1. ナイトクローラー
罪の意識も問題意識もなく「もっと刺激的映像を!」と求めるTV視聴者を批判している作品であることは確か。 だからこそ、ルイスがサクセスするストーリーなのだ。だってルイスを生み出したのは、一般大衆なんだから。ワイドショー好きな人間に、この男ルイス・ブルームを批判する権利なんぞないのだ。 たぶんアメリカの視聴者は、日本人よりさらに刺激的なニュース映像に貪欲なのだろう。 視聴者がエキサイティングな番組を求めるほど、番組側はそれに応じてもっと激しいものをもっときわどいものをと極端な方向へ走っていく。 ルールも道徳も倫理も麻痺して消えて、残るのはルイスのようにただ偏執的にひたすら目的に向かう欲求だけ。上へ向かうのではなく、下へ堕ちていくだけ。きっと彼らの行く先は地獄なんだろうなぁ。でも視聴者も同罪、地獄で一緒だから。 人や社会の欺瞞に気づいている人間なら、ルイスをただ批判することはできないだろう。 人のエスカレートして行く暗い欲求をかなえるため、形になったのがルイスなのだから。ルイスを嫌うのは、自分の影を嫌悪するようなものだものね。 だからもっと高得点でもいいんだけど、ルイスがホントに気持ち悪かったので…すみません、この点数で。 [DVD(吹替)] 5点(2017-02-15 20:40:47)(良:1票) |