1. 何者
《ネタバレ》 閉塞された空間に捉われ続ける若者たち。それはアパート、面接会場、大学の喫煙室、電車(さらには窓に映った拓人と瑞月は窓枠にも捉えられる)、タクシー、直接的描写はないが履歴書の証明写真など。 そんなあらゆる閉塞性の中で、ツイッターという特権的な立場から、他者を批評し俯瞰した視点を保つ事で、何者でもない自分のアイデンティティを何とか維持する拓人。 物語の終盤。他者を見ていた、批評していた者(拓人、映画の観客)が、見られる、批評される者になる瞬間。客観性が崩れる瞬間。抽象的なものが視覚化されていく。 それは劇場(演劇)となり、面接となり、ツイートを受け取る側のダイレクトな反応(理香)となる。 拓人のアイデンティティは崩壊し、面接の中で彼の本音が溢れ出す。 その時、それまで正面から客観的に拓人を捉えていたカメラは、彼の背中を押すような主観的なものとなり、拓人自身は閉塞されたビルから、光輝く解放的な外へと踏み出していく。 [DVD(邦画)] 7点(2017-08-15 18:55:55)(良:1票) |
2. ナイトクローラー
《ネタバレ》 山で起きた事故の死体を動かし、移動しながら、カメラを構える場面。映像がドキュメンタリーからフィクションに変わる瞬間。物や映像を盗むものから、生み出すものに変わる瞬間。事件をただ外側から受容するものから、事件の内側に入っていく瞬間。 そこから撮ることが特権化し、被写体に対する優位性が、そして自意識が誇大化していく。 同時に反比例して倫理や道徳という人間味が欠落していく。 その臨界点で起こる最悪の結末。しかし、そこで生み出されたものは同時に美しい芸術であり、究極のプロフェッショナルが辿り着いた結末ともとれる。 そして間違いなく彼が一番輝いた時でもある。 魅力的な映像を撮る事、魅力的な何かを生み出す事の代償(大なり小なりあれど)から目を反らすことなく、最後まで真摯に向き合っていた。 そして、その代償も含めたものこそが観客が求めているものではないのか?と訴えかけるかのような、ラストの尋問室での主人公の監視カメラへの視線にゾッとした。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-18 19:25:03)(良:1票) |
3. ナイロビの蜂
働き蜂は女王蜂の為に働く。きっと自分もある人にとっては働き蜂であり、ある人にとっては女王蜂であり、その関係性からは社会の中で生きていく上では、絶対に抜け出せないような気がした。 そういった意味ではこの映画に出てきた女王蜂のような人たちを、手放しで批判は出来ないと思った。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-01 01:06:12) |
4. ナイト・オン・ザ・プラネット
《ネタバレ》 人種も年齢も性別も違う。見かけによらない人もいれば、見かけ通りの人、懺悔をすると言いながらタバコをポイ捨てする人、目にしたものが自分にとって全ての人、目が見えなくても色々なものが見えてる人、人の不幸を相対的に比べて優劣をつける人。などなどホントに色んな人がいてそれぞれの人生を生きている。共通点は、地球で生活している事と、同じような時間にタクシーに乗った事と、タバコが大好きな事(吸ってない人もいますがすごく印象に残ったので..)ぐらい。そんなの当たり前で今更な事なのですが改めて実感し直しました。見終わった後に誰かとそれぞれのお気に入りのパートについて語り合いたくなりました。自分のお気に入りはニューヨークの話でした。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-13 23:10:17) |
5. 何がジェーンに起ったか?
《ネタバレ》 姉の事故の真実を知りやっと素直になれ野次馬という名の観衆に囲まれ今までの念願だった注目を浴びながら、踊る事ができたのにあんな結果になってしまったのには皮肉を感じました。思えばジェーンは姉の事故を自分のせいだと思い悔やんで、その出来事から逃げるために幼児回帰をしていたのかもとも思いました。ずっと事故の真実を言えず悔やんでいた姉も然り、お互いのほんの少しのすれ違いが起こした悲劇であったのかもしれませんね。ずっと一緒にいて距離感が近すぎた為に異常なまで憎しみ合い、愛し合い、妬み合ってこの結果に至ったのかもしれないと思うと、何ともやるせない気持ちになりました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-21 19:36:37)(良:3票) |
6. ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生
《ネタバレ》 人類の破滅への始まりが描かれているロメロのゾンビ映画の一作目。ゾンビという認識も対処法も発生の仕方も分からない所から始まる話は、これから起こり来る恐怖への幕開けを感じました。ゾンビと一緒に焼かれるベンの姿の救いのなさがとても印象的でした。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-16 23:45:32) |
7. 眺めのいい部屋
《ネタバレ》 上手くまとまってはいるものの、登場人物の容貌や景色のおかげもあってか作品全体が上品であっさりしすぎていてパンチ不足で物足りないと感じてしまいました。なので自分はセシルにルーシーに対しての彼自身の階級を顧みない醜さやねちっこさを期待していました。彼がそうであれば、もっと作品やセシルという人物に愛着がわいていたような気がします。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-16 10:15:10) |
8. ナイト ミュージアム
《ネタバレ》 後ろの席にいた、子供ずれの親子が気になってしょうがなかったです。「字幕じゃなくて吹き替え見せてあげればいいのに..あきちゃってるし...。」と全然関係ないとこが気になってしまいました。肝心の内容は、大笑いというよりは子笑いの連発。CMの予告を観なければもっと笑えたのかなぁ~って感じです。ちっちゃい二人組みがいい味出してました。最後の凱旋シーンではちょっと泣きそうにもなりました。 [映画館(字幕)] 5点(2007-03-25 14:51:20) |