1. ニック・オブ・タイム
「劇の時間が観ているリアルタイムと一緒」というふれこみで、TSUTAYAがおススメ「発掘良品」の棚に、「知る人ぞ知るこの2本」のうちの一本として並べていたので借りてきたところ、なんだ昔一度観たことのあるものだった。それくらい印象の薄い作品。いかんせん、根本的にプロットに無理がある。もし自分が暗殺側だったら、こんな面倒で、危険の多いやり方は絶対しない。観客にハラハラさせてやろうという、はじめの企画段階からの意図が見え見え。なるほどハラハラはさせるだろうが、薄っぺらな作品。 [DVD(字幕)] 3点(2010-11-12 03:48:24) |
2. 252 生存者あり
しょせん観客大衆には、この程度の安直な作りでいいのだ、といわんばかりの二級、三級の映画。観る者を侮辱された気分にしてくれる。安っぽい人間ドラマなどいっさい省いて、せめて最初から最後までディザスター・シーンだけで通してくれれば、まだなんぼかましだったろうに......。 [DVD(邦画)] 3点(2009-12-21 06:38:08) |
3. 20世紀少年
《ネタバレ》 どうやら基本的な構図としては、1960年代頃の、ある個別的な集団の、および世界ニュース的な出来事が、2000年頃の恐ろしい危機的事件を発生させることになった。その間をつなぐ関連の証しが、例のマークだというわけだ。まるで非線形科学のいう「バタフライ効果」のように。このお話には、1990年代のオウム事件というカルト教団の起こした、「世界征服」への野望が、下敷きになっているとみえる。『三丁目の夕日』的なノスタルジーと、謎解きのサスペンスと、カルトがひきおこす得体の知れぬホラーとが、ないまぜになった世界。これはたしかに新機軸と思うけれども、ちょっと話が複雑すぎて、ついてゆきかねた。 [DVD(邦画)] 5点(2009-04-13 01:24:55) |
4. 28週後...
恐ろしく哀しいお話。強烈な映像......。しかし個人的な好みでいわせてもらうと、私めが最も魅かれたのは、初期のキング・クリムゾン調の音楽でした。懐かしの音、メロトロン......。さすがブリティッシュ、全体にひと味違う。 [DVD(吹替)] 8点(2008-10-07 04:36:10) |
5. 日本以外全部沈没
往年の名作『悪魔の毒々モンスター』を思い浮かべてもらえばいいが、チープさをねらったチープな映画というものがあり、B級に徹したB級映画があって、チープ映画、B級映画という独特のジャンルがあるのはたしかだ。ではこれはそうしたジャンルの作品として成功しているか? 残念ながらペケだ。この手のものは通常の映画よりむつかしく、よっぽどの才能と練り上げが要るように思われる。こんな程度でいいだろうぐらいのところで作られてはたまらない。観客をなめてはいませんか、といいたくなった。 チープなチープ映画、B級のB級映画。 [DVD(邦画)] 1点(2007-04-17 07:09:38) |
6. 日本沈没(1973)
新作を観たあと、ただちに旧作を借りてきて観くらべた。たしかに多くの人の言うとおり、旧作の方がずっとよく、CGのない時代だったにもかかわらず、往年の東宝特撮スタッフの実力はたいしたものだった、とあらためて思った。それに俳優が、1970年代の映画では今よりずっと大人だったなあ。 小林桂樹の暖かみがありながら苦虫をかみつぶした独特の味、丹波哲朗のくっさいが威圧感のある演技、端正な中村伸郎、それに新国劇の大御所島田正吾はもうさすがというほかなく、見ごたえがありましたね。 [DVD(邦画)] 8点(2007-04-16 09:23:27) |
7. 日本沈没(2006)
《ネタバレ》 新作を観てから旧作を観直してみた。なるほど、みんなの言うとおり、旧作の方がずっといい。新作はCGも使えて映像はレベルアップしているのに、作品全体がまるで幼稚なガキのつくった映画。これに比べれば旧作は大人のつくった映画で、特撮はCGもなかったのに、かえって現実感をただよわせているのは不思議だ。往年の東宝スタッフの実力を再確認させてもらった。それにラスト、旧作では日本人はかつてのユダヤ人のように世界の漂流民と化すが、新作では.......。無理がありすぎるうえに、これではまるで愛する同胞のために死んでゆく特攻精神の安っぽい礼讃とちがうのか? そうか、これはあの安っぽい活劇『ローレライ』の監督が作ったのだった。監督から俳優まで、この20年あまりのうちに日本映画もガキっぽくなってしまったものだ、と痛感しないわけにゆかなかった。 [DVD(邦画)] 3点(2007-04-16 09:11:10) |
8. ニューヨーク1997
《ネタバレ》 もうこれはこの手の映画の第一級の古典といっていいのでしょう。日本もこれから凶悪犯罪者が激増して、刑務所が満杯でもたなくなれば、どこかの島をこんなふうにあてて、「島流し」を政府は検討し出すかもしれない。まんざら荒唐無稽ばかりでない近未来。それはそうと、ラストでまんまと当局にいっぱいくわせつつ、署長の再雇用の提案にも見向きもせず、飄然と立ち去ってゆくスネークの反権力ぶりが素敵だった。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-24 04:41:14) |