1. 長く熱い夜(1958)
ポール・ニューマン、ジョアン・ウッドワード夫妻の最初の共演作で、この年2人は結婚(ポールは再婚)。テーマはずばり、村八分・・・渋っ。惨めな境涯から常に不運に見舞われ、不吉な噂と共にコミュニティを追われる主人公。南部の閉鎖的な農村を舞台にした泥臭いヒューマンドラマであるが、そこに陰湿さは微塵も感じられない。タイトル、テーマ曲、コミカルな脇役などが作品に暖かさと開放感を与え、風韻は一貫して古き良きハリウッド然としたロマンティシズムを湛えている。この作品でポールニューマンは燦然たる映画賞経歴の第一歩となる、カンヌ国際映画祭男優賞を初受賞する。果たして今のハリウッドにこれだけ野暮ったいテーマを実力で魅了できるスターなどいるだろうか?!パートナーシップが奏効してか、ジョアンがポールを平手打ちするシーンなどは見ているこちらが吹き出すほどの迫真力。社会の底を這いずり回りながら、タフに自分の居場所を求め勝ち取っていく主人公の姿は、いつの時代も普遍的に人々の心をインスパイアする力強さに満ちている。 6点(2004-07-05 21:35:59) |