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プロフィール
コメント数 349
性別 男性
自己紹介 「昔は良かった」という懐古主義ではなく
「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、
 昔の映画を中心にレビューを書いてます。

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1.  エル・スール 《ネタバレ》 
夜が明ける。愛犬の鳴き声が聞こえる。静かな始まりだがスクリーンには何とも言いようのない緊張感が走る。母親の叫び声が聞こえる。枕元にあった父の形見。少女が父の過去を探ることで得た真実と悲劇。そして希望に溢れた「南」への旅立ち。エリセの映画は観客に対して想像力を想起させる点で本当に良くできていると思う。例えば父親の過去の愛人だった映画女優(「ミツバチのささやき」のフランケンシュタイン、といいこの人映画好きなんだなぁと感じる)や壁に書かれたいたずら書き、自転車に乗った少女が少々大人びて戻ってくるカットはまさに映画。スクリーンで見た時は本当に感激した。ラストもエリセが望まなかった、中途半端な終わり方かもしれないが、この映画を観た観客はもうわかっている。彼女はこの先どんな困難にあっても乗り越えてゆける、少女から立派な大人への段階を経たのだ、と。俳優。やはり80年代最高の男優はデニーロやホフマンではなかった。アントヌッテイその人である。限りなくこれは10点に近い9点。今日、私は南へゆくのです…。
[映画館(字幕)] 9点(2010-01-11 23:41:53)(良:1票)
2.  SFソードキル
80年代の「日本人=エコノミック・アニマル」という風潮そして日本文化の誤った認識(サムライ≠侍)をベースにした企画の中で漢・藤岡弘は異国の地で異文化コミュニケーションに苦しみつつ立派に「侍」を演じきった、その誇り高い「ど根性」に対してこの点数。・・・・・・えーと、話は2点くらいなんですけどね。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-22 14:07:44)
3.  エイリアン 《ネタバレ》 
私はこの映画、「セックスとジェンダー」という体と精神両面から男性に虐げられる女性の深層恐怖を「異性人=エイリアン」で表現した作品と認識しています。他の方も述べられているのですが成長したエイリアンはまさしく男性器のメタファー、卵という媒体を通じて生まれたチェストバスターは望まれない妊娠=レイプへの恐怖を表しているようにしか思えません。そして平凡パンチを口の中に押し付け殺人をもくろむアンドロイド、これなんかはあまりにも露骨な男尊女卑主義者の典型でしょう。マザーコンピューターは「おふくろさん」にも関わらずやることはパワハラ、この皮肉。リプリーが一人になってからこの映画は素晴らしい展開を見せていますがそれは彼女が対するのはエイリアンだけではない、パワハラやセクハラといった人の心の奥底に潜む暗い、「目に見えないもの」への反抗・戦いだからこそ。もう一つ、最後に彼女が振り絞って歌う「君は僕の幸運の星」~「雨に唄えば」だよ!このセンスに脱帽。こういった世界観を生み出せるか単なる勢いかが監督スコットとキャメロンの違いであり、この作品は監督スコットの最高傑作。
[映画館(字幕)] 9点(2007-12-31 20:15:51)(良:3票)
4.  エイリアン2
活劇としては面白いんですよ、これは。私も日劇のスクリーンでパワーローダー上のリプリーが叫ぶ「Get Away From Her You, Bitch!」それに呼応するクイーンエイリアンを見た時はボルテージ上がりっぱなしだったし。ただ傑作「エイリアン」の続編として考えると監督リドリー・スコットとキャメロンの資質の違いが現れるようでキツイ。リプリーが単なる「女傑」になってしまっている。作品を貫いているように見える「母対母」のテーマは単に監督キャメロンの大好きな「強い女性」を描き出す為の取ってつけにしか感じられない。この映画ももう製作20年かぁ…。
[映画館(字幕)] 7点(2007-12-31 19:54:29)
5.  江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 《ネタバレ》 
禁断の愛+オッパイぶるるるんなエロ+土方巽の暗黒舞踏+大泉/由利の坊主コント+江戸川乱歩の世界(関西なまりの明智小五郎!)という誰もがなしえない題材を簡単に料理してしまう石井輝男に乾杯。最後の花火のシーンは腹筋運動を連続100回行ったような脱力感がありました。【2017年追記:海外版DVDに遅れる事約10年、ようやく初ソフト化。めでたい】
[映画館(邦画)] 8点(2007-09-19 23:49:03)
6.  “エロ事師たち”より 人類学入門 《ネタバレ》 
映画としては「にっぽん昆虫記」「赤い殺意」には劣る。今村作品のツボはど根性溢れる女のパワーであってうじうじとした「オタクな」生きかたではないからだ。だが私はズブやんが好きだ。客の性にたいする欲望に応えてゆくうちにインポテンツになり最後はダッチワイフの製作に精神を注ぐ彼は、映像や肉体から来る快楽を越え(「萌えーっ!」ってやつですな)絶対無敵な境地まで行ってしまったのだから凄い事ではある。小沢の演技もさる事ながら肉感的快楽を求める彼の愛人坂本スミ子はまさに熱演。「男と女の生き方は永遠に変わらず続くよ」のココロだぁ!
[映画館(邦画)] 7点(2007-07-25 21:07:17)
7.  XYZマーダーズ
「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」「シンプル・プラン」など撮っていた時はどうしてくれようかとさえ思っていたサム・ライミ。「スパイダーマン」シリーズもファンとして嬉しさも覚えるがなんといっても彼の魅力は「あざとさ」、これに尽きる。ドーでも良い、馬鹿馬鹿しい事を真面目に撮る姿勢が大好きだ。そんなファンのベストは「死霊のはらわた」「ダークマン」そしてこれ。話としてはどうしようもないが「くっだらねぇ~」で笑える点では一番だ。「これスパイダーマンの監督が撮ったんだって」という事でレンタルビデオ店で手にした君、激しく後悔するよ。逆に面白いと感じたあなた、貴方もバカ映画の魅力に取り付かれた一人だよ。堂々と言うよ、この映画が大好きだー!
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-05-20 21:17:34)
8.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 
皆様本当にごめんなさい、私にとってこの作品は合いません。レタスを積んだ列車で寝そべるジェームス・ディーンを見たときは感激しましたが、ちょっとそりゃないよの連続なのです。端的に申しますと夜の移動遊園地でキャルとアブラ(もうちょっと年の若い人、使えなかったのかな)が語り合うあのシーン、妙に明るい照明で映画館の「緊急出口」よりも目立ち、プロだからなんとかせぇよという天邪鬼的な心境になってしまったのです。また後日見た「理由無き反抗」「ジャイアンツ」の方がよっぽど屈折した人物を演じきっていた気がしたのです。いい話とは思うのですが。また出直してきます。
[映画館(字幕)] 4点(2006-04-16 23:51:34)
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