1. ドライブ・マイ・カー
世俗臭の全くしない登場人物たちによる、浮世離れしたエピソードの数々。美しい映像に、淡々としたセリフ。それが心地良い人には最高の映画だし、合わない人には退屈なだけの映画。世俗にまみれた私は、どっちかというと後者寄り。本気でこの映画を語ろうと思えば、村上春樹とチェーホフへの造詣が必要だと思いますが、日々、世知辛い娑婆で暮らしております。そこまではとても手が回りません。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-04-01 21:53:30) |
2. ドント・ルック・アップ
《ネタバレ》 過去に散々扱われてきた、彗星衝突がモチーフなのに、ちょっと見たことがないような映画に仕上がっている。冒頭はSFかと思いきや、どうも違っていて、じゃあパニック映画かと思えば、どうもそれも違う。先の展開が読めないうちに、あれよあれよと彗星が近づいてきて、結局そうなったか、と苦笑いするしかないラストを迎える。何となく、現実もそんなもんかも知れないな、と思わせてくるところが、この映画の勝利だと思う。もの凄い豪華キャストに、尖った内容、ネットフリックスオリジナル、恐るべし。ラストの爆発直前にストップモーションになる演出、どこがで見たことがあるなと思って、よく思い出してみたら、バタリアンでした。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-07 21:24:07)(良:2票) |
3. となりのトトロ
子供の頃に見て以来、テレビでやってて久々に見ました。日常のすぐ隣りに潜むフンタジーのまあ魅力的なこと。1シーン1シーンがとにかくきれい。自宅のデザイン、田舎の風景、お社とご神木、陰の濃い昼の夏、雨の降る暗い夜、メイを探す不安な夕暮れ。話らしい話はほとんど無いのにこの世界観にグイグイ引き込まれます。この映画がなぜか涙が出てしまうのは、おそらく音楽の使い方が抜群に上手いせいだと思います。感情が揺さぶられたところにドンピシャで効果的な音楽が入ります。冒険ファンタジーでヒットを飛ばしてきた監督にとって、この作品がウケるかどうかは多分博打だったんじゃないでしょうか。しかし結果的には大ヒットで、個人的には宮崎監督作品のNo.1だと思います。まさにコンセプトの勝利。奇跡の1本だと思います。 [地上波(邦画)] 9点(2016-11-04 23:29:22) |
4. トライアングル(2009)
《ネタバレ》 これは掘り出し物。深夜放送でなんとなく見てたら面白いのなんの。ループ一週目は殺人鬼から逃げ回り、二週目では仲間を助けようと奔走するも助けられず、三週目では迷いながらも殺人を始め結果的には一週目に現れた殺人鬼になり、四週目は二週目の血も涙もない殺人鬼になるのかと思いきや、舞台は突然地上へ。主人公同様、見るほうも周回を通してだんだん状況が呑み込めてくるのでこの世界にのめりこんでいく。かと思えば突然予想を裏切るラストが待っていて。お見事でした。あんまり有名な作品じゃないので、なんか面白い映画知らない?って聞かれてサラッとこの映画が言えたりすると、なかなかの通なんじゃないかい。 [地上波(吹替)] 8点(2014-11-29 21:41:04) |
5. トゥモロー・ワールド
娯楽映画だけど、リアルっぽく見せることにこだわる監督だと思った。みんな言うとおり長回しシーンは凄いとしか言えない。凡百の近未来SFとは一線を隔す技術と作家性を感じさせられる。でもなぜか全体的にイマイチ楽しくない。なんでだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-14 10:53:13) |
6. トレーニング デイ
主役二人のやりとりがとにかく魅力的。ストーリーも予想を裏切る展開でありながら、きちんと伏線を消化していき「そうきたか!」と納得してしまうものでした。中盤までは10点満点をつけようかと思ったのですが、終盤の話の展開が少々まわりくどかったので残念です。とはいえ久々にシビレる映画を見ましたよ。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2009-05-02 01:11:59) |