1. 南極料理人
《ネタバレ》 いきなりシリアス風から落とすコメディータッチで始まり、飄々と進んでいく展開は、実に心地良い。 コミカルな演出は、行動としてはかなり誇張されているけど心理的には嘘ではないと感じるギリギリの線で味付けされており、堺雅人の飄々とした演技と相まって、長期間の基地生活の過酷さをベースにしっかり感じさせつつ、嫌味でないほのぼの感と笑いを醸し出している。 あざとい感動のヒューマンドラマの一つも入れたくなりそうな設定なのに、それが一切ない。コメディーもドタバタのの手前で収まっている。そして何より、「食」そのものが映画の中心で、他の要素は全て添え物という潔さががある。 「食」を楽しむことが長期間の閉鎖社会をうまく乗り切る上で非常に重要ということを、見るものの感性に直感的に訴えるうまい演出であり、若干現実離れした行動であっても、充分に共感を呼ぶリアル感を出せているように思う。 ただし、KDDオペレータだけは、ちょっとやり過ぎかも。面白かったけど。 [DVD(邦画)] 7点(2011-05-02 01:10:10)(良:1票) |