にドラマを詰め込んじゃうと、こういった後味の良さは生まれなかったかもしれない。主役二人の演技も抜群。モーガン・フリーマンの笑い声が特に印象に残る。彼の発する笑いは、頑なになった人の心をゆっくりと解きほぐしてゆく、そんなパワーが秘められています。それが、この作品を全編に渡って支配する「温かみ」につながっているんでしょう。根底に悲哀が流れていながらも、人を懐柔させる笑いの演技を見せてくれたモーガンフリーマンの演技には感服致します。そして、人の笑っている姿っていいですね。ささやかながらも、心をあったかくしてくれる作品でした。
[DVD(字幕)] 7点(2009-10-24 22:35:00)
3.  トウキョウソナタ 《ネタバレ》 
家庭というものが形骸化、空洞化し、ギリギリのとこでなんとか成立している家族というのは、まぁ陳腐だがリアルなのかもしれない。しかしやや不満もあった。ここでは、主役の父親について。彼には、自分なりの理想とすべき威厳のある父親ってのがあるらしく、それを家族の前で虚勢を張って示している。しかし実際はプライドが邪魔をして本来の自分を家族の前で晒せないでいる可愛そうな男。ちょっと切ない。後半、車に轢き逃げされて覚醒するのだが、これも副次的なものにすぎず、自分から変わってやろうという意志が最後までほとんど感じられない。どこまでも受け身な感じが気になった。そしてラストに向かうわけだが、あの終わりだと、子供の才能に希望を託して終わったようにしか見えない。息子が弾く『月の光』は、親が太陽になってあげないといけないってメッセージなのだろうか?(月光は太陽無しには成立しませんからね)何れにせよ、ぶっ壊れた家庭の中に存在する、うっすーーい希望しか描かれていない。それ故に、あの父親のままだと、挫折ゆえに満たされなかった不満を子供に押し付けるような教育パパになってしまいそうな危機感が募る。親自身が発光して見えないんですよね。自分の満たされないモノを子供の価値で満たそうとする親っているじゃないですか。ああいう人達とダブって見えて、「これでいいのか…?」と何とも煮え切らない結末だった。父親の精神的成長をみたかったです。家族全員、落すなら落して欲しいし、希望なら希望を見たい。末っ子だけじゃなくて。父親が朝ピアノを買って自宅に戻ってきて、朝食後、「月の光」を息子がリビングで弾くという展開ならまだ納得できたかも。何れにせよ、どうにも中途半端で、映像と音楽の良さに脚本が追いついていない印象。役所の登場シーンは言うに及ばず、構成、台詞などもいまひとつ。しかし、ホラーとコメディを交互に行き来する不思議な世界観は充分に堪能。一番笑ったシーンは、キッチンで大威張りしてる父親のシーンの次に、ハロワの階段に並んでる父親を上から目線で撮ったシーンをつないでいるとこ。ニクイ。サントラ欲しくなった。
[DVD(邦画)] 6点(2009-08-16 12:50:03)
4.  トーク・トゥ・ハー 《ネタバレ》 
アルモドバルの集大成はこれでしょう。芸術的で且つ娯楽(惹きつける要素)を見事にブレンドさせた脚本。素晴らしい。評価分かれているようですが、完成度は高いと感じました。主題については自分の気持ちと似たようなことを書いてる方がおられたので、ベニグノについて。 彼は軽い嘘の言い訳をしたことで、レイプに対して罪悪感を感じているようにも見えますが、あれは純粋にただ怒られるからという理由なのだと思います。ベニグノが少女に犯した罪は、普通の感覚から見たらストーカーそのもので、気持ち悪いの一言でしかない。少女の視点から描いた作品だったら、まず間違いなく嫌悪の対象でしかなく『ソドムの市』的な作品になってたはずです。この監督はベニグノの視点から、特異な思春期をあえて事細かに描かず、少しの情報しか与えないで観客に境遇の悲惨さ想像させるような作りにしている。つまり説明不足なのですが、それが逆にこの映画では成功していたと思う。思春期の少年が、母親の下の世話などまでしていたのでしょうか。爪を磨いたり、メイクをしたり、身体を洗ったり。愛情というものはそうやって表現するのだということを母親から学んだのでしょう…。そして彼は彼女と相思相愛であるという結論にいきつく。あまりにも悲しすぎます。通常、どんなに親がおかしかろうと、社会と関わり合いの中で自己補正を行って大人になっていくのだろうが、それさえも彼には許されない。不幸の連鎖はこうやって生まれるのだと思った。彼は成人しているので、境遇を理由にはできないと主張する人もいることは分かりますが、明らかに社会に迷惑をかけてしまうパラフィリアで治療の対象であり、精神鑑定が必要な事例だと思います。途中、性の目覚めがサイレント映画を見た後に起こるのだが、ベニグノはそれまでオナ●ーすら経験したことなかったんじゃないだろうか…。これは考えすぎか・・・。などと色々な事を観客に考えさせてしまう悲しい映画でした。しかし、重い・・・重すぎますよ。これ。この話が実話でなくて良かった。
[DVD(字幕)] 9点(2009-06-24 15:56:35)(良:1票)
5.  遠い空の向こうに
名作すぎて、今更投稿する内容も語りたいことも特にありませんが、素晴らしい映像と脚本ですね。官能が高まってるシーンで、蒸気機関車のフラッシュはベタすぎて笑いましたが。日本ではヤカンですよねw October Skyという原題が美しいなと思っていた所に、アルファベットの並べ替えだと知った日には鳥肌が立ちました。あと、ライリー先生が只の良い教師じゃないところもいいんだよなあ。音楽も地味に良い。ロケットが真っ直ぐに青空を裂いていくシーンは爽快。
[DVD(字幕)] 9点(2009-06-24 14:53:03)
6.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
雰囲気、映像、音楽は素晴らしい。
[DVD(邦画)] 5点(2009-02-17 00:27:43)
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