1. トリプルヘッド・ジョーズ<OV>
《ネタバレ》 な、なんてこった・・・・・! まさか、・・・まさか、・・・・誰も脱がないなんて・・・ いったい何を考えているんだ・・・ とまあ、それはさておき。今回最大の見どころは、なんといってもダニー・トレホVSサメ。 サメと戦うダニー・トレホを見られるのは、この作品ぐらいではないでしょうか。 サメの首をでかいナイフで切り落としちゃうダニー・トレホ。 その直後に食べられちゃうダニー・トレホ。 いやー、作り手のみなさん、よくわかってらっしゃいますね~。ダニー・トレホの正しい使い方! ちなみに、オープニングはともかくとして、前半すごく真面目です。 チョーB級映画なのに、A級っぽい雰囲気作ろうと必死です。 でも研究所が襲われたあたりから次第にボロが出始めて、本来の自分を取りもどしはじめます。 『はっ!そうだ・・・オレはB級映画だった・・・。何をかっこつけていたんだ・・・』 そこからは、後半、そして終盤になるにつれ、登場人物達の知能指数は急下降。見事なまでに下がっていきます。 なにせ誰も本気で生き残ろうなんて考えていません。(多分) 『さて、どうサメに喰われてやろうか?』みんなそればっかり考えています。(多分) だから前半は退屈ですが、後半はもっと退屈です。 でも、こーゆーバカ映画が作り出す退屈な雰囲気、結構好きなんです。 前半を我慢すれば、中盤以降はきっとあなたが見たいものを見せてくれる、そんな映画です。 [DVD(字幕)] 6点(2024-06-07 22:45:51)(良:1票) |
2. 飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲
《ネタバレ》 『悪魔のいけにえ』の良さや怖さっていうのは、レザーフェイス単体にあるのではなく、ソーヤー一家の狂気と共にあるんじゃないかな。 もちろんレザーフェイスはソーヤー一家の象徴のような存在。 彼なくして『悪魔のいけにえ』は語れない。 でも彼だけでも『悪魔のいけにえ』は語れないのです。 で、副題の『レザーフェイス一家の・・・』っていうのはどうなの?って思った次第ですが、・・・なるほど、あなたが家族に加わるわけですね。 でもあなた、会ったばかりの従妹に友人殺されてますが、それはいいんですか? 1人は完全にレザーフェイスにやられちゃってるし、2人は事故死だけどレザーフェイス絡みの関連死のようなもんだし。 友人や恋人が死ぬ原因となった相手をよく許せますねー。 ストックホルム症候群というやつか? 確かに街の人間はクズですが、そもそも悪いのはソーヤー一家ですからねー。 レザーフェイスが出ているだけで、中身はただのスラッシャー映画。 リメイク作品ではテキサス・チェーンソーのほうがオリジナルの怖さを踏襲していると思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2024-04-14 20:13:31) |
3. 鳥(1963)
《ネタバレ》 もったいぶるなぁ。事件が起きるまでおよそ1時間。・・・もったいぶるなぁ。 まあ、そのもったいぶりかたが嫌いではないです。 もしかすると、前半はラブロマンスみたいな雰囲気をあえて出したのかな。タイトルもThe Birdsだったから、まさかホラーとは思われないかもしれない。当時予備知識無しで映画館で見たひとたちは、さぞかし度肝を抜かれたことでしょう。そう、これは後の時代にDVDやらで簡単に鑑賞できるということを想定して撮られたものではないのです。当時リアルタイムで、予備知識なしで、何の心構えもなく油断した人たちをあっと驚かせるような、そんなエンターテイメントムービーの先駆けだったのでしょう。きっと。 つまりは、あの前半の甘ったるい恋愛パートは、ただのミスリードなのです。『愛の鳥』もミスリード。ああ、これは恋愛ものなんだと、観る人を油断させるための『愛の鳥』なんです。そこからあの惨劇。何も知らずに見ていたら・・・。 そもそも鳥が人を襲うようなパニックムービー自体が当時としてはかなり斬新だったのではないでしょうか。 CGがない時代に、この映像はいったいどうやって撮ったんだという映像が盛りだくさん。 今まで撮ったことがないであろうジャンルの映画を、この完成度で仕上げるのはまさに天才です。 今のように数多くの映画があふれている時代でもなかったでしょうから、お手本になるような映画も無かったんじゃないかな。 こーゆーパニック映画のパイオニアとして、この作品を世に送り出したヒッチコックの功績は極めて大きいと言えるでしょう。 ヒッチコックの映画のなかではこれが一番好きかもしれないなぁ。パニックものが好きという、個人的嗜好もありますが。 作品の出来自体は7.5点くらいなのですが、ヒッチコックの他作品との差別化を図る意味も込めて8点で。 面白かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2023-09-05 02:19:26)(良:1票) |
4. 時計じかけのオレンジ
《ネタバレ》 かなり有名な作品ですから、観る前から作品に対してイメージが先行していたことは否めない。 自分のなかで神格化されつつも、なんとなく制作年の古さから手が伸びなかった作品。 で、『遂に鑑賞した』っていう、この無駄に上がったハードルのせいで、率直な感想は『思っていたほどではない』という残念なもの。思っていたよりストーリーもしっかりしたものです。 もっと荒唐無稽。もっと自由奔放。もっとぶっとんだものを想像していました。 オープニングはこちらの期待通りの出だし。秩序やモラルからはみ出した存在。この映画でしか見られないような無軌道で無秩序な若者を見事に描いてくれました。純粋な悪のカリスマのようなアレックス。なるほど。評判通りです。怖いもの見たさの好奇心を満たしてくれるのに十分でした。 雲行きが怪しくなってきたのは、保護観察みたいな人が出てきてから。 あれ?なんかアレックス普通じゃね?よくいる不良というか引きこもりというか・・。 決定的だったのは仲間の裏切り。 急に気持ちが冷めていく。 仲間内でのいざこざなんて、その辺にいる有象無象と大差ないじゃん。 もっとクールでミステリアスでカリスマなグループかと思っていました。 がっかりに拍車をかけたのは刑務所に入ってから。 もう普通の人と変わらない。とにかく早く釈放されるためには何にでもすがりつく姿勢に、少なからず落胆しました。 じゃあいっそ破滅的なエンディングを見せてくれるのかと思ったら、決してそういうわけでもなく。 なんか破格の待遇を約束されて、まさかのハッピーエンド? 前半のぶっとんだノリで想像もできないような物語を見たかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-08-06 18:05:13) |
5. トータル・リコール(2012)
《ネタバレ》 他作品のパクリとか、そんなのはあまり気にしません。結果、映画が面白くなるならそれでよい。 ただ、この映画、前半は良いんですが後半が圧倒的につまらない。誰が何の目的で今何をしようとしているのかがごちゃごちゃしてよくわからない。敵のボスを倒せばよいの?ロボットたちの機能を停止させればよいの?なんかいろいろお互いに画策していたようですが、結局安直に爆破して終わりって。なんか拍子抜けです。 この手の映画は最後にカタルシスとか達成感とか、そーゆーものを感じさせてほしいものです。 それがダメなら映像面で楽しませてほしいのですが、それもいまいち。 いや、映像技術はオリジナルより格段に上なのですが、映像面でもワクワクさせてくれたのはオリジナルのほうなのです。まあ多少思い出補正はかかっているかもしれませんが。 いつ火星に行くのだろうかと思っていたのですが、結局火星には行かないストーリーだったのでそこもがっかり。 ヒロインも、敵の性悪女幹部のほうが絵的に美しいってどーなの?ミスキャストじゃないですか?どちらにせよヒロインに華がないのは致命的です。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-07-06 01:42:46) |
6. 道化死てるぜ!
《ネタバレ》 C級ホラーとしては出色の出来。 悪ガキどもは本当にしつけがなってなくて、オープニングでピエロに同情しちゃうレベル。ピエロは悪態をつきながらも、ちゃんとピエロとして子供たちを楽しませようとはしている。はっきり言ってこれが日本の子供たちだったら、目を輝かせて喜ぶだろうし、ピエロが死ぬこともなかったでしょう。 で、この悪ガキどもが6年後、高校生になってからピエロの復讐が始まります。なぜすぐに復讐を始めなかったのかって?・・・それは大人の事情というやつでしょう。まさか小学生をあんなむごいやりかたで惨殺する映像を流すわけにはいかなかったと思われます。そう、この作品の何が良いかって、殺し方。そのレパートリーの豊富さ。やっぱりバカグロ映画は、どうせやるならこれぐらいやってくれないと面白くない。中途半端が一番だめ。その点、この映画は結構突き抜けていて良い感じ。しょーもない倫理観なんか、かなぐり捨てちゃえってね。で、ちゃんとピエロの小道具を使って殺っていくのが良いじゃないですか。 ただね、この悪ガキたち、高校生になってから微妙に良いやつになっちゃってる。なんか友達思いなのよね。 約2名、性格クソのまま大きくなったバカップルがいます。もちろん2人とも殺されます。そこは爽快。ピエロにもっとやれと喝采を送ります。 でも他のメンバーは絶妙に良いやつ。カメラ小僧と食いしん坊乙女少年は、なまじ友達思いなのでちょっとかわいそうでしたね。 ピエロが次々と殺していくところがこの映画のピークで、そこからラストにかけてはどんどん尻すぼみ。あまり盛り上がることもなく決着。こーゆー映画にしては色気も足りない。 でも時間短めで、サクッと猟奇的な欲求を満たしてくれる娯楽作品。アリです。 [DVD(字幕)] 7点(2023-04-09 00:37:56)(良:1票) |
7. ドリームハウス
《ネタバレ》 だいぶ早い段階で、 『これはあれかな~……よくある主人公の妄想パターンかな……』 と勘づいてしまう。 ウィルと他の人たちは交流があるけれど、ウィルの家族とはだれも触れ合うシーンが出てこない。2階にいる奥さんに挨拶に来るようウィルが呼びかけても、奥さんはなぜか降りてこない…。1つ1つがあまりに不自然。 まあそれもそのはずで、そのミステリーは中盤くらいでさっさとネタバレされてしまいます。 できれば、その中盤で一回上手に驚かしてほしかったところです。 メインのストーリーはそこから先。ズバリ、真犯人は誰なのか…! これ最後のほうでウィルの妄想でしたーっていうオチだったらウィルが犯人で、それこそ救いようのないお話だったと思います。 家族がもういないという悲しい事実は覆せませんが、ウィルが犯人ではないという一応の救いが用意されていて良かったです。 ちなみに真犯人が誰なのか?これは前半に比べるとなんともパンチの弱いストーリー展開です。 それにどー頑張っても家族は戻ってこないことがわかっているので、これはなかなか見るのが辛かったですね… そしてここで他の方のレビューを見るまで、恥ずかしい話真犯人の動機が実はよくわかっていませんでした。 ってゆーか人違い殺人なら動機なんてねーじゃねーかよ!そこ一番大事なとこなのに~ そんでなんか2人組で、一人はお隣さんの感じの悪い旦那ですが、もう一人は・・・・誰?こんなやついたっけ?で、勝手に仲間割れしているし・・・ 見ているときは、この二人の動機と関係性がよくわからないままグダグダに映画が終わっちゃった印象です。 ・・・私の理解力が低いのか・・・?いや、そんなはずは・・・(;・∀・) [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-09-26 05:39:13)(良:1票) |
8. 図書館戦争 革命のつばさ
《ネタバレ》 メディア良化法。良化隊。良化隊への対抗組織としての図書隊。思っていたよりゴリゴリのファンタジー。 ただ上記3つを除くと、現実社会と変わらない秩序が保たれている世界。 このリアルとファンタジーが個人的にはうまく混ざっていない感じがして、ずっと不純物のまじった独特の気持ち悪さを感じていました。 ガンダムシリーズのようにいっそ戦争状態にしてもらったほうがまだ説得力があります。そんな有事でもないのに、街中で簡単に一般人に向けて銃火器の使用が認められる法案なんて通るわけがありません。 それにメディアや書籍を規制するのにスマホは全く規制されていないなんて矛盾もいいとこ。『テロや人権侵害の原因』という理由ならば、まっさきに規制すべきはSNSを発信できる通信機器でしょう。そもそもの設定が矛盾だらけなのがどーにも居心地の悪さを感じます。 それからこの作品はTⅤアニメ版かなにかがあって、そのスピンオフ的なものなのでしょうか。知らない思い出が一方的に挿入されますが、この映画が初見なので何のことやらさっぱりわかりません。ファンには嬉しい演出なのかもしれませんが、そのぶん一見さんへの配慮が足りないように思えます。 最後に、登場人物の恋愛パートだけやたら昭和のノリなのが気になります。 そもそも昭和であっても、この人たちの年齢でこんな中学生みたいな恋愛しないでしょ。 [DVD(邦画)] 5点(2022-07-24 08:29:34) |
9. トランス・ワールド
《ネタバレ》 最初はホラーかと思ったのですが、すぐに違うと気づきます。 ああ、きっと『世にも奇妙な物語』系のサスペンスなんだろーなと。この人たちはきっと死んでいるんだろーなって。 で、その予想は当たっていたわけですが、まさかの血縁関係、これは予測できず。 非業の死を遂げた一族が、時代を超えて一堂に会するというのはなかなか面白い設定です。そしてその事実をすぐには明かさない。伏線をはり、違和感を演出し、驚きとともに真相に近づいていくストーリー展開が興味をそそられます。 そしてその目的が『未来改変』っていうのも私が好きなジャンルです。 ただどうしても未来改変ものとなると、『バタフライ・エフェクト』を考えてしまいますので、戦死するはずの祖父を助けてしまったら、ここにいる人たちはサマンサ以外消えてしまうのでは、・・・、と、どーしてもそこが気になりますね。 まあ、そーゆー細かいことに目をつむれば、非常によくできたサスペンス。 『クラシックな車でかっこいいね。』『そのダサいジャケットを貸せ。』『これ最新モデルなんだけど』などなど、小さい伏線に後から気付くわけです。これもう一回見直して伏線チェックしてみると面白いかもしれない。新しい発見がありそう。 ガソリンスタンドのおっちゃんは神様か何かなんでしょうかね? やたら強盗二人の女の人生修正しようとしますが、男のほうをなんとかしたほうが良いんじゃないだろうか?もしかしてここは笑いどころなのか?? [DVD(字幕)] 7点(2022-07-20 07:47:47)(良:1票) |
10. ドライヴ(2011)
《ネタバレ》 これは掘り出し物を見つけた!すごい面白い映画だ!と興奮していたら、たくさんの方がレビューされていて、実は有名な映画だったというね。私が知らなかっただけでした。 まずライアン・ゴズリングが最高にかっこいい。余計なことは何も言わない。でもなすべきことは完璧にやる。このスタンス憧れます。私もこうなりたい。どちらかと言えば余計なことを言ってしまいがちな自分を、この映画の主人公みたいに変えてみたい。 極力BGMを抑えた演出も好き。アメリカ映画っぽさがなくなり、とても硬派でリアルな雰囲気になります。 キッドはどこから来たのか?もともと何をやっていた人間なのか?車の整備工場で働きながらカースタントのアルバイトもしているのに、なぜ犯罪に手を染めているのか?そーいった説明は一切なし。 いつもだったらその辺はっきりさせてくれないともやもやするんですが、不思議と今作では気になりません。むしろ背景を語りすぎないのも良いもんだとすら思えてしまう。きっと主人公がずっとそーゆーオーラを出し続けているからでしょう。 まったく予備知識なしで鑑賞したものでして、レースに出るという話になってからちょっとしたサクセスストーリーを期待しちゃいました。『だからドライヴなのか。』と妙に納得しかけたところで、話は全然違う方向へ転がり始めます。だから全く先が読めなくて、終始ハラハラした緊張感を味わえました。 それにしてもただのビジネスパートナーくらいにしか思っていなかったこの人たちと殺しあうことになるとは・・・ ヒロイン役のキャリー・マリガンも最高にかわいくて、あらゆる面で隙がない映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2022-07-06 14:53:52)(良:2票) |
11. ドリーム
《ネタバレ》 麦は踏まれて強くなる。トマトもストレスをかけるとより甘くなるらしい。 この映画を見ていて、やはり人を育てるのは逆境なのだろうかと強く思いました。おそらくかなり誇張されてはいると思いますが、恵まれた環境で仕事をしている白人たちの無能さが、優秀な黒人女性3人との対比によって浮彫りにされています。 ゆとり教育は終わりましたが、相変わらず子供をとてもか弱き生き物として、傷つけぬよう大事に大事に温室栽培。親も教師も叱ってはならない方向に舵をきっている日本の将来が不安でなりません。ちょっと映画の感想とは離れてしまいましたが、今作を見ながらそんな感想を持ってしまいました。 そして1960年代と言えば人種差別がまだまだ健在だった頃。今作も例外ではありません。有人飛行の成功よりも、キャサリンの涙ながらの心の訴えのシーンが一番心に残ります。 不当な扱い、不平等が当たり前の世界。そんな中自分たちの才覚と努力だけで周りを認めさせ環境を変えていく3人の女性たち。この3人の活躍なくして、今のアメリカは無かったと思えるくらいの説得力を感じます。実話に基づいているとはいえ、この脚本、ストーリー構成は見事すぎます。 ただでさえ情報量が多いので、再婚のエピソードはなくても良かったかもしれません。もちろん『キャサリンは決してスーパーマンなんかじゃない。ささやかな家族の幸せと権利を望むだけの一人の女性なんだ。』と、印象づけるのには成功していると思えます。 ですがそれはトイレから戻ってきたキャサリンの涙ながらの訴えのシーンや、二人の同僚の権利を求める闘いのエピソードで十分に描けていると思います。 それにしても自省の意味もあるとは思いますが、ここまで当時の白人至上主義をクソミソに描いた映画を製作するなんて、アメリカって実は懐の深い国なんですね。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2022-06-14 00:09:50) |
12. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 長尺ですが長さを感じさせない映画。それぐらい映画に入り込めました。 いや、やっぱ少し訂正します。前半30分がややだるい。状況説明が複雑というよりは、映画にするには情報量が多すぎる気がします。ですがここは気合入れて見とかないと、面白さが半減するのではという強迫観念から集中して見ました。 さて、今作の魅力はなんといっても二人の主人公。敏腕ジャーナリストのミカエル。天才ハッカーのリスベット。この二人の何やってるかはわからんのだけど、なんだか超頭脳プレーやってる感じがたまらなくかっこいいのです。 ミカエルは登場時あんまぱっとしません。なにせなんか記事で訴えられて、敗けて、賠償金で窮地に立たされているわけですから。だからあんま有能には見えない。ですが実は切れ者というのが徐々に見えてくるわけです。マイナスイメージからのスタートなので好感度は上がる一方。 そしてミカエル以上に魅力的なのがリスベット。ミカエルも優秀だが、リスベットは更にその上をいく天才。そして天才ハッカーでもある。でもリスベットの人生は最悪そのもの。父親、後見人、出会う男性は鬼畜ばかりで男性不信になるのも必然。 そんな警戒心むき出しのリスベットに仕事の協力を依頼するミカエル。この展開がアツい。 ある意味ライバルに近い関係だった二人が手を組み巨悪に立ち向かう。まさかこのエゲツないストーリー構成で、まさかのコテコテ少年漫画的激アツ展開を誰が予想できましょうか。 そしてそんなリスベットがミカエルに少しずつ心を開いていく様子がまたたまらないのです。 ベッドで仕事モードに入ったミカエルがリスベットのパソコンをのぞき込もうとすると『もう少し触ってて』とリスベットが実にさりげなく甘えるシーンがあります。あまりに何気なさすぎて、それが激萌え。ツンデレここに極まれりです。 ホラー&サスペンスのスリル、知的好奇心を刺激されるミステリー、そして究極のラブロマンス。そのすべてがこの映画につまっていて、これは忘れられない映画になりそうです。 ラスト20分。リスベットが何をやっているのかはわかるのですが、誰のためにやっているのかがよくわかりません。結局自分のため?分散させた口座はリスベットの口座なの?その辺最後もやもや・・ そして大絶賛されている恋のゆくえですが、成就してほしいと願っていた私としては凡作に成り下がっても構わないので、リスベットとミカエルにくっついてほしかったのです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2022-06-11 02:47:29)(良:1票) |
13. トガニ 幼き瞳の告発
《ネタバレ》 実話に基づいているから仕方ないとはいえ、最初から最後まで救いが無い映画っていうのは本当に辛い。 犠牲を伴ったとはいえ、変態教師はそれに相応しい最期を遂げてくれる。でも校長は?行政室長は?寮の管理人?の暴力女は?汚職刑事は?誰も罰を受けることなく終わってしまう。溜まりにたまった怒りとフラストレーションは解放されないまま映画は終焉を迎えてしまう。『実話だから・・・』いや、そうなんだけれども・・・! ショックだったのが敏腕検事の造反。メインキャラではないのに、凄まじい切れ者っぷりで圧倒的に裁判を有利に進めていく。こんなに頼りがいのある検事が味方についてくれたのが唯一の救い。だったはずなのに、最後の最後でこの人が裏切ってしまう。決定的な証拠を握りつぶされてしまうのです。 こんなに周りが醜悪な人間ばかりで、弱者がひたすらいたぶられる映画ってのもなかなかない。これもすべて『実話だから・・・』の一言で片づけられてしまう。 唯一の救いはこの映画がきっかけで、現実社会のほうで『トガニ法』なるものが制定されたこと。時効が撤廃され元ネタとなった当時の事件が再捜査。結果、一度は極刑を免れた加害者に厳罰が与えられ刑務所にぶちこまれることに。 映画の力は偉大です。そしてこーゆー映画がきっかけでよりよい国になろうとする韓国を日本も見習うべきだと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2022-04-15 01:55:00) |
14. 特攻野郎Aチーム THE MOVIE
《ネタバレ》 昔の特攻野郎Aチームを見たことはありません。だからなのか、純粋にアクションコメディとして凄く楽しめました。 決して順風満帆とは言えないストーリーなのに、終始楽しそうなメンバーが良い。1人1人の能力が高く、どんな逆境でもはねのけていくのが爽快。裏切りや黒幕の正体など、ストーリーも面白い。 そしてなんといってもこの映画ならではの見どころがあります。 予告で見たことがあるのは戦車のシーン。予告で見たときはなんてバカな映画なんだと思ったものですが、実際映画の中で見てみると、バカバカしくも必然性を感じるからすごい。 戦車も笑ったのですが、更に面白かったのはスクリーンから飛び出してくるリアル3D。マードック大尉を脱獄させるシーン。ここは爆笑必死です。 最後はハンニバルのおかぶを奪うフェイスの頭脳プレーで見事にリンチを捕獲。これで自分たちの汚名をそそぎ、軍に復帰・・・かと思いきや脱獄の罪で再び逮捕。無実の罪で投獄されても、脱獄したらその罪に問われるってなんだそりゃ。どーせおバカコメディなんだから4人が復帰して新たな任務で活躍するような終わり方でスッキリさせてほしかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2021-08-29 22:52:02)(良:1票) |
15. トロール・ハンター
《ネタバレ》 結構バカにされている作品のようですが、個人的には面白かったです。 で、これも個人的な感想ですが、ちょっと怖かったです。私的には『ホラー』のジャンルに入ります。 最初のトロール出現シーンに始まり、トロールの怖さがしっかり描かれた力作です。 これは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』をトロールに変えただけですね。 『ブレア~』や『REC』や『クローバーフィールド』といった類の手持ちカメラホラーが大好きなので、この映画も例にもれずはまりました。この臨場感がクセになります。もしかすると、映画というよりアトラクション的面白さを感じているのかもしれません。 思っていたよりトロールが次から次に出てくるのも楽しい。 『山トロール』とか『森トロール』とか、マウンテンキングとかなんとかかんとか、種類が豊富なのも良い。 トロールハンターの詳細なトロール蘊蓄が、どれももっともらしい説明ばかり。設定を作りこみ、真実の物語感が増します。『成長するたびに頭が増える。増えた頭はただの飾りで、相手を威嚇するために使う。』なんていかにもって感じで、よく思いつくなと感心します。キリスト教が狙われるっていうのは胡散臭いですが・・・ で、途中までは思いもかけない掘り出しものを見つけたものだと8点をつけようかと思ったのですが、ラストがいただけません。 まるで某類似作品みたいな終わらせ方ですが、この作品には合いません。こんなあやふやで終わらされて消化不良感がすごかったのでマイナス2点です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-08-29 18:57:03)(良:1票) |
16. トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男
《ネタバレ》 正直見ようかどうか迷った作品。なぜなら伝記もののようなお堅い作品は娯楽ばかり求めている今の自分には向いていないと思ったからです。で、そんな精神状態で見た本作ですが、これがなかなか面白かった。純粋に映画として面白かったです。 赤狩りを題材にした映画は数多くあります。そんななか、これは割とソフトに描かれたほうかもしれません。ですが実際には共産主義というだけで財産を失い、家族を失い、無実の罪を着せられて投獄された人々がたくさんいたわけですから、恐ろしい時代だったのは間違いありません。 で、この映画の良かったところは、そんな時代背景を色濃く映しながらも、負の側面ばかりをとらえなかったところにあります。 トランボという希代の天才脚本家の壮絶ながらも輝かしい人生。あくまでそれがメインなので、ある種のサクセスストーリを見るかのようなカタルシスを感じることさえできます。 その一方で、『ローマの休日』や『スパルタカス』といった名作が生まれた背景にそんな事情があったなんて、この映画を見なければ知る由もなかったでしょう。 政治的弾圧を受け不当に投獄されながらも名作を生み続けたトランボ。 信念を貫く一方で家族を愛し、隣人を愛し続けたトランボ。 その人間の偉大な功績とそこに至るまでの軌跡を描いた物語。 私の知識不足のため、時代背景やストーリーが完璧には理解できていない可能性があるため7点とさせていただきますが、これは映画としても映画史的資料としても貴重な映像作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2021-08-18 03:24:40)(良:1票) |
17. トロン:レガシー
《ネタバレ》 クソつまらない。とゆーかよく意味がわからない。 前作を視聴しているのが前提なのでしょうか。 クルーって誰?トロンって誰?アイソーって何?グリッドって何?ユーザーって何ー?? 説明不足のまま、話はどんどん先へ進んでいきます。 どうやら『黄色い光の人たち』と『白い光のひとたち』は仲良くないらしい。ってことぐらいしかわからないんですけど。 でもさすがに途中からは少しずつ、ぼんやり前述のいろいろが何を指すのかがわかってきます。 そして、わかってきたうえで、あんま面白いストーリーではないなと改めて感じるわけです。 最初に父親だと思っていた人は『クルー』と名づけられたプログラム。どうやらこの『クルー』がゲームの世界から人間界に出陣するため、父親のマスター・キーを狙っているらしい。父親はそうはさせまいと身を隠す。そこで『クルー』は父親を見つけるために息子のサム・フリンをポケベルでおびき出す。 だったら、最初にサムがゲームの世界に来たときに、死ぬかもしれないようなゲームに参加させちゃうってのはダメじゃない? それにやたら『完全なるシステム』を声高に謳っていましたが、完全なるシステムを構築したと言い張るなら、演説は必要ないでしょう。みんなクルーに従うプログラムなんですから。 で、このコンピューター内部の世界ってのが、最初こそ凄いかっこよくてわくわくしたんですが、そればっかりだとやはり飽きてきちゃうんですよねー。同じ景色。同じ色。もっと色彩プリーズ。 ゲームの世界に入っちゃう序盤。そこから怒涛の『ディスクバトル』と『バイクバトル』。この辺りまでは最高に面白かっただけに、ずっとそのノリでいってほしかった次第です。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2021-05-19 06:26:19)(良:2票) |
18. 共喰山
《ネタバレ》 邦題が究極ダサいので期待はしていなかったのですが、思っていた以上に力の入った力作。 特に中盤。メルがヒルに襲われ、その後謎の病気に感染し変異を始めてからが俄然面白い。 同じタイプの映画はたくさん作られていますのであるあるなんですが、仲の良い友人同士なので安易に殺したり置き去りにしたりはできないんですね。 で、みんな『どうしよう。どうしよう。』とオロオロしている間に、どんどん状況が悪くなっていく。この焦燥感こそこのタイプの映画で味わうべきポイント。だんだん追い込まれ劣勢になっていく様子が無理なく自然に堪能できます。 ただし、登場する若者達が自己中すぎてイライラさせられるっていうのも、こーゆー映画ならでは。 無駄にわめく。無駄に争う。見苦しいうえにうるさくて辟易します。ここはマイナスです。 そして終盤。得体の知れないモンスター登場。ちょっと欲張りすぎてテイストがぶれぶれになっちゃいました。感染した人間同士の殺し合いだけのほうが傑作になった気がします。 どうやら感染源は『水』らしいのですが、噛まれて感染しないってのもちょっと物足りないですね。 まあでも見ている間は結構ハラハラできて楽しかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-12 01:09:27) |
19. ドリーム・ホーム
《ネタバレ》 あるマンションで起きた連続殺人事件。まさかの動機に唖然とする戦慄のサスペンス。 物件の価値を落とすためだけにあれだけの事件を起こしちゃうとはぶっ飛んでいます。 主人公の女はなぜあれほどまでにあのマンションの海が見える部屋に固執したのでしょう。過去のエピソードにその答えがあるのでしょうか。 幼い頃に祖父に言われたから? 母を新しいマンションに住まわせてあげたかったから? どれも決定打と言うには弱い気がします。 それに家族は弟以外全員他界。ある意味自由になれた今、もはやあのマンションに固執する理由はあまりないような気もしますが・・・。いや、理由なんてもはや無いのかもしれない。それが人生の目的になってしまっている感じです。 ストーリーだけを見てみれば普通のサスペンススリラー。ですが過激なグロ描写がこの映画を普通のサスペンスとは一線を画すものにしています。 これだけの犠牲者を出し、自身も大怪我をし、やっとマンションの価値を下げることに成功。 その翌年、サブプライムローンの不良債権化問題で勝手に下落する住宅価格。 恐ろしいほどに皮肉の効いたストーリーですが、むやみに時系列がいったりきたりするのと、悪趣味の粋を超えるスプラッタに多少辟易したので、やや減点。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-29 14:24:15) |
20. 塔の上のラプンツェル
《ネタバレ》 人さらいが母親のふりをして子供を育てる物語。はっきり言って凶悪犯罪ですが、そこはディズニー。うまいことライトでポップな感動エンタメムービーに仕上げています。 高評価のため期待値を上げての鑑賞。そのためか、面白かったのはその通りなのですが、『期待を超える』作品とまではいかず。 そもそもミュージカルが苦手な自分。特に序盤は歌ばかり歌ってあまり物語りが進まないので少々だるい。 フリンとラプンツェルが出会ってからは歌が減り、コメディテイストが強くなる。二人の掛け合いは面白く飽きません。 『恋愛は付き合うまでが面白い』と誰かが言っていましたが、この作品もまさに二人の心が寄り添うまでが面白いです。最初反発し合うのはもはやお約束ですね。 2人が城を目指し塔を出てからはコメディ要素に加え、アドベンチャー、そしてアクションの要素も加わり、面白さが加速。この辺から歌もあまり気にならなくなります。歌が物語に自然と溶け込んでいる感じがします。 スタビントン兄弟や城の兵士たちとのおっかけっこはスピード感があって、アトラクションのよう。アニメーションは文句なしのクオリティ。空飛ぶ灯篭が有名ですが、私はラプンツェルの髪が光る映像の美しさに圧倒されました。あの髪の質感と光の表現力はもう髪だけに神の領域かと・・・。 終盤、ラプンツェルが突然過去の記憶を思い出すのはあまりにも都合良すぎ。そこは大事なところなので、もう少し説得力のあるエピソードを用意して欲しいところです。 瀕死のフリン・ライダーがラプンツェルの髪を切るシーンは感動の名シーン。これは子供向けだと馬鹿にできないと思いました。 まさかこのままフリンが死んでしまったら、21世紀になってディズニーも随分と変わったもんだ思ったのですが、そこはディズニー。ファンタジーパワーで当然復活。悪だけが滅び、お約束のハッピーエンドが待っているのでした。 ただ、ヒロインはラプンツェルですが、ヒーローはマキシマスかも・・・ [ブルーレイ(吹替)] 7点(2020-12-23 14:32:35)(良:1票) |