2. えんとつ町のプペル
《ネタバレ》 頭悪い映画だなあと思いました。 テーマとして「下を見るな、前を向け」ってのがあって、主人公がクライマックスでこの言葉に励まされて危機を克服するんだけど、このシーンを作り出してゆく過程がどうも気に入らない。クライマックスは熱気球の原理で空中に浮かぶ古い昔に移民に使われた船の船首に装備されたクレーンが爆弾に絡んで主人公がそれを外しに行くシーンなんだけど、まず主人公の見かけが10歳以下で明らかにとてもそんな重いクレーンのフックを片手で外す力がない。それに大体熱気珠の原理で空中に浮かぶにしても古い鋼鉄製の船はあまりに重くて無理感半端ない。しかも発進シーンなんか固定された杭を戦いの中で外していくんだけどいくら異世界とはいえその浮力にはあきれるばかり。さらに言えば件の船にしてもなんで船首にクレーンついてるのって疑問が浮かぶ。この手の装備のある船って海底ケーブルを敷設する船ぐらいしか知らない。この世界でこの装備がなんで必要なのかどうも納得いかない。 つまり、クライマックスのシーンを作るためにすべての不自然さが準備されたとしか思えないんだよな。創作作品なんだから一切噓をつくなとは言わないよ。でも、それは最小限にして欲しいんだ。高々あの程度のシーンのために数々の嘘をつかなけりゃ準備できないとしたら俺はこいつどんだけ頭悪いんだよって思ちゃう。 でもさ、絵がきれいだったり、ヒロイン的存在の母親が車椅子だったり。ゴミ人間のコアが空から落ちてくるアイデアとか良かったから0点じゃないよ。車椅子のヒロインって斬新でよかったよ。それに既に今日の日本のアニメは映像だけで見に行く価値がある。脚本が良ければ鬼滅みたいなメガヒットになるだけのレベルにあると思ってます。 [映画館(邦画)] 5点(2021-05-04 11:13:35) |