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自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  夏へのトンネル、さよならの出口 《ネタバレ》 
 『バズ・ライトイヤー』に続いてウラシマ効果モノ(こちらは特に物体が高速で運動している描写はないので相対性理論との関係は不明だけれども)。高校生の男女二人が時の流れから独立する、その二人の目指す道に違いが生じてゆくって点ではタイムループもののパターン的な面もあるわ。   ちょっと新海誠監督作品風味を醸していたりするけれど(雨がキーになってるし)、ありがちなベタベタした甘い描写はほとんど無し、モノローグでペラペラと世界や自分を語ってしまうこともなく、クールにタイトにまとまった83分ね。  二人にはそれぞれにシンドい過去があって、でもそれをドラマチックに盛り上げるのではなくて協力して不可思議な事象に立ち向かい冷静に探求・分析してゆく部分がメインになっているのが面白いわ。その上で二人の決定的な違いが明確になってゆくのだけれど。今を棄てられる主人公と棄てきれないヒロイン。  いつまでも過去に囚われず未来を生きる、ってとてもありがちな着地点に到達するものの、二人の間に生じたズレが新しいドラマを生んでゆくラストは単純なハッピーエンドではない、ちょっと苦い余韻を残すカンジね。   疑問点がないわけではなくて、転校早々のヒロインのやらかしは問題にならなかったの?とか(あれくらいだと停学とか退学とかってレベルよね)、主人公が到達して得たモノがそれまでと違ってああいうカタチだったのは何故?とか、主人公の携帯の契約は一体どうなってたの?とか。でも映画全体の印象に影響してしまうような大きな問題点というワケでもないし。  ただ、幼い子が命を失っちゃうって設定はたとえアニメでもシンドいわね。   語り過ぎない、盛り過ぎない、安直な結論に至らない、そんな抑制の効いたアニメだったわ。
[映画館(邦画)] 7点(2022-10-03 16:33:33)
2.  ナミヤ雑貨店の奇蹟 《ネタバレ》 
 全編、作り物感に溢れていて、ちょっとノレませんでした。幾つもの時代が多層式に描かれてゆくので、確かにその描き分けが必要な訳ですが、それが造形も見せ方もこれ見よがしでわざとらしくなってしまっていて。  その上、物語、エピソードも作り物っぷりが激しく、どうにも自然と映画に入り込んでゆけない、もどかしい映画という状態でした。  SFっていうかファンタジーなので作り物感が出るのは当たり前と思われるかもしれませんが、基本部分の設定がぶっ飛んでるモノは、細部をいかにリアルに寄せるかって大事だと思うんですよね。ファンタジーに甘えたのか、そこがあまり丁寧じゃない映画で。   空家となったナミヤ雑貨店に入り込んだ3人の若い強盗犯が、その不思議なシステムを受け入れてゆく、その過程に説得力まるで無しって状態なので、入口時点から挫けてしまっている感じ。  その上でフラグを立てるかのように幾つものエピソードがいかにもな展開を連ねてゆくので、まるで『ファイナル・デスティネーション』シリーズのような意図的な力が働いているかのような状態。しかもそれは映画の中で働いている力とは限らず、外側の、作ってる側からの「都合」という名の力のように思えて。   あの鼻歌が有名な歌へと昇華されてゆく、そこにも納得させるだけの描写がなくて(途中で挿入される麦ちゃんの海辺のヘンテコダンスは、アレ、なんなの?)、ジャンルも全然違うハズの『さよならジュピター』を思い出してしまいましたよ。  感動させるための間、みたいなシリアス演技長回しが頻出するのですが、単にダレます。もっと刈れます。   で、クライマックスの肝心なエピソードが『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』のドクからの引用なのは、アレ、原作からしてそうなのですかねぇ?   セリフだけで説明される事柄も多く、ナミヤ雑貨店の主人が何故そういう人なのか、成海璃子との関係からどういう生を経てそうなってゆくのかが見えて来ず、パズルのようなそれぞれのエピソードが結局キッチリと合わさってスッキリするというところまでいかない、点と点とが線で結びつききらないもどかしさがつきまとう感じでした。  時の流れが生んでゆく人と人との繋がり、その大きなうねり、それを感動的に高めきれていないように思えて(部分的にツーンとくるところはあるのですが)、脚本がもっと練られていれば良かったのかな、と。色々惜しい映画でした。
[映画館(邦画)] 6点(2017-09-26 21:47:54)
3.  長ぐつをはいたネコ(2011) 《ネタバレ》 
施設で兄弟のように育った二人。一人は正義の道に、一人は悪の道に・・・って最初に思い出したのは『ラッシュアワー3』ですが(そっくりなシーンまで登場して)、考えてみれば香港映画にはよくあるパターンで。『ヤングマスター/師弟出馬』もこんな話でしたっけ。元々、よくあるハナシを動物やモンスターに置き換えてみせるのがドリームワークス・アニメーションのパターンではあるのですが、こうもフツーに置き換えられてしまうと、もう少しキャラの個性でヒネってくれないかなぁ、と思ってしまいます。ちょっと『モンスターVSエイリアン』以前のドリームワークスに戻ったような感じ。『シュレック』からのスピンオフですから仕方ないですか。プスの得意技が炸裂するかと思いきや、アレは殆ど出してくれませんし、ネコである事を利用した個性ある作劇があまり見当たらないあたり、『アンツ』や『シャークテイル』あたりの悪癖再発?みたいに感じてしまって。ハンプティの個性がちょっと面白かったのですが、プスやヒロインはもっともっとネコであって良かったと思うのですよね。全編を貫くラテンノリにしても、じゃあ、ラテンがネコって個性にどれだけ有効に作用してるの?って考えると、うーん・・・。そのもふもふっぷりは見事なのですが。ちょっと前まで、CGでもふもふさせるのって、とても難しかったワケで(前世紀末の頃の映画にはキビシい毛並みの生き物が色々と登場したものです)。ビジュアルや3Dの見せ方はさすがのドリームワークス。余談ですが、何がなんでもフルプライス取るIMAXデジタルはやっぱり高いなぁ。前売り券を買った意味がないや。特典のねこじゃらしクリーナーを貰った分だけまだ良しとすべきですか。
[映画館(吹替)] 6点(2012-03-25 22:31:44)
4.  ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島 《ネタバレ》 
製作会社が変わっても、味付けがこれまでと同じなので少々食傷気味になってきました。せっかく原作は一作一作に違う個性があるというのに、なんで映画化に伴って同じようなフォーマットに無理矢理はめ込んでしまうのでしょう? 子供向けの平易な文体で書かれたおとぎ話を、娯楽大作へと変換するためのアレンジが、毎回、必ずしも良い事だとは思えないのですよね。原作にはないけれど映画では核になっている謎の霧や7本の剣の設定が、逆に類型的なファンタジー映画にしてしまっている感じ。オリジナルな親子のエピソードを入れた事、ユースチスのドラゴン化解除と海蛇襲来(マシュマロマンかいな)をクライマックスに持ってくる事、アスラン登場をラストまで引っ張った事(水戸黄門かいな)で娯楽映画としての見栄えは良くなったかもしれませんが、原作の、島をめぐってゆくワクワク感も牧歌的な味わいもすっかり消えてしまいました。基本、一話完結なので、パターン化されてしまうとつまらなくはないですが結構キツいモノがあります。ただ、打ち切りの危機を乗り越えて、こうして続きが製作された事は歓迎しますし、更なる続きに繋がってゆく事も期待してます(世に継続できそうにもないシリーズものファンタジー映画が大挙して存在している悲しさ)。さっさと作らないと、子役がどんどん大きくなっちゃいますが。それにしてもウィル・ポールターはユースチスといい『リトル・ランボーズ』といい、見事なクソガキっぷり。あ、次回作は2Dでいいです。3D加工前提にしてはカメラゆらゆら動き過ぎ。つーか、『タイタンの戦い』と印象が似てしまって、後でごっちゃになりそう。
[映画館(字幕)] 6点(2011-03-29 23:21:37)
5.  7級公務員 《ネタバレ》 
ご贔屓キム・ハヌル姐さん主演ってコトで。お互いが国家のエージェントだという事を隠してすれ違ってゆくドタバタラブコメディな前半は大変楽しませて頂きました。花嫁姿で水上バイクを飛ばす冒頭から魅せてくれるハヌル姐さんは、やっぱりコメディやってこそだわぁ、って感じ。だけど、後半になってアクションとサスペンスが主体の物語に変化するとグダグダになってしまって。設定や描き方があまりにヌルいために、シリアスにもコメディにもなりきれずに緊張感のない映像がダラダラと流れてゆく状態になって。その上、何故か男側をデスクワーク出身で、現場ではちっともマトモな仕事がこなせませんという設定にしたために、ギャップの面白さやキレの良さを見せられず、上司との確執から生まれる人情ドラマにハンパに重きを置いているので映画全体がボヤけてしまった感があります。こういうのは『Mr&Mrs.スミス』みたいにお互いがデキてこその面白さなんじゃないかなぁ。さもなければ片方はシロートさんな『ナイト&デイ』や『キス&キル』みたいなパターンか。シンプルな対立構造の面白さだけでなく、そこに更に欲張って色々と盛り込んでしまう事でカサは増したけれど内容は薄まったという印象。コメディって単純であればあるほど楽しめるものなのかもしれませんね。
[映画館(字幕)] 5点(2011-01-30 09:34:55)
6.  ナイト&デイ 《ネタバレ》 
またトムの俺様映画かな?と思ったら、どちらかと言うとキャメロン・ディアスを立てている映画でした。ボンドガール願望映画とでも言いましょうか。何しろ意識を失って目覚めたらウルスラ・アンドレスになっていて、次に目覚めたら今度はダニエラ・ビアンキになってた、みたいな映画ですからね。最後にはボンドガールじゃ物足らないとばかりに女ショーン・コネリーまで行っちゃった感がなきにしもあらずですが。映画はあくまでコメディの姿勢を崩さず、だから真剣にサスペンスや謎解きを楽しむ事ができるようなシロモノではないのですが(一応、陰謀やウラはあるのですが、とても判り易い、謎にもならないような状態で)、お気楽アクションを楽しめればそれで十分でしょ、って割り切り方がいっそ潔い作り。肝心のケリのつけ方にいまいちカタルシスがない状態だったのが残念ではあるものの(あれって臨界になる時刻まで把握してたワケはないですよねぇ)、構造の逆転のためにはああいう流れも仕方ありませんか。トム主演のスパイアクションものとしても楽しめない事はないけれど、むしろキャメロン・ディアス主演のラブコメディものの系譜に属する映画として楽しめました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-10-09 22:50:07)(良:1票)
7.  9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~ 《ネタバレ》 
新宿ピカデリーでは『NINE』と『第9地区』と『9』を上映中でした。大変ですな。さて、9日限定って事で本編前に元になった11分の短編が上映されたのですが、本編は長々と短編の解説をするような説明的な映画で。しかもあんまり面白くないんだ、これが。世界観とか設定デザインとか美術とか最高なのに、やってる事は延々人形VSマシンの戦闘。審判の日以降の『ターミネーター』みたいなモンで。問題はその戦いが、どういう位置関係で、キャラクター達がどういう判断からどう移動してるのか、シーンやカットで全く繋がってない、映像を羅列するばかりで判らせようとしていない点。大変ひとりよがりな状態で見ているこちらは置いてゆかれまくり。まるでマイケル・ベイかレニー・ハーリンの映画みたい。1から9までのそれぞれの個性が一人の人間という存在を象徴してゆく、という作りも個々の描写がバラけていて、なんだか失敗している感じで。あんなに大量のスタッフを動員して、だけど映画のカタチがちゃんと見えている人間皆無だったんじゃないかなぁ?みたいな映画でした。ティム・バートンってば自分から失われたモノを他人に求めて足掻いてるのかな? 点数は全てステキな世界観に。
[映画館(字幕)] 5点(2010-05-09 15:21:25)(良:1票)
8.  NINE(2009) 《ネタバレ》 
フェリーニはもちろんですが、いちばんステキだった時代のイタリア映画とフランス映画の知識がしっかりあったらたっぷり楽しめる映画なんじゃないでしょうかねぇ。私は不勉強なものだからハンパに楽しめました、みたいな感じになってしまって。それでも絢爛たるミュージカルの世界を大スクリーンで堪能する悦びを存分に味わえました。中身なんてあってなきが如きモノですけど、ミュージカルなんてそれで正解だと思いますし。いやいや、亡き母の存在を引きずったまま女達を翻弄し、また翻弄されてゆくグイドのイタリア男っぷりも面白いのですけどね。だけど、六本木ヒルズの7番スクリーンを前側ブロックのど真ん中で、って状態で見ながら、これが35ミリなんかじゃなくて70ミリの湾曲スクリーンで、ドルビーデジタルのチャカチャカした音じゃなくて磁気式6チャンネルの音響で見られたら、もっともっとイイのにねぇ、ってすっかり私を懐古モードに突入させたこの映画は、今の映画の世界から失われてるモノを懐古しているような感じもして、映画も私もそれなりにトシを取ったよね、ってちょっぴり切なくもなるのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-23 15:45:08)
9.  なくもんか 《ネタバレ》 
阿部サダヲのぶっちぎり状態が延々と続く映画ですが、それが決して不快には感じなかったので楽しめました。カラッと強い竹内結子ってのも魅力的ですしね。庶民的な商店街を舞台にした人情喜劇、古臭い作風にしろ、クサい泣かせにしろ、それってワザとやってるでしょ?って。後半の沖縄がダレまくりで不要に思えるところまで含めてワザとなんじゃない?みたいな。それはまるで80年代半ばくらいまで存在していた松竹や東映のプログラムピクチャーのノリを求めているような感じ。沖縄部分もタイアップで無理矢理ロケ組み込んじゃうノリ。駄目な父親や、漫才コンビの相方の話を曖昧にして、きちんと完結させていないのも、続編アテ込んで作ってマス、っていう感覚を再現してみせたのかな?なんて。ただ、これがそういうパロディとしてだけで完結しちゃっているのだとしたら、やっぱりどうしたって浅いし、純粋な一本の映画としては満足できません。だから、これがもしシリーズ化されて年一本ペースで作られて、お正月かお盆に上映されて、おいちゃんおばちゃんを喜ばす映画へと発展してゆくっていうんなら、輝かしき第一作として評価したいところ。現状ではいいとこ6点。もっとも、どう見ても東宝のガラじゃないっていうのが痛いところなんですけどね。
[映画館(邦画)] 6点(2009-12-02 01:23:26)
10.  南極料理人 《ネタバレ》 
素材に対して料理法(演出と脚本ですね)が平凡な気がしました。カメラ固定の長回しを見せて「間」で感じてね、ってスタイルはいかんせん古いですわ。その「間」に費やす時間に、もう少しネタを詰め込めたんではないかなぁ。ラスト前の擬似家庭長回しなんかは、これ見よがしで、わざとらし過ぎちゃって(割烹着とか、「息子」のトレパンとか、あれじゃあ堺雅人がお母さん過ぎだあ)、ちょっと恥ずかしいです。まあ、しかし、素材の良さゆえの面白さっていうのに溢れていて。外界から遮断された、生物が生存できない世界で生きる事の閉塞感、たった8人の社会での摩擦、その中で「食べる」という生物の最も基本的な事柄についてのお話。意外にも恵まれたメニュー(ラーメン以外は)を、ごく当たり前のように口にする登場人物、だけどその毎日の食事って、材料と作る人によって創造される作品なのですよね。そこにもう少し目を向けてみてもいいんじゃない?って、特異な状況を通して語りかけてくるような映画でした。優等生風な作りの中では堺雅人に生々しい存在感みたいなのがなくて、やや薄味な気もしましたが。むしろ伊勢エビのエビフライみたいな幾らか無茶した映画でも良かったと思うんですけどね。
[映画館(邦画)] 7点(2009-09-09 17:40:04)
11.  ナイト ミュージアム2 《ネタバレ》 
相変わらず、密度低めな娯楽映画で。アクションより何より会話シーンが映画の大半を占めてる状態っていうのは、どうなんでしょう? 大変な時でも、1時間のタイムリミットが設定されて以降も、いちいち会話シーン。その大量な英語の羅列とアメリカ!って要素に支配されていて、段々と日本人的にはなんだかどうでもいーや、ってキモチになってきちゃったりして。前作のキャラクターを延々と封印してしまう状態は、新キャラクターで楽しませようとする配慮なのかもしれませんが、逆にイライラさせる要素になってしまっていますし、カポネやナポレオンといった新しいキャラに特に面白味があるワケでもなく。新しい会社を興して成功した状態が、どれだけ主人公にマイナスになっていたのかが全く描かれないので、やっぱり警備員最高!って結論を出してしまうのも強引なだけ。前作よりもお子様お楽しみ映像も少なめになっちゃったかな。結局、もうひたすらエイミー・アダムスを見てましたねぇ。エイミー・アダムスを眺める分にはイイ映画。自分的にはこの映画、それだけ。あ、あとロビン・ウィリアムスがハナ肇。
[映画館(字幕)] 5点(2009-08-14 16:40:38)
12.  ナイアガラ 《ネタバレ》 
モンローの映画として見ると、あら?あらら・・・ってカンジではあるんですけど(最初の方はいいんですけどねぇ)、ナイアガラを舞台にしたサスペンス映画として結構楽しませて貰いました。滝の雄大な風景を捉えつつサスペンスの要素としてちゃんと生かしていますし(滝の立てる轟音が緊迫した音楽の代わりですね)、一方で靴や歌も重要なアイテムとして機能していて。鐘楼の鐘を執拗に映すシーンは、その時起きていた悲劇をあのメロディが決して鳴らない事で象徴すると共に、「もしかしてここでメロディが奏でられる事によって事態が好転するのでは?」と見ている側が抱く期待を裏切ってみせる感じもして、上手いなぁ。印象的なセリフも多く、色彩も鮮やか。二転三転する物語も含めて今見ても色褪せていない面白さでした。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-05 00:43:44)
13.  ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 《ネタバレ》 
前作を「ファンタジーとしてちょうどいい感じ」と形容しましたが、前回の原作未読な状態と今回の既読な状態とでは、多少、いや、相当見解が違ってきます。原作が児童向けなのに対して映画はもう少し年齢層を上げ、原作にないエピソードをあれやこれやと盛り込む事(原作通りの映画化ならば1時間半もあれば十分でしょう)で、プラスとマイナスとがハッキリとしました。カスピアン王子とピーターとの対立や、スーザンとの淡い恋は、物語に奥行きが生まれた一方、ミラース王の陰謀、城への夜襲のエピソード、アスランによるテルマール軍への攻撃などは、必要以上に作品世界を荒々しくハードなものにしてしまっているように思えます。『指輪物語』の影響ゆえ、娯楽ファンタジー要素てんこ盛り大作にせざるを得ないという感じなのでしょうが、もう少し呑気で牧歌的であっていいと思うのですが。クライマックスでは原作のファンタジックな展開を、前作と変わり映えしない乱戦に変えてしまった点で勿体ない感じですし。とは言え、すっかりこの世界にハマり、映画を見ている間ずっとワクワクさせてくれたので十分に堪能、満足しました。ネズミかわいーし。
[映画館(字幕)] 8点(2008-05-24 22:48:27)(良:1票)
14.  奈緒子 《ネタバレ》 
何もかもボヤけた映画。これ、実はほぼ全編、晴れた夏の青空の下で撮られなければならない映画だったんじゃないですか? ところが殆ど曇天なのですね。延々と薄グレーな色調なの。更に「このカットはカメラが動きますよ」とカット頭からハンディで雑に動くので予め判る、って。カメラが被写体を適確に捉えきれていないために、登場人物の表情がどうもきちんと見えてきません。特に鶴瓶は、一体どんな表情をしていたのか、全く印象に残らない感じ。そして、そんな画面に呼応するかのように、映画そのものも輪郭が曇ってボンヤリとしてしまっている感じです。奈緒子は単なる狂言回しという役割しか与えられていないのに、その役割すらも怪しくなってしまうという悲しさ。クライマックスではその存在が消えかかってましたからねぇ。始めに天才ありきという、マンガを原作とした映画につきものの基本設定が、映画のテンションを下げてしまっていますし、最初の駅伝とクライマックスの駅伝とで、さしたる進歩を感じさせない主役他数名に、お前映画一本分何してた訳?とツッコミ。一年生クサいし。また倒れそうなところを今度は回復しちゃうってパワーがマンガ的マジック以外の何物でもない、って感じだし。マンガのチカラと映画のチカラは別物ざんすよ? そうそう、鶴瓶は凄まじいミスキャストだと思いました。別の人がやってたら1点はアップするってくらいに。
[映画館(邦画)] 5点(2008-02-18 20:01:59)
15.  ナポレオン・ダイナマイト 《ネタバレ》 
ダメでヘンな人間ばっかり出てくる映画。口がいつも半開きの主人公と親友ペドロ。肩幅のミョーに狭いお兄さん。三人ともリアクションが薄くて、やる気がなさそうで、だけど突飛な行動に出るところが同じパルスの中に生きているようです。明らかに違うパルスで生きているように見える高いテンションの叔父さんは、だけど歳を重ねただけダメさが増しているだけのようだし、それぞれに違った生き方をしているように見える人達も、なんだか澱んだ空気の中でジットリとダメになっているような、そんな映画。その人々の姿を面白く楽しんで見ていられるか、と言うと、私はダメでした。それぞれに訪れるハッピーな展開はまるで幻のようにしか思えませんでしたが、それより何よりとにかく主人公にイライラしっぱなしで。だって、背が高くてヒョロっとしていて、猫背で内股気味で、ヘンな歩き方で、絵を描くのが好きで、でも下手で、ヘロヘロしてて、やる気なくて、口開いてて、つまりコイツは映画史上最も私の若い頃にそっくりな主人公なんだもん! ああ、なんてこった!腕時計まで奴とお揃いだ!!
[DVD(字幕)] 5点(2008-02-13 11:58:47)(笑:2票)
16.  ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 
「ぎょえー!ディック・ヴァン・ダイクとミッキー・ルーニーが現役バリバリで出てる!」ってそこはびっくりわくわく(ハラハラ)して見てましたけど、でも、映画としては刺激薄かったなぁ。細かい部分では笑わせ楽しませてくれましたが(猿とのどつき合いとかタイヤの嵐とか)、物語世界は予告編から予想されるそのまんまの映画でした。半端にバカ映画、半端にお子様向け、半端なスケール、なんだか全てがそこそこで作られていて、どこかもう少し尖がった部分があればねぇ、といった感じがしました。アメリカ映画にありがちな空回り系のお笑いが多くて、もっとスピーディに先に進んでくれないかなぁ、とも。3人の老人の扱いも、あまりいい感じではありませんでしたし(悪役だったにしても、もう少し愛着を持てるような描き方ができたと思うのですが)。ベン・スティラーの映画として見てしまうと、これまた半端にマトモそうな人だったりして、妙に居心地の悪い気分にさせられたりもして。ノンクレジットでゲスト出演してる人も、役に合ってるのかいなぁ?って感じがしないでもありません(なんか軽過ぎない?)。ただ、劇場でのウケはかなり良かったので、多くの人が楽しめる映画なのだと思います。私みたいな頭の固くなった映画おたく向きな映画じゃない、ってところですね。
[映画館(字幕)] 5点(2007-03-31 19:45:03)
17.  NANA2 《ネタバレ》 
前作は主役二人と原作の物語のお陰で楽しめた、という感じだったのですが、今回は映画としてのクオリティそのものは大差ないものの、かなり劣る印象になってしまいました。もともと前作からして雑な映画ではあったのですが、原作に救われている感がありました。ところが今回は雑さは相変わらずな上、物語もハッキリしません。まだ原作が完結していないだけに、きちっとしたケリを付けられないのでしょうが、2時間以上に渡ってゴタゴタを見せられ続けた上で、なんにも解決してないじゃん!みたいなモヤモヤした状態で終わってしまうのはどうなんでしょう? しかも宣伝で完結編とか言ってるし。これで完結でスッキリできる訳ありません。それに、やっぱり主役交代が痛かったですね。市川由衣には悪いんですけど、宮崎あおいが降りてしまった時点で続編そのものの製作を止めてしまった方が良かったのではないかと。どうも安っぽい続編映画って感が漂ってしまっていて、全体的にグダグダな印象。新宿のライブシーンなんか、そこだけ浮いている感じでキチッとキャラクターの気持ちがシンクロしてゆく感じがしません。イギリスロケ部分だけが綺麗な映像も、なんだかなぁ(前作もそうでしたが、もう少し丁寧に本編撮ろうよ・・・)。それでも二人のナナの物語そのものは嫌いではないので、最低限のところでは楽しめてしまうという。ハチがなんとか輪の中に入っていたくて逆にどんどんと世界を壊してしまう、その弱さが痛いなぁ、と。だからこそ、そのままで終わるのは困るんですけど。作っちゃったのなら作っちゃったで、今回で完結とか言わずに最後まで責任取ろうヨ。
[映画館(邦画)] 5点(2006-12-29 21:41:31)
18.  南極日誌 《ネタバレ》 
ハズレでした。んー、ロケーションの風景が素晴らしくて、だけどそれゆえに後半になると怒涛のように現われる「合成です」ってハッキリしてしまう画面に冷めます。登場人物全員がキャラ的に面白くもなんともなくて、ずっとむすっとしていて全編陰鬱。ひとりひとり消えてゆく事になっても、思い入れが全然ないので恐怖感が湧いてきません。ホラーなんだかサイコサスペンスなんだか半端な状態でずっと物語が続くし、捜索隊は一度ヘリが出てくるだけで、あと何やってたんだか判らないし。ソン・ガンホはキューブリック版「シャイニング」のジャック・ニコルソンの如く、最初からおかしいんじゃないの?って感じにしか見えませんでしたし。太陽がずっと空にあって、風景がずっと白くて、その中で狂気に駆られてゆくっていうのが主題ならば、なんだか思わせぶりなイメージショットが多すぎですね。結構贅沢な環境で作られた映画だとは思うんですけど、私としてはこんな退屈な映画にしちゃって勿体ないなぁ、としか思えませんでした。
[DVD(字幕)] 3点(2006-11-05 01:17:13)
19.  夏時間の大人たち HAPPY-GO-LUCKY 《ネタバレ》 
ああ、ここに「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の原点があるのですね。田舎道。テレビドラマ。突如始まるイメージシーン。繰り返される過ち。オチで破壊される予定調和。錯綜する回想。階段の上にある心のしこり。後の両作ほどには突っ走っておらず、情感たっぷりな映画ではあるのですが、ヘンな人とヘンなエピソードの積み重ねは既にきっちり登場しております。キャラ的には、普段はだれ~んとしながら、一大事には田舎町を疾走して夫に一撃喰らわせる母・順子と、いつも主人公に襲いかかるペチャパイ夏子が良かったですね。少年の夏の日を通して描かれるのは、子供って生き物、大人って生き物。子供には大人が特別な生き物に見えるけれど、実は大人は子供から時間がずっと続いてるだけの生き物なのよ、と。社会も学校と似たようなもの。人生は逆上がりができたりできなかったりみたいな事がただずっと繰り返されてゆくものなのですね。経験から学ぶも人間、学ばぬも人間。
[DVD(邦画)] 8点(2006-08-30 00:10:48)(良:2票)
20.  ナビィの恋 《ネタバレ》 
演技の素人さん達がぎこちなく画面の中で動いて喋ってるのを見てるのが苦痛で、プロの人だけの画面になると安心して、って、そんなところで上手く映画の中に入ってゆけませんでした。しょっぱなから下手クソな「ひょっこりひょうたん島」を聴かされてダメージ喰らい、そこから延々と上手かったり下手だったりする音楽を聴かされ続けるのも、いいって言い切れない感じで。それに、沖縄という独特な社会の中にある閉鎖性に対して批判的にも思えるし、一方で送り手のやたら古臭い考え方も感じるし(結局は閉じている状態を良しとするような、特にラストで婿取って子供いっぱい作って、みたいなところで)、おじぃがひたすら可哀想にしか思えなかったりで、素直に受け入れる事はできませんでした。ごめんなさい。沖縄の風景や西田尚美はとっても良かったんですけど。それにしても、みんなあんなに肌を露出してて大丈夫?って思いました。私が沖縄に行った時、日焼け止めを「これでもか!」と塗りまくって、それでもたった一日で赤く日焼けして、日焼け止めがちゃんと塗れてなかった足の甲なんかヒリヒリで、マトモに歩けない状態になったモンです。西田尚美の白さに、映画見てる間ずっとハラハラ。
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-04 00:27:09)
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