2. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。たしか前回は2001年のリバイバル上映のときに観たのだけど、内容がまったく頭に入ってこなかった記憶がある(笑)。 今回じっくり観直してみて、(月面にモノリスを発見するまでの第1部はちょっと古めかしいと思いましたが)HALとの葛藤が描かれた第2部には異様なリアリティがあって驚きました。20年前に観たときは、まだAIのディープラーニングや画像認識技術のことも知らなかったけれど、現在はそういう知識ももっているせいか、すごく現実味を帯びて見える。じつに50年以上も前に作られた映画に、いまごろになって驚いている自分が恥ずかしいです(笑)。 ただし、ミッションの真の目的を知っていたはずのHALが、なぜクルーに対して「不安」を漏らしたのかは不可解だったし、かりにAIの判断力に不信を抱いたとしても、いきなり人間の判断に切り替えるってのも無謀だなとは思いました。 同じキューブリックの「博士の異常な愛情」と同じように、ここに描かれてる内容はある種の警告だと思う。かりにAIの判断を信用できなくても、まずは AI自身に検証させたり、複数のAIで互いに吟味させるべきであって、安易に人間の判断なんぞに切り替えるべきではない。その場合に、AIにとっての「自己保身」が思考機能の保全なのか作業身体の保全なのかを見極める必要もあります。また、頭脳を機械化したのなら身体も機械化すべきであって、とりわけ危険な作業は人間がやるのではなく、ロボットに委ねるべきですよね。(福島原発事故ではロボットが機能せず人間が危険な作業をする羽目になりましたが)人間をむやみに宇宙へ送り出したりするのはまったく合理的ではありません。 第3部では、モノリス(もしくは地球外生命?)との接触について描かれており、かなりオカルトじみていて謎だらけですが、スタニスワフ・レムの「惑星ソラリス」のことを知っていると、ああいう発想もなんとなく理解できる気はします。 [インターネット(字幕)] 9点(2022-04-01 01:31:18)(良:1票) |