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コメント数 107
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1.  エネミー・ライン 《ネタバレ》 
迫力の空中戦、顔の欠けたマリア像から虐殺現場を得て、リアリズム戦闘シーンへと、メッセージ性と娯楽性を両立させた秀作と思いきや、もうエンディングがあまりにもバカすぎて、笑いが止まらなかった。音楽を被せて、強引に超ハッピーエンドにする必要がどこにあるのか。DVDの特典映像によると、カットされたシーンもあるようだが、せめて相棒の遺体を回収するとかしないと。最後まで、監督がスコット弟だと思い込んでいたのだが、全くの別人である。しかしながら同じCM出身(だっけ?)ということで、スピーディで鮮烈な映像センスは素晴らしい。特にヘリのベタなカッコよさは、スコット兄にもひけを取らないだろう。しかし地雷で吹き飛ばされるシーンの、超スローモーションは少々やりすぎか。いやいや、きっと観客に地雷の恐怖を伝えたかったのだろう。決して悪趣味なわけではありません。ハッチでの索敵シーンも不気味で、臨場感に溢れている。演出のアイデアは豊富に持っているようだ。今後に期待。戦争映画は好きなので、まあまあ楽しめた。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-12 02:22:07)
2.  エアフォース・ワン
当時流行りの飛行機ものと、大統領ものをミックスして、エアフォース・ワンを引っ張り出したアイデアは、微笑ましくも感心する。ほんとによくいろいろ考えるものだ。しかしこの監督にしては安っぽいと言うべきか、それともよくぞここまでまとめあげたと言うべきか、迷うところではある。大統領がテロリストと取っ組み合って、ハッチの縁にぶら下がって、その後ろで飛行機がドッカーンと爆発炎上してと、怒涛の展開と、暴走するヒロイズムで、一歩間違えればギャグにしかならないところを、ぎりぎりのところで踏みとどまっているのは見事としかいいようがない。この点はやはり斜に構えず、正面切って作品に挑んだキャストとスタッフの実力によるのであろう。にもかかわらず、この緊迫感の欠如は如何ともしがたい。特に後半の詰めの甘さと、安っぽいCGには萎える。トム・クランシー原作映画でジャック・ライアンを演じていたハリソン君であるが、小説の方では、本当に大統領になっているのだ。そういうわけで、ライアンが大統領になったような気がして、途中で訳がわからなくなった。グレン・クローズがサインを拒否するシーンがいいですね。「CSIラスベガス」のブラス警部が大活躍してるし。911以降では、こんなお気楽な作品はもう製作不能であろう。そう思うと郷愁すら感じる。
[DVD(字幕)] 7点(2007-02-06 02:44:12)
3.  エリザベスタウン
意外と蛋白というか、淡々とした作品であった。アッパーな内面描写と演技で涙ボロボロというほどでもなく、映像美に酔いしれるというほどでもない。それなりに美しく垢抜けない映像は、70年代ロックとともに監督の趣味なのであろう。ヒロインがあまりタイプではないうえ何となくメルヘン系でいまいち入れ込めなかったが、これも監督の趣味なのであろう。音楽が延々と鳴りっぱなしなのも監督の趣味なのであろう。特に後半には小ネタが多く、アメリカ音楽好きの方は結構楽しめるかもしれない。しかし南部でレナード・スキナードとフリー・バードとか、アルバート・キングの写真とか、アメリカ人ならともかく日本の若者たちは完全スルーに違いない。オクラホマシティーなど誰も覚えちゃいまい。演出はパンチに欠けメリハリがなく、人間関係や心理的背景はあまり踏み込んで描かれずに通りすぎる。オーリーが泣くシーンに音楽全開だったり、父親との関係などもわざと視点を遠ざけているようにしか思えない。演出、演技は抑制しまくりで、ここで泣かせようというポイントをわざと外しているのであろう。しかし妙に後を引いているのが不思議なところで、思い出すと泣けてくるのはどういうわけか?実は繊細で心温まる名作と言うべきではないかと思えてきた。もう一度観てもいいくらい。下手なアクションよりアメリカ万歳な気もするが、こういうのなら全然オーケーである。保守的なイメージの南部の人々がとても温かかったり、西部から来た「悪女」サランドンが葬式で皆と融和したり、もしかして「華氏911」並みのメッセージ映画なのかもしれない。音楽の多様もラジオ局の規制に対するアンチテーゼとか、分断された人々の心を音楽で云々とか、いろいろと余計な勘繰りをしてしまう。酷評されているが私は思い切って9点つけよう。予告とCMが諸刃の剣か。
[映画館(字幕)] 9点(2005-11-25 04:17:43)(良:1票)
4.  エニイ・ギブン・サンデー
オリバー・ストーンの偏ったキャラクター造形がスポ根によくはまるというのは盲点であった。こういういかれた男たちのギラギラした熱い世界を描かせたら右に出るものはいない。マイケル・マンのナルシシズムと生真面目さは観ていて疲れることも多いが、ストーン監督のある種投げやりな明るさと単純さは実に爽快である。「ウォール街」のアメフト版がつまらないわけがない。感傷を徹底的に排したスポーツビジネスの裏側と若者の成長物語は、感動というより痛快という言葉が似合う。「ニクソン」や「アレキサンダー」など(未見だが)のシリアスな大作が失敗するのを見ると、本作のような作品をもっと撮ればいいのにと思うのだが。本来品のない人間が、重厚な人間ドラマに挑むのが間違いの元だ。しかし結局本作で一番評価すべきなのは、試合シーンの編集と音楽かもしれない。トリッピーでトリッキーな編集には昔から定評がある。「JFK」「ナチュラル・ボーン・キラーズ」「ウォール街」しかり。ジェイミー・フォックスが出演していたとは知らなかった。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-19 03:11:54)
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