1. ナイル殺人事件(1978)
《ネタバレ》 監督がジョン・ギラーミンということで、スリリングなサスペンスやシリアスな心理劇などは期待していなかったので、それなりに良いんじゃない、と思ってしまった。とは言え、まず被害者に殺意を抱く人が集まる過程がいまひとつ。結婚したら急に新婚旅行に付いてきた、という唐突感がどうもねぇ。まあ殺人事件ものであればそこは仕方が無いか。しかし、これはどうだ。殺人に至る過程が、あまりに分刻みの予定通りの行動を作り上げていないか?そんなに上手くいく訳がない、という冷めた気分になる。いや、偶然に上手くいったんだと言われれば、そうか、と言うしかないが。まあ、そこはまだ良い。まだね。でもねぇ、ポアロはどうしようもない。これでは普通の常識的な探偵以外の何者でもないではないか。盗み聞きにはめっぽう強い、ぐらいが特徴である。あの、奇行が趣味(?)の、空気が読めない、どこの国の人か分からないような、一方で、推理がずば抜けて優れているフランス人とはどうしても見えない。え?フランス人じゃないって?だ、だから、私は、フランス人には見えないと言っているのだ。 [地上波(字幕)] 7点(2016-01-16 19:31:22) |