1. AIR/エア
もう終る寸前だったんだけど先週は1本の映画に行たんだ ――AIR/エア(2023年) 昔の勤務とか、会社の会議を想い出したんだよなぁ…目の前に当時の光景も広がったくらい。 回想したのは…プロジェクトを立ち上げるための企画者だった時期…営業を勉強しつつ…そこからプロジェクトがスタートした時代があった。 それをメチャクチャ想い出した映画だったよ…鮮明に!…マジで。 この映画は…簡単に言うと「信じた企画を通す」映画だった。 そんな営業の作品って、映画では2016年の「ファウンダー/ハンバーガー帝国のヒミツ」とか、1988年の「タッカー」も含めて結構あるんだよね…。 けど、好きな題材になっただけで、随分と臨場感が違うなーと感じたねぇ…この題材…ナイキのシューズっては燃える。 これでプラモとかトイ系、つかバンダイのプロジェクトで、何かの大きな計画(ガンダムプラモの設立と歴史とか?)を映画にしたら、マジで燃えるんだろうなー…きっと俺らは。 しかし、マット・デイモンって体格が変ったねぇ~…ちょいビックリのサラリーマンの太った体形。 役者はそこまで詳しくないけど、上長であり理解者の男も、そして(当時は前例が無かった事もあり)ジョーダンの親族から「ロイヤリティ(売り上げのパーセンテージ)を求めらてた事で、もう企画が無理になった…と、落ち込む主人公に「構わん!行け!」と言葉を投げた経営者も最高だった! 俺は、仕事ってのは「波動」だと思ってる。 途轍もない熱量、途轍もない行動力!そこから滲み出てくる「個人の波動」が周囲を席捲して広がり、更に大きな流れになってくる…そうなって来るともう止められない。 いやー、想い出したなぁ、色々と。 当時は「この人は、くだらないなー(←超失敬!)」と思ってたけど…思えば、あの時に「あの人たち」は力を貸してくれてたんだなーって…もう、この辺のやり取りを観てるだけで、「仕事への想いと理想」を感じ取れて、すっごく共感できたってのがポイントだった。 あ、あと…クリス・タッカーも凄く役柄が似合っていたと思う。 やっぱり、住んでいた「地方の繋がり」も大事だけど、やっぱり「人種が一緒」ってのも相手の気持ちを楽にするのかも知れないな、なんて……なので、俺的には、ジャッキー・チェンとの「ラッシュアワー」よりも好きだったね。 * 思い出すのは――20年以上前、アメリカ旅行だ。 1984年のビバリーヒルズ・コップ や、1990年のプリティ・ウーマンで憧れた街…素晴らしき「ビバリーヒルズ」だった。 脳裏でビバリーヒルズ・コップのBGMやら、プリティウーマンの曲やらが、ずぅぅぅぅぅぅぅっとエンドレスで流れてたね…アほか、俺。 んで、優雅になった(勘違いとも言う)つもりで入ったナイキショップで(イキって)買ったスニーカーを想い出すんだが、日本に戻ってからも履く事は無かった…そう、ただコレクション魂を擽られ…「野茂マックス」から「エアマックス(96~97)」に範囲を広げつつも収集した。 まぁ、リーボックの「ポンプ・フューリー」なんかも、イエロータイプやトリコロールは勿論、香港モデルとか集めたけど…やっぱり行きついたメーカーははナイキに戻ってエアジョーダンのシリーズだった。 中でも「AJⅦ」のオリンピックモデルがカッコ良過ぎて(当時は価格が)30万円とか…馬鹿な金額だったけど、それ以上にファン達の方が馬鹿(俺、含む)だった時代ってのもあり、止せばいいのに購入した。 しかし、10年以上後に箱を開封して触ったら…本体とソールが分離しやがって、そのまま(まるでテープの巻き戻しのように)箱に戻した俺。 いや、コレって悪夢だろ、マジで…まぁ、靴って…本っ当ぉぉぉぉぉに素材が大事だと教えられた。 まぁ、ソンなコンなで「形ある物、いつかは崩れる」を体現して実感したけど、嬉しいなーと思うのは「エアジョーダンⅠ」が相当に強いモデルだったのも記して置きたい。 当時はエアーの素材を使ってないからかな?とも思ったけど、映画を観た後にはエバー・グリーンな商品を目指してるんだろうな、と理解出来た。 完全なる靴の保管は大事。 けど、もっと大事なモノを「この映画」で気付いた。 それは…過去からの「想い」だったり。 仕事でもそう…そしてモノに繋がるのは想い。 人間との繋がりも想い出せ。 そして、モノと当時の光景も一緒に、さ。 あんな事や、こんな事があった…。 そう考えながらも、自身も「ひとつの流れだった」を理解する。 そして、綴ってゆく…モノと想い、その時に「自分が居た事」も。 そう考えりゃ…人生は悪くない。 [映画館(字幕)] 7点(2023-05-16 08:24:31) |
2. エクソシスト ディレクターズカット版
いやー…エクソシストを観終わった…。 しかし、もう何度くらい観ただろう? 幼少の頃……震えながら観てた時期から数えても、もう相当な回数だ。 それなのに、未だ新鮮な恐怖を得てるってのは、やっぱりこの映画が「本物」だからなんだろうと思う。 映画の中でメリン神父が言う。 「(彼女の)中に居る悪魔は多数を装っても一人だ。 決して悪魔に騙されてはならない。 会話をするな、必要以上の言葉を交わすな。 奴らは嘘に真実を織り交ぜて、我々を混乱させる。」 多数を装いつつも、実は悪魔は単独……なるほど。 嘘に真実を入れる…まさに詐欺やペテン師の極意だなぁと納得。 そして、この映画は「神秘主義」でありながらも「科学的」な側面を見せる。 ある意味この映画自体が「エクソシストに出てくる悪魔的」とも言える。 混乱させる、惑わせる「本物」であるがゆえに、両極端の視点を決して捨てないのだろう。 作品に、デミアン・カラス神父が居る。 年老いた母親を想い「何とかしてあげたい」との葛藤がある。 そして、精神も疲弊してるせいか信仰にも疑問を持ちだした。 いつも疲れた表情を見せているカラス神父。 そのデミアン・カラスが、ただただ切なく、そして悲しいのは…きっと俺の年齢が彼に近くなったのもあるのかもしれない。 母親の件も…職に対する信仰の件も…うん。 この年齢になって考えてない奴は、きっと居ないだろうから…彼の疲弊が痛いほどに伝わってくる。 そして冒頭から出てくる「シルバーのメダル」がある。 これは、カラス神父も付けていたんだが、紋章はイエスを抱くヨセフの姿だった。 たぶん、これは「父性」を表現してるのかな、と思えた。 悪魔に憑依されたリーガンも、カラス神父も母子家庭というのは同じだから、そこに「作品の根底となるテーマ」が隠れている気がしてならない。 いやー、やっぱりすごい。 年齢を重ねると、作品から受け取れる精神情緒も、日々の生活で得てた情報から新発見がある。 50代で新発見できるってのは、本当に凄い作品だなぁーと思う。 なんにせよ、この作品が如何に凄い「本物」なのか?…その監督に焦点を絞ろう。 そう、本物の中の本物…「ウィリアム・フリードキン」監督。 この「本物」の意味は、本当に「何かに、このオッサン憑依されてたんじゃないか?」って意味。 あの制作時って、現在と国交もまったく違ってたし、倫理概念やコンプラもまったく違ってて「制作したい」と思っても出来る状況、許される状況じゃなかったのに、それを押し通した精神性、執念は、計り知れないほどのクレイジーさ。 例えば、ざっと… 常に少女の部屋の室温を息が白くなるように、と氷点下にするとか、当時はアメリカと国交が無かったイラクで撮影するとか。 俳優に内緒でピアノ線で引きずり倒し大怪我をさせるとか…休憩中の俳優(カラス神父)の傍で実弾を発砲して驚く表情を捉える(撮影後フリードキンは爆笑してたらしいw)とか、更にはラストで…スタッフに隠し撮りをさせた上で、本物の神父に「ちゃんと演技せぇや!」とビンタを食らわせ、動揺して落ち込む姿を捉え苦悶のシーンにするとか、まさに鬼畜のごとき所業。 アンタ、カーちゃんに怒られるで!と言いたいw けどけどけど、これだけ凄い監督でも、ずーっと着いて来てるスタッフは居ないらしい。 そりゃそーだw けど、俺は想うのだ。 確実に「映画を創る世界に狂人はいる」と。 そう、フリードキンにこそ悪魔が憑依していたのではないか?と。 ンなわきゃねーか……多分w [ブルーレイ(吹替)] 9点(2020-12-23 12:06:20)(良:1票) |
3. エンゼル・ハート
俺の敬愛するアランパーカー監督の作品。 ――人間には知ってはならない領域がある。 まさに、この言葉がふさわしい映画。 想像力があればあるほど、この映画の深淵は…ただ深く。 更に深く…果てしなく深く…そして恐ろしいのだ。 ルイジアナ州の熱帯地帯。 その熱気の中で、日常の「何か」が歪んでる。 黒人のブルースが聴こえる中で、「何か」が潜んでいる。 陽の光が滲む豪雨を走り抜ける「あのシーン」が好きで堪らない。 そして、いつの間にか…あの曲を今は…自ら、口笛で奏でている… それが、俺にとってのエンゼル・ハート。 人は…自由に謳歌し、人生の夢を追う。 人は…他者を謀り、その枠を抜け…ただ自分の力を信じる。 その末に夢を掴んだとき…きっと知るのだ。 自分は「誰」と対峙し、その夢を何故に掴んだのかを。 そして自身を見つめ、来た道を振り向き、やっと知る。 そこには何もなく、日常に氾濫する死を。 そして、絶望と圧倒的孤独感の中で理解するがいい。 ――人間には知ってはならない領域がある。 そう、どこまでも堕ちていくエレベーターの中で。 [レーザーディスク(字幕)] 10点(2020-10-31 06:59:49) |
4. 映像研には手を出すな!
もしかして、俺が一発目? 少し僭越ではあるけど、書かせて貰おうかなーと思います。 結論から言うと、TVと同時に造っだろ、これ…だった。 おまけに(当日、直前に全部見た)TVの30分サイズじゃないから、テンポが掴みにくい。 逆にTVの方が(話の流れが小気味み良く)俺は面白いと思えた次第。 映画の独特な金の掛け方って言えば、ロボットCGくらい。 けど、制作人の皆様方よぉ……日本人は色々見てるよ。 ガンダムを始めとしてさー…更にはトランスフーマーやマーベルのCGを嫌って程に見てる。 そんな俺らに対して強く刺さったり、響くものでもないのだけどねー。 ロボットのデザインじゃなく、演出的ドラマ性がないとダメと思う。 TV版をちゃんと見てなかったからので、観に行く直前にTV版の6話を観た。 余談だけどTV版はクリエイターとして頑張ってた人には響く聖書的な覚書が多い。 (解釈次第だけど)凄く共感できる箇所、後輩にモノを教える時の心構えも想起した。 なので…うーん、映画に対する期待値が高かったのかなーと思ったり。 ストーリー的にも意味不明な箇所も多い。 台風のアレとか(パクリ元は知ってる)”このドラマでの”意味が全然分かんなかったし。 よく「これを最後に●●さん見る事が無くなった」って演出もあるけど、直後に●●さんは出てくる。 いや、1~2回なら面白かったけど、続くと「作った奴アホかな?」と思える。 まぁ、アレです。 日本版の「あの頃、君を追いかけた」も見て思ったけど、齋藤飛鳥って演技が段々上手になって来てるねー。 いや、そんな言い方は遠回りだね、うん。 齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波。 彼女らが可愛かったんで、OKとしときます。 あ、だったらTVで十分だった?w ※※※※※※※※※※※※※※ 再度(2022年12月12日に)観たら面白かった! やっぱり、この3人が(人を巻き込みつつ)絡んでるのが楽しくなってくるね。 齋藤飛鳥の卒業時期だから、余計にそう感じたのかな…俺。 [映画館(邦画)] 8点(2020-09-26 00:39:46) |
5. エイリアン3/完全版
《ネタバレ》 【おはようジングル】さんや【マイカルシネマ】さんがが言いたい事を殆ど書かれてる。故に作品的な評価は俺様ちゃんは省く。 が、やっぱり編集権の恐ろしさを知った。 例えるなら絵画のフィニッシュワークや、漫画の最後のペン入れを自分以外にやらせるようなもの。 あんなにグズグズで嫌いだったエイリアン3がこんなに素晴らしい作品になるとは。 今まではデビッド・フィンチャーは「この作品、無かった事にしてくれ」と思ってるんじゃねェかなーと思ってたけど、 コレだったら十分に彼の代表作と言える。 彼の作品独特の雰囲気が十二分に堪能できたし、最後のシーンはもの凄く泣けた。 後、蛇足だけど映画のシリーズ物って続編を間を空けずに観ると感想が変わる。 エイリアンを1から3まで一気に観たけど、ラストのシーンでのスクラップ置き場での通信レコーダーの記録… アレを聞いた時に、エイリアンに翻弄され続け、2で冬眠期間が長く自らよりも早く逝った子に出会えず、 更には死闘の末に護りたかった者…その全てが水泡に帰しても、「コイツだけは地球に行かせてはダメ」と 犠牲の精神を見せた彼女の一生が切なくなった。 宗教色が濃く、キリストを暗示するような最後も、アレだけの激動を生きた彼女に陳腐と言えるわけが無い。 [DVD(吹替)] 9点(2008-01-24 04:43:16) |
6. 映画ドラえもん のび太の恐竜2006
書きこむ前に自分で点数を決めて同じ気持ちの人間がいないと「俺、変?(汗)」と思ってしまう小心者です(変えはしないですが)ので、【やましんの巻】さんや 【こばやん】さんを初め、皆さんの好意的レビューを読み、「俺だけじゃないんだなー、この気持ち」と嬉しく。(笑) では、心して、感じたままにレビューを… まず、昔の「のび太の恐竜」が凄く好きですが…「時は進んでいる」のを前提にし、 出来る限り懐古主義に縛られて作品を色眼鏡で見る事無く鑑賞しようと誓いました。 結果、もの凄く感動できた。 いい大人の俺様ちゃんが、涙を流してることに自分でもビックリ。 当然、創始者とも言える藤子不二雄先生に大いなるリスペクトも必要ではある。 それは前提。 だが、ドラえもんとは雁字搦めのガイドラインに縛られ変化は許されないるモノではないはずだ。 俺様ちゃん的には「押えなきゃいけない精神・創始者に対してリスペクト」は大事にした上で、「新しい何かを創ろうとする」クリエイターの気概を感じた。 ドラえもんは国民の宝と言っても過言ではあるまい。 故に人の数の想い出もあり、その想い出は掛け替えなく大事だ。 俺様ちゃんにも小学生の時に観に行った想い出もある。 ドラえもんには日常を超えた…太古や宇宙などの世界を感じさせて貰い、ある意味のび太らと一緒に行動した。 そして「不思議なモノに対してのロマン」を今でも感じる心を培って貰えたと思うのだ。 「声優の声が変わった」…「表情に毒がある」…「演出がクドイ」…などなど、色々と不評を聞く。 「もはやドラえもんではない…ドラえもんは終わった…」と。 しかし、本当にそうだろうか? いや、俺様ちゃんはこう思うのだ。 本当に変わらなきゃならないのは「作る側」だけではなく「観る側」…つまり、「我々も」なのではないか?…と。 古き衣に拘らず、新しい姿の下の「精神」を感じ取り、「未来へ」とその精神を伝承する。 それが凄く大事な事なんじゃないかなーと、今回考えさせられた。 ともかく、大人も楽しめる一級の冒険活劇風味のヒューマニズムドラマを魅せて貰ったのは間違いない。 製作者に最大限の賛辞を送ると共に、藤子先生の精神が伝承されている事にも感動をした。 [DVD(吹替)] 9点(2006-12-24 06:16:12)(良:4票) |
7. A.I.
スピルバーグってナンだカンだ凄いんだなーと最近気付きだした。 あれだけ全てのパラメーターが高い人だし、成功した監督だから期待度がみんな高くなっちゃうのかな?と思ってみたり。 いやね?皆が低評価する作品なんだけど、俺的には凄くアリな作品。 やっぱりここ最近の「ビジュアル的な完成度」でいえばスピルバーグって凄い。 「ジュラシックパーク」、「マイノリティーリポート」…それとストーリが滅茶苦茶な「宇宙戦争」も俺様ちゃんは「画として」好きだし、ああいった未来世界(余談だけどアイ・ロボットも嫌いじゃないです)に浸るだけで嬉しくなる。 映画って色んな評価があって然るべきだけど、色眼鏡では見たくないなーと思う。 結局評価するのは自分だし楽しく観る為に映画ってあるしね。 …さて、作品評価なんだけど映像と世界観には脱帽。 あの母を思う愛ってやっぱり古今東西、俺様ちゃんの感動対象だったりする。 フランダースの犬の最終回で慟哭した俺様ちゃん、これに感動しないわけがない。 2.000年後の地球なんて人知を超えた世界観だけど、なんか昔に夢で見たのに似てて本当に度肝を抜かれて感動した。 氷河期が来ようと、永劫とも言える刻が流れても… ディビッドは母を思い続ける… ヤバい思い出して泣きそう。(汗) [DVD(字幕)] 8点(2005-11-19 05:56:42) |